表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/20

5 スキル鑑定と試合(2)

屋敷に戻ってきた俺達は、馬車から降りる。

すると、屋敷の前でカインが仁王立ちしていた。

カインは俺達が、帰ってくるのを待っていたのか?

そんなことを思っていると、こちらに向かってくる。

よく見ると俺の方を睨んでいる。

その様子に、オニキスは顔を強張らせた。


カインは俺たちの前まで来ると止まり、口を開いた。


「フォン。俺と戦え!」


カインはそう言うと、オニキスに話しかけていた。

その会話の内容は、よく聞こえなかった。

だが、オニキスはその話を聞いて、それまで厳しかった顔を和らげた。

どんなことを話したのだろうか?


すると、オニキスが俺の方に向かってきた。


「フォン。カインとの戦いを受けてやってはくれないか?」


「わかりました」


動機が分からないが、カインと戦ったとしてもどうにでもできる。

それと、俺もカインとは戦って見たかったしね。

スキルを暴走させてから、どれだけスキルが扱えるようになったのかが気になるからな。



そういうことで、俺とカインは戦うことになった。

戦う場所は、屋敷にある訓練場を使用する。

俺とカインの戦いは、二時間後に行われることになった。


カインとの試合までの間、俺はオニキスの元を訪ねていた。

俺は執務室の前まで来た。

一つ大きく息を吐くと、扉をノックした。


「入っていいぞ」


「失礼します」


執務室に入ると、大量の書類の山に囲まれているオニキスがいた。

失礼かもしれないが、こうしてみると・・・

やはり、小さく見えてしまう。

おっと、少し話が脱線したな。


「それでフォン。何の用だ?」


「少し聞きたいことがあります」


俺の聞きたいことは、カインの動機だ。

カインがなぜ、いきなり戦いを申し込んできたのか。

どうして、それをオニキスが承諾したのか。

疑問に思うところが多い。

それに屋敷に戻ってから、使用人たちの様子もおかしい。

カインが試合を申し込んだとか、そういうことは関係なく。ただ、俺への視線がおかしいのだ。


「カインと戦うようにしたのはなぜですか?」


「それは今は言えない。試合が終われば、教えられる」


まるで事前に、決めていたセリフを喋っているようだ。

こういう質問が来ることは予想していたようだ。

まあ、当然か。


「なんでですか!」


俺は追い打ちをかけるように、質問した。

できるだけ、焦っている様子を出す。


「教えられない。質問がそれだけならもう戻りなさい。試合の準備があるだろう」


オニキスは淡々とそう告げる。

これ以上は効き出せそうにないな。

まあ、後は使用人のことだけ聞くか。


「では、あと一つだけ。屋敷に戻ってから使用人の様子がおかしいのですが、心当たりはありますか?」


その質問に、オニキスの眉間に力が入る。

もしかして、前後の質問に関連性があるのか?

しかし、オニキスはすぐに表情を戻した。

オニキスは少し黙った後に、返答した。


「スキル鑑定が今日行われたから、フォンの結果が心配なのだろう」


確かに、言われればそんな気がするが・・・

鑑定に行く前は、そんな不安そうな様子なんてなかった。

なんだ、この違和感は。

まるで、状況が変わったようだ。

うーん。いくら考えても、情報が足りない。

とりあえず、忙しそうだし退室しよう。


「ありがとうございます。それでは失礼します」


「ああ、試合だからと言って緊張しすぎるなよ」


俺は部屋を退室した。

そして、自室まで戻った。


やっぱり、動機が気になる。

だけど、それを知る術を今は持ち合わせていない。

考えても答えが出ないのは明白。

なら、試合のことを考えよう。


まず、カインがどれだけの実力を持っているかが大事だ。

仮に、想定よりカインが弱ければ、大けがを負わせる可能性がある。

カインについて、知っている情報を洗い出してみるか。

カインのスキルは光に関係するものだ。

そして、二年前は制御できていなかった。

後は二年前から、剣術と魔術の教師がついていたな。

それを考えると、魔法は下級から中級。剣術は基礎ができている程度だろう。

もし、想定より高くても上級魔法や剣術に重心移動、瞬間移動を入れてくるくらいだろう。


そう考えると、俺は下級魔法で対応するべきだな。

剣術は手加減すればいいだろう。

幸い、()()()()()()()()()()()()()()()()()

一番してはいけないのは、初手を俺が取ることだ。

相手の力量を計ることができない。


試合のことを考えていると、そろそろ時間になったようだ。

俺は訓練場に向かった。





誤字や間違いがありましたらご報告いただけると助かります。

作品への評価・感想等を頂けると嬉しいです。

ご覧いただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