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24 失踪

投稿が少し空きました。

前の週に書き上げたものを投稿しているので、投稿が少なかった週は先週忙しかったんだなと思ってください。

その日はいつも通り、ベットで目を覚ましました。

だけど、いつもとは違い周囲が騒がしいのです。


バン!


大きな音を立てながら、勢いよく扉が開かれました。

そこから現れたのはカルミアでした。どうしたのでしょうか。


「お嬢様、街の周りに大量の魔物が出現いたしました!」


その発言に目を見開いた。

魔物と言うのは縄張り意識の強い者から、流浪する者もいます。ですが、流浪する者はよくて数十体ほどで群れを成すのです。だから、魔物が一気に現れることは一般的にありえないと言われています。


それなのに、大量の魔物が現れるということは人為的なものであることは明らかです。

恐らく、高い知性を持つとされる魔族の仕業でしょう。

そして彼らの目的は・・・恐らく、私でしょう。


この街は戦術的重要度が低く、かつ重要な施設が存在いたしません。ありふれた町の一つであるはずです。それなのにこの町に来たということは、公爵家の私かお爺様が狙われているはずです。

そうなれば、怪しいのは私になります。


「それはまずいですね」


「お嬢様、私が逃走経路を確保いたしました。すぐに着替えて避難しましょう」


「ええ、わかりましたわ」


敵の目的が私だとするのならば、捕まるわけにはいきません。


私は急いで着替えました。

すると、カルミアが案内を始めました。


「こっちです」


カルミアが案内するために、手をそちらに向けました。

私はふと、その手に目が留まりました。

なぜなら、普段彼女は手袋を付けていないのですが、今日はつけています。

確か、あの手袋には・・・なんの効果があったのかしら?


今はそんなことを考えている暇はありません。

逃げなければいけません。



街の外壁近くに来ました。

ここで、お爺様と合流し少数の精鋭で魔物の大群を抜けるらしいです。

その後に、この町に増援を呼ぶようです。


そのはずなのですが、一向にお爺様がいらっしゃいません。

私は不思議に思って、カルミアの方に振り向きました。


ですが、そこにはカルミアはいませんでした。


「カルミ・・・ングッ!!!」


背後から何者かに、口元を抑えられました。

そのせいで悲鳴を上げることもできません。私は何とか拘束から逃れようとしました。

ですが、相手は大人のようで私の力では何ともなりませんでした。

そして、睡眠魔法でも受けているのか私の意識は遠のいていきました。


ああ、そうでした。

あの手袋は・・・状態異常魔法を発動する際に使用されるものでした。



____________________________________

フォンside


「アリス様がどこにもいらっしゃいません!」


メイドの一人が部屋の扉をあけながら、この場にいる面々に告げる。

告げられた内容に、周囲がざわついた。


今この部屋には、前公爵と何名かの部下がいる。そして、俺も客人をこの状況で一人にするために行かないため、ここに集められている。


先程まで魔物の大群への対策を、前公爵達が話し合っていたのだ。しかし、それがメイドが告げたアリスが居なくなったという事実で、それどころではなくなってしまった。


今回の大群は明らかに作為的に起こされたものだ。それは、この場にいる者の共通認識である。では、なぜこの街を包囲したのか。アリスの身柄だと考えれば、あり得ないことはないだろう。仮にそうでなくとも、アリスを人質にすることで前公爵の判断を鈍らせることができるだろう。


どちらにしても、アリスの消息が不明なことはとても不味い。


「それは本当なのか!」


「はい、アリス様の部屋をお尋ねしたのですが返事がなく、失礼を承知で部屋に入るとアリス様がいらっしゃいませんでした。そして、部屋の中が散らかっており、急いでいたような形跡が見られます。ですから、何かから逃げた。もしくは、連れ去られた可能性が高いと判断しました」


「そうか下がっていいぞ」


実の孫が連れ去られたかもしれないとなると、前公爵も心配が勝つのだろう。

前公爵はその報告を聞くと、悔しそうに顔を歪ませた。ドン、と机をたたく音が部屋に響いた。


「なぜ、このような事態に・・・」


そんな前公爵の悲痛な声が木霊する。

俺はそっと手を上げた。


「発言してもよろしいでしょうか?」


「なんだ」


「部外者がでしゃばるな」


前公爵の部下から、咎めるような声が上がる。

当然だろう。この状況で部外者である俺が、前公爵に話しかけるなど。


「よい、申せ」


だが、前公爵はそんなことを気にせず、許可を出した。


「では、失礼ながら。恐らく、この屋敷にスパイがいたのではないでしょうか?」


「何を!」


「そのようなことがあるはずなかろう」


突拍子もない発言に、士官たちは怒りを露わにする。


「私はその人物におおよその見当がついています」


「誰だと思う」


もしふざけた回答をしようものなら、殺しに来るのではないかと思うほどの殺気を目に宿らせている。前公爵のその問いに、()()()()()()()()()()()()答える。


「カルミアです」


「なぜそう思う?」


「専属であるカルミアが、アリス様がいなくなったことに気づかないのでしょうか?そもそも、今この場にいない者が怪しいでしょう。専属の彼女もいっしょに攫われたなどと言うことはありえないでしょう。彼女を生かして連れ去る必要がない。その場で始末してしまう方がいいでしょう。それなのに、彼女の死体すらない。この状況で彼女を疑わないことはむずかしいでしょう」


「た、確かに、言われてみれば不自然だ!」


「いや、だが、彼女がそんなことをする必要があるか?」


「カルミアを、屋敷の隅々まで、探せ!!」


前公爵がそう号令を出すと、騎士たちがこの部屋から退出し、カルミアを探しに行った。


「アリス、無事であってくれ」


力のない弱弱しい声が、何処かから聞こえた気がした。

誤字や間違いがありましたらご報告いただけると助かります。

作品への評価・感想等を頂けると嬉しいです。

ご覧いただき、ありがとうございます。

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