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異世界8-2 エイリアン

『■■■■』

「撃てェ!」


 いつもの機械兵とは違う光線が飛び交い、至るところで光の爆発が巻き起こる。

 既に周りの建物は巻き込まれて消失しているので被害を気にする必要は無く、見る見るうちに戦場と化していた。


「基本的には撃ち合いになるんだな……!」

「同じような科学技術だと必然だろう。おそらく宇宙開発は進んでいないが、武器等の技術向上は目まぐるしい」

「だろうな……!」


 常に魔王軍と争っている為、快適な生活は無くとも武器の進化は凄まじい。しかも最近は魔王軍の機械兵から頂戴したしな。

 なのでこうなるのはルシの言うように必然だが、遮蔽物も何も無いこれでレジスタンスのみんなは不利だな。

 かといって広範囲を巻き込むような攻撃も出来ない。


「やるしかないか……!」

『『『■■■■!』』』


 なのでロボ幹部の超遠光線にて一掃する。

 数キロに及ぶ光線はエイリアン達を薙ぎ払い、宇宙船に激突して衝撃波を散らす。

 結構な威力を誇るスキルだけど流石に星を砕く事は出来ないし円盤は無傷か。


『■■■■』

「あら、一人一人がシールドを展開したわね」

「シールド?」

「簡単に言えばエネルギーを別空間に転移させる防御壁ね。転移装置の応用よ」

「転移装置って……簡単に言うけどとんでも技術だな……」


 この世界の技術力なら納得でもあるけど厄介だな。

 レジスタンスの方々のエネルギー弾がことごとく無効化されてる。


「それで、その耐久性は如何程だ?」

『■■■■!?』


 ルシがエイリアン達へ飛び出し、展開されたシールドごと吹き飛ばす。

 衝撃を転移させても流石に耐え切れないか。ルシにとっては次元の壁なんてあってないようなものだからな。


『■■■■!』

「ほう? 酸も吐いてくるか」


 一人が吹き飛ばされたくらいでは動じぬエイリアンはモゴモゴさせ、酸を吐き付けた。

 これを見る限り俺達人類とはまた違う種族だな。見た目からして当たり前と言われたらそうだけど。

 酸は片手を薙ぎ払うだけで消し去り、転移のシールドを貫いてエイリアンの喉元を突き刺した。

 そのまま引き千切り、頭を捨てて胴体を持ち上げる。


「折角だ。自分達で食らうと良い」

『『『………!?』』』


 展開されたシールドを破壊し、胴体をバラして仲間達へ酸を吹き掛ける。

 相変わらずえげつない事をするな……。関係上は仲間だけど、やっぱ大魔王からは距離を置きたい。


「そんな寂しい事を思うなよ。楽しもうではないか。蹂躙を」

「別に蹂躙を楽しむ為に戦ってる訳じゃねーよ。てか、現状次元を破壊するスキルなんて俺は持ってないし、戦力外もいいところだぞ?」

「あのロボ幹部の、最終形態のスキルならば次元を破壊出来るだろう。加え、それならば君の嫌がる周囲を巻き込む事も無かろう」

「最終形態のスキルか……」


 確かにそれでワンチャンくらいだな。極化シリーズなら薄い次元の壁は破れるかもしれない。

 ならばと力を込め、身体能力を強化してエイリアンに仕掛ける。あんな不気味な奴等に肉弾戦を仕掛けざるを得ないのはちょっと嫌だけどな。


「そら!」

『……!』


 “極化裏拳”にて次元の壁を突き抜け、エイリアンの体を吹き飛ばす。それどころか粉々に粉砕してしまった。

 なんつー威力だよ。俺は返り血にまみれ……うっ……なんか生臭いし……目眩がしてきたし痺れたしチクチクするし……これって……。


《認証しました。新たなスキルを登録します》


「成る程……体内で毒を生成してるのか……そういう生き物居るし、酸を吐いて仕掛けてくるコイツらなら変じゃないか……」


 コイツらの体液には毒が混ざっているらしい。

 結構ツラい状態になって死ぬから物理的に仕掛けたくないな……。そのまま攻撃に転ずるんじゃなくてシールドだけ破壊したら遠距離技で倒そ。

 ゼロ距離射撃はロマンだしな。


『『『■■■■!』』』

「囲まれた……! けど……!」


 四方からエイリアンの群れが仕掛けるが、今の身体能力ならその動きを見切る事は可能。

