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蛊真人  作者: 魏臣栋
青茅山
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第十五節: 歴史は勝利者によって書かれる

この秘洞ひとう背後はいごから他人たにんこえこえた。

方源ほうげんですらこの瞬間しゅんかん鳥肌とりはだち、頭皮とうひしびれる感覚かんかくおそわれた。


自分じぶん尾行びこうされていた!

連日れんじつ外出がいしゅつだれかの注意ちゅういいたのか?

叔父おじけたものか?

宿屋やどや出会であった一転蛊師いってんこし江牙こうがかお脳裏のうりかすめた。


刹那せつな無数むすう推測すいそく脳内のうないめぐり、解決策かいけつさく模索もさくする。

みじか一言ひとことめられた殺意さついを感じ、内心ないしん舌打したうちした。

一転初階いってんしょかい本命蛊ほんめいこすらたぬ現状げんじょう——蛊師こしとして戦力せんりょく皆無かいむだ。


よわすぎる!」こころ咆哮ほうこうした。


「おまえわたし独門どくもん毒蛊どくこっている。解蛊かいこなしでは七日後なのかご膿血のうけつす」

背後のこえふたたひびく。


方源はいしばり、冷静れいせいひくこえこたえた:「酒虫しゅちゅうしいのか? くれてやる」

ゆっくりとからだこしはじめた。


その瞬間しゅんかんべつこえ恐怖きょうふふるえながらひびいた:「なんでもします! いのちだけは……花酒行者かしゅぎょうじゃさま!」


て、これは……」方源はまゆしかめ、素早すばやり返った。


岩壁がんぺきひかり幻影げんえいかびがる。

精悍せいかん蛊師こし山頂さんちょうに立ち、足元あしもとひざまずべつの蛊師がいる。


周囲しゅういにはくずれた巨岩きょがん深穴ふかあな恐怖きょうふこおいた老人ろうじんたちの姿すがた


勝者しょうしゃである蛊師は高笑たかわらいする:「ははは! 古月英雄こげつえいゆうよ、五転ごてん実力じつりょくある若造わかぞうがこの始末しまつか!」


薄桃色うすももいろ長袍ちょうほうをまとったそのおとこは、光頭こうとう胸筋むなきんあらわにしていた。


「花酒行者!」方源は即座そくざ見破みやぶった。


ひざまずく蛊師はふるえながら哀願あいがんする:「花酒様さまとの比較ひかくなど……わたしくらんでおりました! 以前いぜん歓待かんたいおもし……いのちだけは!」


方源が凝視ぎょうしすると、その蛊師は古月族長こげつぞくちょう衣装いしょうており、まさしく四代目よんだいめだった。


花酒行者は冷笑れいしょうびせる:「取引とりひきもうんださい月蘭花げつらんか元石げんせき公正こうせい交換こうかん提案ていあんしたのに、毒蛊どくこ仕込しこみのさけだますとは!」


ゆび四代族長よんだいぞくちょうける:「奴隷蛊どれいこなどっておらぬが、おまえどくわたしだけがける。今後こんごしゅう三十斤さんじゅっきん月蘭花げつらんか三千枚さんぜんまい元石げんせきおさめよ」


四代族長よんだいぞくちょうひたいいわながしながら謝罪しゃざいする:「つつしんでしたがいます!」


花酒行者かしゅぎょうじゃまゆげる:「下僕げぼくごと態度たいどしゃくたねだ! 五転强者ごてんきょうしゃ伊達だてではない……うっ!?」


突然とつぜん体勢たいせいくずし、四代族長よんだいぞくちょう蹴飛けとばす:「まだかくっていたのか!?」


四代族長よんだいぞくちょう吐血とけつしながらわらう:「月影蛊げつえいこ貴様きさま元海げんかいふうじた! 魔道まとうもの皆殺みなごろしだ!」


花酒行者かしゅぎょうじゃ怒涛どとうこぶしたたむ:「ふざけるな!!」

四代族長よんだいぞくちょう麻袋あさぶくろごとび、地面じめんたたきつけられた。


ぷっ。

彼は大量たいりょう鮮血せんけつした。血中けっちゅうには無数むすう内臓片ないぞうへんじっている。「くるったのか、まだはなえる余地よちがあっただろうに……」四代族長よんだいぞくちょう花酒行者かしゅぎょうじゃにらみつけ、くちびるふるわせた。言葉ことばえるもなく、あしし、くびかしげて絶命ぜつめいした。


族長ぞくちょう!!」

魔道まとうものはやはり狂人きょうじんばかりだ」

ころせ! あの魔頭まとうって族長ぞくちょうあだれ!」

月影蛊げつえいこ真元しんげん制限せいげんされ、時間じかんとも元海げんかい侵食しんしょくされる」


観戦かんせんしていた家老かろうたちは怒号どごうげ、ほうれのようにおそいかかった。


「ははは、にたきゃかかってい!」花酒行者かしゅぎょうじゃてんあおさけび、家老かろうたちの突撃とつげき正面しょうめんからむかった。


激闘げきとう展開てんかい——花酒行者かしゅぎょうじゃ瞬時しゅんじ戦況せんきょう掌握しょうあくし、家老かろうたちは次々(つぎつぎ)とたおれ、地面じめんくずちた。


残存ざんぞん家老かろうにとどめをそうとした瞬間しゅんかん花酒行者かしゅぎょうじゃ顔面がんめんゆがませはらさえた:「くそっ!」


あとかなら始末しまつしてやる」どくふくんだ視線しせんげかけ、電光でんこうごと山林さんりんみ、跡形あとかたもなくえた。

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