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蛊真人  作者: 魏臣栋
青茅山
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第十二節:青竹酒香,蛊师逞威

「今や全ての問題は花酒行者(かしゅぎょうじゃ)の遺蔵(いぞう)に帰結する。私がそれを発見できれば、全ての困難は刃物が物を切るように解決する。発見できなければ、これらの難題が修行の速度を大きく遅らせ、修業初期の段階で同世代の者たちから大きく引き離されることになる。不可解だ…一週間以上も酒虫(しゅちゅう)を引き寄せる策を講じているのに、何故効果が現れないのか?」


方源(ほうげん)は眉をひそめながら深く思索にふけっていた。口に運ぶ食事の味すら、全く感知できていなかった。


店小二(てんこじ)も機転の利く者で、この様子を見て商談が成立しないと悟った。しかしこのような状況には慣れっこで、引き下がろうとしたその時、隅のテーブルから若者の声が響いた:「ははっ、実に滑稽だ。大騒ぎして何になる? 酒が買えぬなら、大人しく口を噤んで隅にでも引っ込んでいろ!」


猟師(りょうし)の一人がこの言葉に刺激され、叫びだした:「誰が買えんと言った!小僧、その酒を持って来い!この俺が元石(げんせき)を払ってやる、たった二枚じゃないか!」


「はい、お客様少々お待ちを!ただ今持って参ります!」店小二は予期せぬ展開に即座に対応し、身を翻して酒壺を抱えて戻ってきた。


この酒壺は普通のものより半分ほどの大きさだったが、封泥(ふうでい)を剥がすと、たちまち清らかで芳醇(ほうじゅん)な酒の香りが食堂中に広がった。


窓際で独酌(どくしゃく)していた老人も、この香りに誘われるように振り返り、酒壺に視線を注いだ。

確かに上等の酒である。


「お客様方、決して大袈裟(おおげさ)に申し上げるのではありません。これは極上の青竹酒(せいちくしゅ)で、山寨(さんさい)で当店だけが扱っております。どうぞこの香りをお確かめください!」店小二はそう言いながら、深く息を吸い込み、満足感に満ちた表情を浮かべた。


方源(ほうげん)は内心で頷いた。店小二(てんこじ)の言葉は誇張ではなかった。


古月山寨(こげつさんさい)には三家の酒屋があり、普通の米酒や濁り酒を売り、種類も大同小異(だいどうしょうい)だった。酒虫(しゅちゅう)を引き寄せるため七日間連続で酒を買い続けた方源は、相場を熟知していた。


猟師(りょうし)たちは目の前の酒壺(さけつぼ)を見つめ、酒癖(さけぐせ)を刺激され、鼻をひくひくさせ喉仏(のどぼとけ)を上下させた。一方、衝動買いした猟師の表情はさらに複雑で、後悔の色が浮かんでいた。


この一壺(ひとつぼ)で元石(げんせき)二枚だ!

「勢いで買ってしまった。店小二もあくどい奴だ。封を切った以上、返品は不可能だ」

面子(メンツ)が許さず、猟師は机を叩き強張(こわば)った笑いを作った:「ちくしょう、良い酒だ!兄弟たち、遠慮せず飲め!今日は俺のおごりだ!」


その瞬間、隅のテーブルから再び嗤(わら)い声が響いた:「そんな小壺で六人分か?本気なら何壺も買えよ」


猟師は青筋(あおすじ)を立てて跳(と)び上がり、若者を睨(にら)みつけた:「小僧(こぞう)、口が過ぎる!出て来い!手合わせしてやる!」


「ほう?では出て参ろう」青年は薄笑いを浮かべ、影から姿を現した。

痩身(そうしん)で青白い顔、深藍(しんらん)の武闘服(ぶとうふ)が引き締まった体形を強調。紺碧(こんぺき)の鉢巻(はちまき)、露わになった細い肩、竹皮草履(たけのかわぞうり)に脚絆(きゃはん)。


