表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/19

2 魔法習得

俺は今、一人で図書室にいた。

理由はこの世界に存在する魔法を覚えようとしているのだ。

そのための知識や前提が分からないため、俺は図書室で魔法について調べている。


使用人とか護衛とかはどうしたって?

そんなもの不意打ちをすれば・・・違う違う。そんなことはしていない。

単純にその目から抜け出しただけだ。

だから、今屋敷中で俺を探しているだろう。


何故、抜け出したかと言うと、それはこんな三歳児が図書室に籠ることは不自然だからだ。そして、さらには魔法の勉強をしているとなると怪しまれるだろう。そうなってしまうと困る。

だから、俺は使用人や護衛の目を搔い潜ってまで一人で来たのだ。


さて、俺は図書室で調べ始めてから三時間ほどで、魔法についてのある程度の情報を集めることができた。

俺が集めた情報によると、魔法とは魔力を媒体にして効果を得る物という代物らしい。

結構抽象的な表現での説明だが、仕方がないだろう。なぜなら魔法のできることの範囲が広すぎるのだ。例えば、先ほど言った効果にも干渉系や放出系など様々なものがあるのだから。

そして、もう一つこの魔法を使うために必要な魔力と言う物、これは魔素という物質をによって構成されている。そのため、魔素の構成の仕方や魔素と魔素をつなぐ強度によって魔力の強さが変わるとされている。


まあ、三時間程度でこれほどの情報を集められたのだ。

脱走した甲斐があったな。

俺がそんなことを考えていると、背後に急に気配が出現した。

そこにいたのはルビーだった。


「フォン?(ニコニコ)」


あ、ヤバい。これキレてるときのルビーだ。

俺は咄嗟に逃げ出そうとするが、三歳児の身体能力ではこの偉大なる母から逃げ出すことは不可能らしい。俺はあっけなく捕まった。


俺はその後、三時間に及ぶ説教の末に解放された。

だが、この程度で俺は魔法を覚えることをあきらめたりなんかしない。

俺はその後も何回も逃げ出して、図書室に行った。

その度にルビーに見つかり説教を食らうという結果に終わった。

そして、図書室に監視を置く結果となった。



だが、監視が置かれるまでに魔法の基礎的な部分の理解をすることができた。

これ以上は固定概念に囚われてしまうリスクがあるため、魔法について図書室で調べることは当分ないだろう。もし、調べる年になっても護衛や使用人を連れて図書室に入っても違和感はないはずだ。

俺はそう結論づけた。


さて、これからは実践だ。

俺はまず魔力を生成、操作することに着目した。

魔力を生成するにはまず、自身の魔力器官に着目する必要がある。

この魔力器官によって、魔力が生成されるのだ。基本的に人間には魔力器官が一つしかなく、それは心臓の横にある。

そこで、魔素を魔力に変換するのだ。

この魔力器官から生成した魔力を知覚すること、それが魔法習得の第一段階だ。

これは平均一週間程度でできると言われている。


しかし、俺はそれを知覚できるようになるのに二週間も要してしまった。

まあ、あくまで平均だから中央値くらいのスピードだと思うけど。

次に俺が取り掛かったのはその近くした魔力を、操作することと魔力生産をコントロールすることだ。

基本的にはここは魔力操作だけを鍛えるのだが、それでは凡人の俺は最強になることはできない。

だから、試行回数を増やすために魔力生産の速度を上げるのだ。


俺はこの修行を一定レベルにするまでに三ヶ月もかかってしまった。

普通は一か月程度なのだが、やはり魔力生産のコントロールを操作できるようにすることは難易度が高いようだ。ただ、俺は早い方だと思う。

俺は根拠に基づいて、仮説と検証を繰り返した。そのためこれほど早く習得できた。

普通の人は多分倍くらいの時間が掛かるのではないだろうか。


さて、次の段階に移行しよう。

魔力操作が可能になったのならば、今度はその練度向上と魔力総量の増加だ。

俺はそれから、ひたすらに魔力を自室で放出し続けた。

丁寧に一定量をムラが出ないように一定スピードで放出し続ける。


そうして、自身の満足ができるまでの魔力操作の練度を手にする頃には年が四つになっていた。

誤字や間違いがありましたらご報告いただけると助かります。

作品への評価・感想等を頂けると嬉しいです。

ご朗読ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