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異世界8-1 侵略者

 ロボ幹部を倒してから数週間が経過していた。

 俺達はと言うと相変わらず奪われた街の奪還を繰り返している。

 殺伐とした世界なのは変わらないが、まあ比較的平和に暮らせているかもしれない。


「最近は退屈だな。雑魚共が雑魚過ぎて退屈しのぎにもならぬ」

「相変わらず口が悪いな。平和なのは良い事だろう……それに、そんなに平和って程でも無いだろ」


 今現在、まさに戦場の真っ只中。光線銃が飛び交い、至るところで爆発が巻き起こっている。

 とても平和ではないが、これでも落ち着いた方。レジスタンスの方々の死者も出ておらず、ロボット達を凌ぎ切れているからな。

 なので比較的な平和。


『排除……』『排除……』

「撃てェ━━━ッ!」

「「「うおおおおお!!!」」」


 ザッザッザッと歩み寄って来る機械兵達を光線で射抜き、爆発が起こる。

 飛行タイプの機械兵はディテとルシが対応。俺もまあ露払いはしている。

 そんなこんなで奪還戦。また一つの街を取り戻した。


「やったぞ!」

「我々の勝利だーっ!」


 勝利し、喜びに震える人々。

 俺やディテにルシの影響もあるにはあるが、多くの機械兵達の部品から強力な兵器を作り出せたので人類側に有利に働いているようだ。

 今のレジスタンスの人達なら単独でも機械兵くらいは容易く撃破出来るだろう。


「もう機械共では太刀打ち出来ないな。戦法を変えた方が良いんじゃないか?」

「なんで相手側目線なんだよ……いや、ルシが言うのはあながち間違ってないんだけど」


 何故か敵側目線のルシはともかくとし、確かに俺達が居なくても機械兵の群れくらいは制圧出来るようになってる。

 まあ少なからず犠牲者は出るから離れる事は出来ないけど。

 何にせよ、今の調子なら問題は──


「オイ! あれを見てみろ!」

「……!」


 そう思っていた瞬間、レジスタンスの一人が空を指差していた。

 それにつられて俺達も見上げ、上空に浮かぶそれを確認する。


「……円盤……?」

「のようだな」


 そこにあった物は、宇宙人でも乗っていそうな円盤。

 クルクルと回転しながら浮遊しており、ゆっくりと降下している。

 刹那、突如として下部から膨大なエネルギーが発せられた。

 そのエネルギーは目映い光となり、次の瞬間には全方位へほとばしって建物を倒壊させた。


《認証しました。新たなスキルを登録します》


 そして俺も新たなスキルを入手する。

 一体マジでなんなんだよこれ!?


「なんだなんだ!? 新手の刺客か!?」

「攻撃してきたって事はそうなのでしょうね。けどまあ、他の子達は防いだわ」

「そうか……って、また俺は防御無しだったのかよ。それが最適解なのは分かるんだけどなんか複雑だ」


 毎度の事ながら死ななきゃならないところに思うところあり。

 強力なスキルも手に入れられるし、総合的に見れば得になっているのだが、自分の命の軽さが悲しい。


「そんな事を考えている暇があったらアレへの対策でも練ったらどうだ?」

「そりゃそうだけどさ。……で、あれ何? 流れ的には魔王軍とかか?」


 考えられる線は魔王軍。

 けれど街ごと一気に破壊するかどうか。今までも街はあまり気にしていなかったが、こんな風に一瞬で更地にするような真似はしていなかった。

 すると円盤から人影が降りてくる。


『■■■■』

「なんて!?」


 その存在は、直接脳内に話し掛けてきた。が、何を言っているかは分からない。

 他の人達も同様。しかしルシとディテは話す。


「どうやらこの者達、侵略者のようだ」

「し、侵略者!?」

「ええ。星に棲めなくなったからこの星を奪いに来たって言ってるわ」

「あんな短い文でそこまで言ったのかよ!?」


 侵略者。しかも自分の星って、マジで宇宙人……いや、世界観的に言えばエイリアンかよ。

 星に棲めなくなったからって自業自得なんじゃ……。


『■■■■』

「近隣で大規模な爆発が起こって星に棲めなくなったらしいわよ」

「星の爆発的なやつか?」


 それなら自業自得とは言えないが、だとしてもこの星を奪いに来るのは筋違いだろうに。


『■■■■』

「その原因は爆発だけど、直前に巨大ロボットの影が見えたって言ってるわね」


 前言撤回。犯人ルシとロボ幹部じゃねえか! 確認されたのは大きさ的にロボ幹部だけとして、近隣の星が巻き込まれたから間違いない!

 そりゃ星を奪いに来るわ!