決定的なのは腰の青布(あおぬの)帯(おび)だった。中央に埋め込まれた銅板(どうばん)には黒い「一」の文字。


「一転蛊師(いってんこし)!?」猟師はその服装の意味を理解し、息を呑(の)んだ。怒りは恐れに変わった。


「手合わせしたいんだろ?来いよ」青年蛊師(こし)は嘲(あざけ)るように近づく。

挑発した猟師は彫像(ちょうぞう)のように凝固(ぎょうこ)した。


「全員掛(か)かってもいいぞ」蛊師は猟師たちのテーブルに歩み寄った。

猟師たちは一斉に顔色を変え、冷汗(れいかん)を流して微動(びどう)だにしなかった。


蛊師は青竹酒(せいちくしゅ)の壺を手に取り、嗅いで嗤(せせらわら)った:「確かに香りは良い」


「お気に召されれば、どうぞ……」挑発した猟師が恭(うやうや)しく頭を下げた。


途端(とたん)、蛊師は壺を床に叩きつけた。「賠罪(ばいざい)だと?凡人(ぼんじん)ごときが!」


「元石二枚も使って酒を飲む余裕が?俺様が元石に困っている時に!」蛊師の眼光(がんこう)が食堂を射抜く。


猟師たちは震(ふる)えながらポケットから元石の欠片(かけら)を取り出した。最大でも四分の一サイズだった。


蛊師は受け取らず、鷹(たか)のような目で室内を睥睨(へいげい)。老人は慌(あわ)てて視線を逸(そ)らす中、方源だけが平然と観察を続けていた。


この青年蛊師(こし)の服装は正式な蛊師のみが着用を許されるもので、方源(ほうげん)ですらまだ資格がない。学堂を卒業後、家族から支給されるものだ。


青年蛊師の帯(おび)の銅板(どうばん)に刻まれた「一」の文字は、彼が一転蛊師(いってんこし)であることを示していた。


しかし彼は二十代半ばの風貌で、体から発散される真元(しんげん)の気配から判断すると、一転高階(いってんこうかい)の実力者と思われた。


十五歳で修行を始め、二十代になっても一転高階に留まることは、青年の資質が丁等(ていとう)であり、方源の丙等(へいとう)よりも劣っていることを意味する。おそらく後方支援の蛊師に過ぎず、戦闘蛊師ですらないだろう。


それでもなお、六人の猟師(りょうし)の壮漢(そうかん)を相手にするには余裕があった。


これが蛊師と凡人(ぼんじん)の力の差である。


「力を持てば高みに立てる。これがこの世界の本質だ。いや、どの世界も同じこと。大きな魚が小魚を食い、小魚が小エビを食う。ただこの世界ではそれがよりむき出しになっているだけだ」方源は心の奥で静かに感慨(かんがい)した。


「いい加減にしろ江牙(こうが)、凡人をいじめるのは恥ずかしいわよ」隅のテーブルに座っていたもう一人の若者が口を開いた。


その声で、彼女が女性だと皆が気付いた。


江牙と名乗る青年蛊師(こし)は同輩に窘(たしな)められ、冷笑(れいしょう)を止めた。猟師(りょうし)たちが差し出した元石(げんせき)の欠片(かけら)には目もくれない——全て合わせても二枚に満たないからだ。


袖(そで)を払い元の席へ向かう途中、江牙は捨て台詞(ぜりふ)を吐いた:「飲む勇気があるなら青竹酒(せいちくしゅ)を続けてみろ。誰が飲むか見物だ」


猟師たちはうなだれたまま、六人の従順(じゅうじゅん)な孫のようだった。


酒の香りが食堂に充満する中、酒を買った猟師は顔を痙攣(けいれん)させていた。元石二枚を支払ったのに、一滴も口にしていない!


方源(ほうげん)は箸を置き——既に満腹だった——酒香(しゅこう)を嗅ぎながら目を輝かせ、突然元石二枚を机に放り出した:「小二(てんこじ)、青竹酒を一壺(ひとはこ)持って来い」


場内が凍り付いた。


江牙は足を止め、口元を引き攣(つ)らせた。今しがた威嚇(いかく)した直後に酒を注文するとは、明らかに自分の面目(めんもく)を潰す行為だ。


振り返った江牙の細目(ほそめ)が冷気を放ち、方源を射る。


方源は坦然(たんぜん)と視線を合わせ、微動(びどう)だにしない。


江牙の眼光(がんこう)が閃(ひらめ)いた。方源の体から漏れる真元(しんげん)の気配を感知し、その正体を悟ると、春風(しゅんぷう)のような笑みを浮かべた:「これはこれは、学弟(がくてい)さんか」


周囲の者たちは合点(がてん)がいった様子で、方源を見る目が変わった。学堂生とはいえ、既に蛊師の仲間入りを果たしていたのだ。


「蛊師様、お酒でございます!」店小二(てんこじ)がせかせかと駆け寄り、媚(こ)び笑いを浮かべた。


方源は江牙に会釈(えしゃく)すると、酒壺を手に宿屋(やどや)を後(あと)にした。


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