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第10話 勇者パーティとの対話


 俺が無言で立っていると、ハリーが嘲笑うかのような声で言った。


「ダイラル、今は何をしているんだ?」

「......。冒険者だよ」

「お、お前がか?」


 俺がゆっくりとハリーたちの顔を見ると、勇者パーティ全員が笑い始めていた。


(なんで、なんで笑われなくちゃいけないんだよ!!)


「おかしいか?」

「さぁ。それは俺が決める事じゃないからな。でも、ランクはどれぐらいなんだ?」

「Cランクだよ」


 俺の言葉を聞いて、またしてもハリーたちは腹を抱えて笑い始めた。


「お前みたいな雑魚でもCランク冒険者になれるとか、冒険者ギルドも落ちぶれたもんだなぁ」

「......」


(クソ......)


 すると、アクルが話し始めた。


「皆さん、そんなに笑わないで上げてください。無能ながらにダイラルさんも頑張っているんですよ」

「それは無理な話だろ(笑) 無能のダイラルがCランクだぜ」


 そう言った瞬間、またしても全員が笑いだした。そして、ハリーが俺の方を向いてきた。


「ダイラル、まだ俺たちとパーティを組めると思っているのか?」

「お、思っていない」


 流石に、そんなこと思っているわけがない。だってあの時、全員から拒絶をされたのだから。


「本当か? なら、なんで冒険者になんてなったんだよ。違う道だってあっただろ?」

「......。別に俺の勝手だろ」

「お前のね~。まあ別にいいけどよ」


 そう言った瞬間、俺の隣に立っているセナの方向を向いた。


「あなたはダイラルと冒険をしているのですか?」

「はい」

「こんな奴と冒険をしていても無駄ですよ。新しい仲間を見つけた方がいい」

「そうですか」


 その言葉を聞いた瞬間、俺はセナの方を見ることが出来ず、俯いてしまった。


「あぁ。だから早くこいつと別れた方がいい。何なら、俺たちが仲間を見つけてあげてもいい。見つかるまで俺たちと一緒に居てもいいしな」

「......」

「で、どうする?」


 その問いに対して、セナは少し無言になった。


「私はダイラルと一緒に冒険するので大丈夫です。ご忠告ありがとうございました」


 その言葉を聞いた瞬間、俺はセナの顔を見た。すると、怒っている表情をしていた。


「は? ちゃんと聞いていたか?」

「はい」

「気色悪いオッドアイで、使い物にもならないダイラルと冒険するって言っているんだぞ?」


 ハリーの言葉はとげとげしく感じた。


「忠告には感謝しています。ですが、私はダイラルと冒険をしたいと思いました。誰が何て言おうと今のところは解散するつもりはありません」


(セナ......)


 俺がハリーたちの方を見ると、全員が唖然としていた。すると、アクルが言う。


「あなた、選択を間違えていますよ?」

「それは私が決める事です。あなた方に決められることではありません」


 そう言った瞬間、ハリーはセナのことを睨みつけた。


「後悔しても知らないからな」

「はい」

「無能なりに頑張れよな、ダイラル」


 勇者パーティがこの場を去って行こうとした時、隣を横切ったアクルが耳元で囁いてくる。


「仲間が出来てよかったですね。雑魚同士頑張ってくださいね」


 その言葉を聞いた瞬間、無性に腹が立ったが、何も言い返せないまま勇者パーティはこの場から去って行った。


 俺はすぐさま、セナに頭を下げる。


「本当にごめん」

「何が?」

「い、いや......」

「ダイラルが謝ることなんてなかったじゃない」


 それはそうだが、俺の所為でセナに不快な気持ちをさせてしまったから罪悪感があった。


 すると、セナが俺の手を握って言った。


「ダイラル、ちょっと話さない?」

「あ、あぁ」


 俺はセナに連れていかれるがまま、場所を移動した。



 この時のハリーたちは、これから勇者パーティが崩壊していくことを知るよしもなかった。そこから、勇者パーティが落ちぶれることすらも。

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