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マイクロ・ブラスト-2

 秋人は女の拳を握り締める左手に一層の力を込める。

 ギリギリと痛みを感じる拳と秋人の射抜くように鋭くなった瞳に女は至福の笑みを浮かべた。


「良いよぉその目、凄く良い……コンビニの前で屯してるような形だけ(つくろ)った奴等のとは違う、命のやり取りを経験した奴だけが出来る本気の目だね」

「卑怯だとか不意打ちだとか言うなよ?最初にやったのはそっちだからな」

「ん?……ッ!?」


 会話の成立しない秋人の台詞の意図について逡巡した女は、それが意味する事を理解すると同時に握られた手を振り払い後ろに跳んだ。


「今更焦っても遅い。発動!」


 秋人が握り締めていた女の右手に錘を発現させる。

 重力の増した腕がガクンと垂れ、その勢いに狼狽しつつも女は膝を折らないように踏ん張った。そして自身の手に取り付けられた錘を見て、再び笑みを浮かべる。


「へぇ、重くする能力、ね……アイツをやったのはコレで何かを撃ち込んだんだね。条件は手で触れるってところかな?」


 女の憶測は全て真実を捉えている。能力を見せた以上、それらを悟られる事は避けられないと考えていた秋人はそれに驚きはしない。

 しかし秋人は驚愕に目を見開いた。それは、女が錘の与える重さを物ともせず、腕を上げて構えたからだ。

 以前、新平を床に大の字に拘束した時と同等程度の重力を加算したと言うのに、邪魔にはなっているようだが決定的な障害にはなっていない様子に驚かざるを得なかった。


――強化型に対しては足りなかったか


 ならば更に加重するまでだと、秋人も血の滴る腕を上げ身構えた。


 一瞬の沈黙。

 合図はない。だが二人は同時に飛び出した。


 ゴウッという風を纏い、両者の間合いが一瞬で詰まる。


 秋人の放つ拳を女は左右の構えを入れ替えるように上体を捻って躱す。その動きにより腰から生まれる螺旋の勢いを乗せて繰り出した蹴りは、身を屈めた秋人の脳天を掠めるようにして空を切る。

 屈むと同時に転身、そして秋人は曲げた膝に力を込め回し蹴りを突き出す。が、それも当たらない。

 女は跳躍して回避し、膝を抱え宙返りで勢いをつけ、頭をかち割らんと踵落としを直下させる。

 突き出した足を引き戻す猶予はない。凄まじい勢いで迫る攻撃を、秋人は女の足首に当たるように右腕を突き出しガードした。

 ゴンッと鈍い音が響く。


「くぁッ!?」


 痛みに喘いだのは秋人ではなく女の方だ。秋人の腕には先のような痺れすらない。


 足首を受けたのも良かったが、それ以上に秋人が自身の腕に錘を付けていたのが要因だ。ピラミッドのように重ねられた三つの錘による、言わば鎧が衝撃を分散し、反対に女には突き刺さる痛みと傷を与えていた。


――逃がさない


 踵落としを弾き返すようにして防いだ秋人は、女が未だに空中にいる為身動きの取れないこのチャンスを見逃すつもりはない。

 まるで捕食する蛇のように防いだ右腕をうねらせ、女の右足に腕を絡ませ掴んだ。


「マイクロ・ブラスト!!」

「な、何っ!?」


 しかし足を掴んだその腕に爆弾が取り付けられる。


――何をされた!?発動条件は何だ!?


 秋人は攻撃を今は既に消失させたが錘で受けた。しかし爆弾は秋人の腕に取り付けられている。

 考えてみれば一度目も相手のブーツに触れただけで素肌には触れていない。


 秋人は相手も自分と同じ強化型だという事で複雑な力ではないと甘く考えていたが、その見通しは誤りだったと痛感した。

 敵の能力は自分や由貴のように触れるのではなく、新平や緩奈のような範囲内のものに意識して取り付けられるタイプのものだと秋人は推察した。


――爆発はまだ先!攻撃の手は緩めない!


 再び皮膚の表面を自ら切り取らねばならないが三秒の猶予がある。

 秋人は足を掴んだ右腕に力を込め、女を背中から地面へ振り下ろす。


「フッ!!」


 女は短く息を吐くと腕を振って体をギュルンと捻り秋人の腕を払うと、両手と両足で地面を迎え勢いを完全に殺した。

 そして低い体勢のまま地面に擦らす低空の回し蹴りを放ち、秋人の足を踵から払う。

 足払いとしてはかなり強烈なそれに、秋人の体は両足を前に振り上げる形で完全に宙に浮き、背中を地面と平行にするように体勢を崩されてしまった。


――貰った!!


