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第9話 勇者パーティとの再会


 翌朝。俺とセナは身支度を済ませてリーさんの出してくれた朝食を食べた。そしてアキナ村を去ろうとした時、ビルが尋ねてきた。


「本当に今日帰っちゃうの?」

「あぁ」

「うん」


(流石に、今日もお世話になるわけにはいかないからな)


「もう一日ぐらいいてもいいと思うのに......」

「ごめんな」

「じゃ、じゃあ少しでいいから一緒について行ってもいい?」


 ビルの言葉に対して、ライルさんが肩を叩きながら言った。


「ダイラルさんとセナさんにはやるべきことがあるんだ。駄々をこねない」

「わ、わかっているよ.......」


 そうは言っているものの、ビルは納得している表情はしていなかった。


 それもしょうがないことだと俺は思った。なんせ、ビルは十二歳であり、まだ子供。俺も十二の頃は、私情を優先していた。だから、俺はビルに言った。


「ビルの夢は何だ?」

「え、僕の夢?」

「あぁ。俺の夢はヒーロー、英雄になることだった。ビルは何だ?」

「ぼ、僕は......」


 そう言いながらも少し考えた素振りを見せた後に話し始めた。


「僕もダイラルさんお兄さんやセナお姉さんみたいに人を助けたい」

「そうか。だったら、今はいろいろと勉強をする時期だね」

「勉強?」

「そう。人を助けるには、それなりの勉強が必要だ。例えば、俺たちみたいに冒険者になるには戦闘するための練習が必要だし、経済で助けたいなら座学の勉強が必要だ。だから、今は頑張る時期じゃないか?」


 俺の言葉に、ビルは少しだけ納得した表情をした。


「う、うん」

「だからさ、今は頑張ってみないか? そして、俺たちに成長したビルを見せてくれよ」


 今のビルは、十二歳の中だと、色々と成長している部類だと思う。だけど、俺はもっと成長したビルを見てみたいと思った。


「じゃあ、もしビルが成長しても俺たちと冒険したいと思ったなら、その時は一緒に冒険しよう」

「わ、分かった!!」


 その言葉に、俺はビルの頭を撫でた。


「俺たちも時間が出来たら顔を出すから、成長してろよ!!」


 俺はそう言って、セナと共にアキナ村を後にした。


 道中、低級モンスターと何度か出くわしたが、難なく倒すことが出来た。


(仲間が一人いるだけで、こんなに変わるんだな)


 そう思っていると、セナが話しかけてきた。


「ビルくん、一緒に来たそうだったね」

「そうだね。でも、まだ冒険者になると決めていい時期じゃないと思うんだ」


 俺の言葉に、セナは首を傾げていた。


「もし俺たちと一緒に来たら、確実にビルは冒険者になりたいと思う。だけど、ビルはまだ十二歳。選択肢はいっぱいあった方がいいに決まっている」

「あ~」


 そう。俺は小さい頃からヒーロー、英雄になりたいと思っていた。だけど、ビルは違う。俺たちが助けたから冒険者になりたいと思っただけかもしれない。


 なら、今はいろんなことを体験して、自身で道を見つけてほしい。


「じゃあ、さっさとライベルトに戻って、今回の一件を報告しようか」

「うん」


 そして、俺たちは半日かけてライベルトに戻って行った。


 冒険者ギルドの中に入り、受付嬢に今回の一件を報告すると、驚いた表情をしていた。


「オーガですか......」

「はい」

「本当にダイラルさんがいてくださってよかったです」

「あはは」


 すると、受付嬢はそう言いながら負荷深く頭を下げてきた。


「ダイラルさんにセナさん、本当にありがとうございました」


 そして、受付嬢はカウンターに報酬を出して来た。それは、依頼の内容より少し多い額であった。


「え、こんなにもらって良いのですか?」

「はい。私たちの調査不足でもありますので」


(ギルドが悪いわけではないと思うけどな)


 でも、ここで受け取るのを断っても悪いと思い、お言葉に甘えて報酬を受け取った。


「後、ダイラルさんとセナさんは一緒にパーティを組むということで良いのですよね?」

「「はい」」

「少々お待ちください」


 そう言って、受付嬢は奥の部屋に行った。


 そこから、数分程が立って、俺とセナのパーティが受理された。


「これからもよろしくお願いします」

「「はい」」


 そして、俺たちは一旦ギルドを後にして、広場に移動した。


「セナ、これからも宜しくな」

「こちらこそよろしくね」

「依頼は明日決めるってことでいいか?」

「うん」


 俺とセナがここで、別れようとした時、目の前から見知った顔が現れた。すると、勇者---ハリーは怪訝な表情をしながら俺を見て来た。


「ダイラル......」


(なんで、こんなところで会うんだよ......)


 俺はハリーたちのことを直視することが出来ず、俯くことしかできなかった。


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