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第16話 犯人


(絶対にあいつだ)


 俺は確信を持ちながら追いかけると、通路を曲がったところでこちらを向いていた。


 目の前にいる茶髪の女性は、俺より一回り歳を取っているぐらいの人であった。この人の周りには、アイラ様がほどではないが、尋常じゃないほどの黒い魔素が飛び回っていた。


(案の定この人か......)


「どうかなさいましたか?」


 俺はその言葉を無視した。


(この人、オルドさんにもらったデータの中で、一番怪しい人物)


「確か、アイラ様の専属メイドをしていたバーケさんですよね?」

「はい。それでどうしましたか?」

「単刀直入に言いますね。あなたが犯人ですよね?」


 俺の言葉に、バーケさんは首を傾げた。


「え?」

「アイラ様が昏睡状態になっている原因を作ったのはあなたですよね?」


 すると、手を左右に振って否定してきた。


「なんで私がそんなことをしなければならないのですか!?」

「アイラ様からメイド長補佐に昇級することを拒まれたのですよね?」


 そう。オルドさんからもらったデータに、バーケさんの昇級をアイラ様が拒んだと記載してあった。でもその理由は、国の制度が変わったからだったはず。確か、あの時点でメイド補佐になったら、王族のメイドとして仕事をしなければならなかった。


 だが、一年前の王家は今ほど体制が整っていたわけではなく、荒れていた。だから、アイラ様は止めに入ったらしい。それにはオルドさんも賛成していた。

 

「そうですね。ですが、ひどいです。私も毎日のようにアイラ様のことを思って看病をしているのに......」


 その言葉を聞いて、俺は一つ、策を考えた。


「疑ってしまい、申し訳ございません」

「いえ、でも今後はやめてくださいね」

「はい。それで一つ質問なのですが、看病とは何をしているのですか?」

「洋服など、身に付けている物の交換ですね」

「例えば、ペンダントとか?」


 そう言った瞬間、バーケさんの目が一瞬つりあがった。


「はい、あれもです。アイラ様とオルド様にとって大切なものですので」


(犯人はこいつだ)


 だが、ここでそれを言うわけにもいかない。俺は、平然を装って尋ねる。


「そうですか。もしよかったら、あのペンダントを俺にも実際に見させてもらえませんか?」

「わ、分かりました」


 そして、俺たちはアイラ様がいる部屋に入った。


「ダイラルの話を聞く限り、ペンダントを見たのではないのですか?」

「えぇ。ですが実際に見て、これが原因ではないと確信を持ちたいです。少しでも、原因は減らしていきたいですからね」

「......」

「そのため、アイラ様から取り外してみたいと思っています。ですが、私が外すのはできませんので、バーケさんが取ってください」


 俺の言葉に、バーケさんは表情を顰めた。


「そ、それはできません。それに旦那様にも聞かなくちゃ......」

「大丈夫です。バーケさんから受け取るなら、良いと言われております」


(もちろん、こんなことは嘘だ)


 すると、バーケさんは徐々にペンダントに近づいて行った。


 呪具とは、特殊な呪いを除いて、呪いをかけた人物が取り外す時のみ発動しない。だがその代償として、呪いをかけた人物に掛かってしまう。


 先ほどまでは、ここまで行動をすることが出来なかった。


(もしバーケさんが呪いをかけた人物では無かったら?)


 そう考えていたから。でも話している最中、バーケさんは何度も不審な行動を起こしていた。だから、この人が犯人だと確信を持てた。


「あの、やっぱりダメです」

「なんでですか?」

「それは......」

「一緒に助けましょうよ!!」


 その瞬間、バーケさんの表情が一瞬にして変わった。


「お前、知っているな?」


(やっぱり......)


「なんのことですか?」

「呪いをかけていることをだ」

「あぁ」


 そう言った瞬間、バーケさんが俺に魔法を唱えてきた。

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