『■■■■』

「元々戦争していて、星に決着が付いてから近隣の星々を支配しようとしたのに邪魔しやがって……ですって」


 いや、やっぱ自業自得じゃねえか!? 

 意味合いは違うけど、一番近い場所が此処ならどの道幹部達や魔王と相対する事になる。要するに遅かれ早かれだよ!

 つまり最初から敵意剥き出しのやる気満々って訳だな。


『■■■■』

「邪魔な原住民には消えて貰うって言ってるわ」

「もうここまで来たら何となく言いたい事も分かるよ……! 敵、確定だ!」

「「「………!」」」


 エイリアンの通訳にレジスタンスの方々も臨戦態勢に入り、更なる無数の円盤が降り立った。

 今出てきた奴も姿を消す。帰ったのか? 外への通信くらいは可能だろうし、果たして出てくる必要はあったのか。


「撃てェ!」

「対空戦は慣れている!」


 円盤目掛け、レジスタンスの人達は光線銃を撃ちまくる。

 しかしダメージは受けず、傷一つ付いていない円盤はまたエネルギー波を放出して辺り一帯を飲み込んだ。


「下らん攻撃だな。面倒だ。さっさと終わらせる」

「あ、ルシ!」


 敵なのは確定しているが、またルシは無策に突っ込んで行く。

 拳に魔力を込め、飛び交う円盤を貫いた。同時に電気のような何かが迸り、大きな爆発と共に破壊された。


『■■■■!?』

「あら、そんなに頑丈な素材だったの。あまり意味が無かったわね」

「……参考までに聞くけど、具体的な硬さは?」

「星が吹き飛ぶ爆発があっても耐えられるくらいね」

「まあ、ルシならそれくらい簡単に壊せるか」


 円盤の強度は星よりも頑丈との事。

 本来ならその硬さもそれを容易く砕くルシにも驚くべき事だが、既に俺は慣れてるからな。

 相手が驚いているこれは隙になる。


「今だ! ルシが作ってくれた隙を突いて仕掛けるぞ!」

「「「………!」」」


 ……で、良いのかな。レジスタンスの人達を鼓舞する言葉は。

 狙い通り動いてくれるかは分からないけど、果たして。


「そ、そうだ!」

「此方にはあの方達が居る!」

「やるぞー!」

「「「おおおー!」」」


 良かった。通じた!

 とても初対面で殺され掛けた相手には思えないな。と言うか既に俺は殺されたし。

 何にせよ、動いてくれるならやり易くなる。

 その間にもルシは円盤をもう一つ破壊した。


『■■■■』

「ふふ、これ以上の被害を避ける為、自らが降りてきて相手をするそうよ」

「それもそれで被害が出そうだけど、円盤がやられて何百体が一気に消え去る方がダメって判断したのか」

「いいえ。乗組員は何百万。一つの都市並みの数が居るみたいね」

「そりゃ地上で人海戦術を選ぶか」


 円盤一つに何百万。あの大きさの物なら納得は出来る。

 既に二台破壊されてるから相手からしたら都市が二つ沈んだようなものか。大変だな。


「降りてくるらしいぞ!」

「上等だ。地上戦なら此方に地の利がある!」

「よく分からぬ侵略者め!」

「此方は魔王でいっぱいいっぱいなんだ!」

「此処で止めてやる!」


 そりゃごもっとも。確かに魔王軍でもない第三勢力と戦っている暇はないか。

 これは避けられない戦いみたいだし、俺もやるしかないな。エイリアンであっても命ある生き物。それを奪うのは思うところがあるが、常日頃から戦争ばかりしていた相手。既に話し合いじゃ解決出来ない所まで来ている。

 と言うか出没直後で話し合い不可って、とんでもない相手だなオイ。


『■■■■』

「猿共は一匹残らず始末してやるって言ってるわ」

「猿なんて言葉あんのかい!」

「厳密に言えばアナタ達の言うところで、侮称に使われる“猿”ね。あの子達の星での生物よ」

「どちらにせよバカにされてるのは変わらないって訳かよ!」


 分かりやすいように翻訳しただけで本物の猿は知らないだろうが、それはそれとしてバカにしてきてるのは変わらない。

 と言っても、俺の世界ならともかくこの世界でそんなに技術力に差なんて無いと思うけどな。

 けどやるしかないから戦うだけだ。

 SF世界。ロボット達の次は宇宙からの侵略者が相手と来た。

所有スキル

・光線ライフル

・刃足・レーザービーム・光線弾

・サイコキネシス・ボルトキネシス・フォトンキネシス

・超遠光線・形態変化(獣)・毒液・加速撃・投擲・極化回し蹴り・極化裏拳・惑星エネルギー砲

・小惑星群・衝突・終焉爆発

・広域破壊線

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