 その秋人に向け、女は振り下ろす軌道で拳を振るう。

 パンチをガードすれば受け身が取れず、受け身を取ればガードが出来ない。女の一撃は片手で凌げる程度のパワーではなく両手を要するのは明確。つまりは防御不能の挟撃である。


 秋人は瞬時の判断で受け身に両手を割いた。

 肩の上にやった両手で落下の衝撃を受け止め、膝を抱え背中を丸めるようにして勢いを四散させる。


――防御出来ないならば躱すまでだ!


 秋人は直ぐに体を伸ばし、逆立ちをするようにして迫る一撃を背後に躱した。

 そして逆立ちする秋人からして見れば振り上げる、端から見れば振り下ろす軌道で追撃の為に突っ込んできていた女に向けて死角から斬首の蹴りが放たれる。


 視界からは完全に外れてはいたが経験から女はこの攻撃を予測していた。

 振り下ろしたパンチの軌道を僅かに反らし、そのまま前転、前回り受け身を取って秋人との距離を再度取った。


 秋人は蹴りでそのまま地面に足を着け、淀みない挙動で起き上がるとそのまま今拾った小石を一つ、女の頭上へと投げて寄越す。


 暗い倉庫で飛来する小石は見辛い。だがフォームから投げられた小石の軌道、そして落下させるであろう軌道までを即座に見抜き、女は僅かに立ち位置をズラして安全圏へと移動した。


「三秒。爆弾のリミットだ」


 それを告げたのは秋人だ。

 秋人の腕には二発目の爆弾はなく、既に切除されていた。


――一体いつの間に切り取った!?


 その疑問が女の頭をよぎったが今重要な事はそれじゃないと直ぐに思い直す。


――爆弾はどこに!?


 刹那、秋人の能力で加速した小石が女の至近距離を直下する。

 その小石に爆弾が貼り付けられているのを、女は卓越した胴体視力で見た、が、反応を示すには時間が圧倒的に足りなかった。


――ボンッ!


 小さな爆発は女の横っ面を巻き込む。


「クッ!!」


 回避には手遅れであったが秋人と更に距離を置く為、女は煙を尾のように引きながら後ろへ大きく跳び退いた。


 火傷は厄介な傷である。酷い場合、下手に服や手が触れれば壊死(えし)(ただ)れた皮膚がくっつき剥がれて激痛を生む。

 それ程酷くは無いが見えない位置故に女は手を触れることなく傷の具合を確認した。


 ダメージ自体は大きくない。顔を逸らす事は出来なかった為火傷は負ったが瞼を閉じる事は出来た。音も小さく聴覚にも異常はないし、衝撃による三半規管などへの内的異常もない。流血もさほどしていない。

 我が能力ながらなんと微力な力だと、女は自嘲的に思いながら今回ばかりはそれに感謝した。


 戦闘に支障がないダメージである事を確認した女は、顔に傷を負ってなお妖艶な微笑みを秋人に向ける。


「……名前を教えてくれる?」


 息も吐かせぬ攻防に僅かながらも呼吸を乱す事なく、女は唐突に切り出した。


「あたしは詩織(しおり)。アンタは?別に墓標に刻む為だとか、傷を負わされた相手の名を聞く自分ルールがあるとかそういう訳じゃないよ?ただ単に聞いておきたいだけ」

「秋人」


 秋人の返答に満足そうに女は頷く。


「秋人ね、秋人。秋人、秋人……」


 詩織は秋人の名を何度も口に出して反芻し記憶に刻みつける。

 言葉を返した秋人であったが、『虫食い』の少女に意識を奪われ相手の言うことの殆どを聞いていなかった。


 数秒、秋人は詩織を引き付けていたが、『虫食い』の少女はその間微動だにしなかった。逃げるどころか今も倒れ伏したままだ。

 確認出来た傷に対して衰弱が激しいのがその様子から伺える。

 秋人が思考していたのはその衰弱の原因である。


――能力によるダメージか……?