 “極化回し蹴り”でシールドを粉砕し、光線弾で撃ち抜いて距離を置いた。


『『『■■■■』』』

「げ……! 再生機能付いてたのかよ!」


 風穴は空いたが再生し、無数の触手が俺を取り囲む。

 こう言うのの需要は男の俺じゃねえだろ! 仕方無いので“サイコキネシス”で周りのエイリアンを持ち上げ、雑巾絞りのようにグニィっと捻ってボールにした。


「体液には気を付けるか……」


 ポタポタと垂れる体液を避け、他のエイリアン達にも向き直る。

 明らかに俺のやり方だけ非効率的だよな。けどどうしようもないし、一々死んでいた方が手間だ。

 ……そうだ。じゃあこうしよっか。


「オイ! みんな! 今から俺がエイリアンのシールドを剥がして行くから一斉射撃してくれ! それなら一気に減らせる!」


「「「…………!」」」

「わ、分かりました! テンセイさん!」


 こうすりゃ良いんだ。魔王軍幹部の力があるお陰で俺の身体能力は大きく飛躍している。加え、万が一流れ弾に当たっても生き返る。

 こっちには相手よりは少ないけど数も居る。利用しない手はない!


「て事で……! やらせて貰う!」

『『『…………!』』』


 極化シリーズのスキルをもちいてエイリアン達のシールドを割り、強化した身体能力で一気に駆け抜ける。

 それを見越してレジスタンスのみんながエネルギー弾を撃ち、再生するよりも前に阻止させた。

 俺達より再生能力が高いだけで、死なない訳じゃない。ヴァンパイアとかとは違うんだ。

 だからこそ着実に数は減らせている。


『■■■■!!!』

『『『…………!』』』


「なんだ? エイリアン達が宇宙船に戻ってくぞ」

「一時的な撤退命令が出たみたいね。一度態勢を立て直してくる感じかしら」

「撤退命令……確かに宇宙船二機に多くの仲間がやられたからな。ゴリ押しじゃダメって判断したか」


 一時的な撤退。

 完全に撃退した訳じゃないが、相手側ももう少し準備してくるのかもしれない。

 乗り込んだ瞬間に移動して消え去り、円盤を破壊出来るルシの魔の手からも逃れた。


「魔の手とは失礼だな。テンセイよ。我は敵をほふったに過ぎぬのだからな」

「そりゃそうだけどな。ルシ達が強過ぎて向こうが気の毒だ。しかも“魔(王)”の手ってのは強ち間違ってないだろ?」

「フッ、その場合は大が付くがな」


「やったぞー!」

「撃退したー!」

「我々の勝利だー!」


 戦場からルシは戻り、人々は本日二度目の歓喜をする。

 けどあくまで一時的な撤退。という事はすぐに戻ってくるだろうな。


「母星も無いのにどんな準備をするんだ?」

「宇宙船に色々積んでいるのでしょう。それに、宇宙には様々な星や物質がある。以前のロボ幹部のようにその場でこしらえるくらい可能よ」

「そうか。確かにそうかもな。あんな技術力のある星から来たんだ」


 既に自分達の星は消滅したが、前のロボ幹部はその場で色々と集めて肉体を生成していた。それと同じような事が出来ると考えた方が道理だろう。

 追い払う事は出来たがすぐに来るらしいし、気の休まる時は多分来ないな。ルシ達が居るから不意の襲撃にも対応は出来るとして、俺達も何らかの策を練らなきゃならないかもしれない。


「敵はまた来る! それまでに奴等の技術を奪い、更なる進化を施すぞ!」

「「「おォォォッッ!!!」」」


 レジスタンスのリーダーが士気を上げる。

 幸い……というかディテのお陰で犠牲者は出ていない。そして周りには破壊した円盤の欠片や死したエイリアン達の武器が置かれている。

 この星の人達なら即座に再利用して取り込めるだろう。

 俺達も一度レジスタンスの基地へ戻るのだった。

所有スキル

・光線ライフル

・刃足・レーザービーム・光線弾

・サイコキネシス・ボルトキネシス・フォトンキネシス

・超遠光線・形態変化(獣)・毒液・加速撃・投擲・極化回し蹴り・極化裏拳・惑星エネルギー砲

・小惑星群・衝突・終焉爆発

・広域破壊線・毒血

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