 能力によるものではなく薬物の投与などが原因ならば少女に対して手の打ちようが無いし、戦闘で秋人が同じ目にあう事を憂慮する必要はない。

 だが能力によるものならば話は違う。能力によるダメージならば十中八九その原因の能力は詩織のマイクロ・ブラストだ。秋人がたった今対峙しているのだから考えないで良い訳がない。


 秋人は発動条件に関しては深く考える事を放棄していた。

 お互い身体能力に差が無い故、発動条件を把握したところで封殺するのは難しい、恐らくは不可能だと予想出来たからだ。

 更に詩織のマイクロ・ブラストは発動から爆発までに猶予がある。眠りこけてでもいない限りは爆発のダメージを負わないというのも思考を止めた理由であった。


 だが『虫食い』の少女の衰弱の原因は捨て置けない。爆弾の取り付けを回避する事を諦めたならば尚更無視出来ない。

 しかし詩織の爆発の能力がどうなれば少女を衰弱させるのかが秋人には分からなかった。


――能力は関係ないのか?


 爆発で傷を負わせる事は出来ても、傷を与えず衰弱させる事は到底不可能だと秋人は思い、更に自身が衰弱のような影響を受けていない事からやはり薬物などの作用によるものかと考えた。


「秋人、秋人……うん、覚えた。もう忘れない。なんて言うのかな?子宮が疼くような……そう、緊張感!こんな緊張感は初めてだよ秋人」


 高揚した雰囲気で喋る詩織に秋人は思考を止め意識を再び向ける。


「顔に傷が付いたのがそんなに嬉しいのか?」

「嬉しい訳ないじゃない。顔は女の命だよ?」


 胸元までシャツを赤く染めている詩織は何を馬鹿な事をといった風に笑う。その表情はやはり喜びの色に染まっている。

 顔の傷など詩織にとっては心底どうでも良かった。自分に傷を与える程の敵がいる。それが今の彼女の全てであった。


「見込み違いじゃなくて安心したよ」


 口元に笑みを残したまま、詩織は視線を鋭くし、そして身構えた。

 秋人も同じく構える。


 この瞬間、秋人は発動条件だけでなく衰弱の原因も棚上げした。

 確かに思考するにはヒントが足りないが、それでも敵能力の判明を放棄するのは悪手も悪手、最早諦めとも取れる行いだがそれには無論理由がある。


――全力の一撃を叩き込み、決める


 それはトドメを刺す自信があったからだ。


 一見詩織は右腕に取り付けた錘を気に留めていないようだが、動きからして小さくない影響が出ているのを秋人は見逃さなかった。

 そして能力を使用した高速の拳撃をその腕で詩織が防ぐのは不可能だと踏んだのだ。


 初見では躱せない。錘の付いた右腕で防がざるを得ない状況からの必殺の一撃を加える。


 呼吸すら満足にままならない攻防の中、あれこれ考える余裕はない。秋人はただその一点のみに集中した。


「失望させないでね」

「安心しろ。俺がお前に与えるのは絶望だけだ」

「ククッ、ホント堪んないよアンタは」


 口角を更に歪めると、詩織は一気に飛び出した。出方を伺うようなタイプじゃないと分かっていた秋人はそれに動じず、一瞬後の攻撃を待ち受ける。


 肉迫する詩織が背を向ける程に体を捻り、蹴り上げる形で踵が的確に顎へ迫るのを見切り秋人は上体を左に僅かに反らして躱す。

 数ミリ誤れば意識だけでなく命まで奪われかねない蹴り足が前髪を掠めたのを見送り、そして反撃に転じ前へ踏み出す。が、振り上げた蹴り足が百八十度向きを変え頭上から振り下ろされようとしているのに気付き、踏み込んだ足を咄嗟に後ろに下げ今度は右へ柳のように揺れて攻撃を避ける。


 そして一歩、深い位置に踏み出すと同時に秋人は喉仏を抉る角度で手刀を見舞うが、一歩、詩織も後ろに下がりそれを躱す。


 秋人は下がる詩織を追い、飛ぶように更に一歩踏み出し、腰の高さに構えていた左の拳を突き出すが、詩織は秋人の拳をフワリと左手を添えるようにして受ける。

 風を切り裂き音を鳴らす秋人の拳を止めるにしては貧弱な力しか込められていないが、詩織はそもそも止める気などなかった。

 僅かに軌道を反らす。それだけで回避には十分だ。そして今度は全力を左手に込めて秋人の拳を握り締め、突き出された腕を滑るようにして右の肘を顔面に振るった。


 詩織は決定打の確信を得た。が、秋人とてタダでダメージを受ける気などはない。防御も回避も不可能だと瞬時にそれらの選択を捨て、距離の近い詩織へ渾身の膝蹴りを見舞う。


 痛み分けどころか共倒れになりかねない力が両者の一撃には込められている。故に互いが僅かに回避を優先し、交差する一撃は致命傷には届かない形で互いを捉え、両者が後ろに跳んで再び間合いを空けた。


「このままじゃジリ貧だよ?ほら、マイクロ・ブラスト」

「ちっ……」


 距離を空けると同時に秋人の首と鎖骨の中間に爆弾が設置される。

 予想出来ていた秋人は舌打ちをしてそれを最早慣れた手つきで切除し、地面に打ち捨てた。


 お互い喰らえば致命傷となる攻撃をどちらが攻守となく放ちあい、そして紙一重で躱しあう。

 優位も劣位もない、最大限の緊張感を保ち続けなければならない攻防の中で、表情を曇らせる秋人に対して詩織は余裕の表情を見せていた。


 攻撃の威力は長さ、つまりは体の大きさに比例する。バットを長く持つ方が打球が強くなるように、パンチよりキックの方が強烈になる。能力者とはいえその大前提は覆せない。


 女という戦いに置いて生まれながらのハンディを背負う詩織は、理屈でなく本能的にであるが蹴りを主体に戦闘を組み立てている。故に間合いが僅かに遠い。


 リーチという一点で見ればむしろ秋人が有利だ。柔軟性や俊敏性も詩織に劣らない。

 だが秋人はこの僅かに遠い間合いに手こずっていた。


 秋人の本領は腕の届く間合いにある。それは能力を行使するのが手だからというのも勿論あるがそれだけではない。

 決定的な練度の差が原因であった。


 手の届く間合いでは技術よりも瞬発力こそがものを言う。思考、そして動きの瞬発力だ。


 近接戦闘に置いての技術の向上とは、無駄を限界まで突き詰め削減する事だ。もとより無駄を許さぬ境地では、若干の技術の優劣などよりも、いかに素早く適切な判断、行動が出来るかという瞬発力こそが必要とされるのは道理である。


 一方でそこから一歩間合いを空けると一転、技術こそがものを言う。


 秋人は格闘技のド素人だ。蹴り一つとっても無駄が多い。素早く力強い反面、余りに隙がある。


 詩織との極限状態とも言える攻防では、その隙が余りに大きなリスクとなっていた。


 そしてそれを自覚しているが故に秋人はその遠い間合いで詩織と打ち合う事を手段にせず、間合いを詰めようとしていた。


 だがそれが出来ない。一歩間合いを詰めれば一歩間合いを空けられる。

 そしてその一歩の時間が詩織に回避の猶予となってしまっていた。


 決め手を持ち得ているのだがそのカードを切れない。

 秋人は外堀から攻められているようなそんな状態に焦燥感とも苛立ちとも言える、漠然とした不安のような不思議な感覚を覚えていた。


――少々無茶をする必要があるな


 技術の面で詩織に一歩譲る秋人はそう結論付け、今度は先に飛び出した。


「そう!もっとガンガン来て!」


 猪突してくる秋人を嬉々とし迎える詩織に、秋人は豪快に蹴りを放つ。

 詩織は自身の間合いまで僅かに下がり顔面に迫る秋人の蹴りを躱すと、お返しとばかりに右足で鋭い蹴りを秋人へ返す。

 自身の蹴りが当たるなどと秋人は思っていない。高い位置への蹴りは、低い位置、最高でも腹部への反撃を引き出す為のブラフだ。そして狙いはその通りの展開を生んだ。


 端からダメージを与えようなどと考えていなかっただけに、秋人が蹴り足を引き戻すのは早かった。詩織の蹴りを回避する事も防御する事も今なら出来る。


 しかし秋人はそのどちらの行動も取らず、詩織との間合いをただ、詰めた。


 詩織の蹴りが秋人の脇腹に突き刺さる、が、骨が砕ける激痛にも口内にせり上がる血にも吐き気にも一切構わず、秋人は堅く握り締めた拳に全力を込める。蹴りの衝撃に曲がる胴体の捻れをそのまま力へと変える。


――この位置への攻撃じゃあ直ぐには意識は刈り取れない!


 持続的な苦痛は強いが即効性はない。秋人は自身のダメージを客観的に捉え、反撃を食い止めるには甘いと断ずる。その証明に今、秋人は必殺のカードを切った。


「終わりだ!」


 告げると同時に弾かれるようにして能力により加速した拳が詩織に放たれる。


 身を挺して作り上げた絶妙な間合い。余り関係ないが顔面の向き、角度共に申し分ない。

 そして錘を付けた右腕のある左方から襲う全力を込めた拳は、


「その判断は遅かったよ。秋人」


 なんと詩織の右腕に防がれた。

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