ぼくのぬいぐるみは、おともだち。
ある日、大きな大きなぬいぐるみがゴミ捨て場所に捨てられていた。
真っ黒に汚れたいたぬいぐるみ。
ぼくはなんとなく気になって、家に持ち帰る。
小柄な女性ぐらいの大きなぬいぐるみ。
ぼくはバスタブにお湯をはり洗剤を入れてぬいぐるみを丸洗いした。
何故か? ぼくはぬいぐるみの頭を強く引っ張ってみたがやっぱり取れない。
ぼくは取り合えず、見える所だけをキレイにする。
洗濯機にガラガラ回しながらすすいで脱水。
終わったら? 外に天気干し。
カラカラに晴れた空に干されるぬいぐるみをぼくは見て満足していた。
ぼくはすっかりぬいぐるみを外に干している事を忘れて寝てしまう。
時間は既に、夜の7時を回っていた。
ぼくはぬいぐるみを部屋に取り込み、椅子の上に置いた。
なかなか、ぬいぐるみがあるだけで可愛いらしい感じの部屋に変わる。
部屋に花やぬいぐるみがあると? 部屋の中がパッとなるんだなと
なんとなくぼくは感じた。
『ぬいぐるみがあるだけで、部屋の中がパッとしたな~』
【グスグス】
『何の音?』
【グスグス】
『・・・まあ、いいか! 飯にするかな~腹減ったよ。』
ぼくは音の事は、一旦気にせず! 夕ご飯を作ることにした。
何故なら? ぼくは昨日の晩から何も口にしていない!
ぼくは夕ご飯の用意をしながらビールを飲んで、テレビをつけっぱなしで
そのままソファで寝てしまう。
・・・そしたら? 誰かがぼくを起こしてるように感じた。
『起きろ! 朝だ! 目を覚ませ!』
『・・・うーん? もう朝なのか?』
『起きたか?』
『はぁ!?』
僕の目の前に居たのは、あのぬいぐるみ!
『お、お前はなんなんだ?』
『君が持って帰って来たぬいぐるみだよ!』
『・・・あぁ、そうなんだが、なぜ? 喋れるんだ?』
『えぇ!? そこから話すの?』
『誰かにも同じことを聞かれた事があるのか?』
『まあね、話すのはいいけど長くなるよ。』
『手短に頼む!』
『あぁ、簡単にしてほしいのか。』
『あぁ! 頼む!』
『ボクも何故喋れるかはよく分からないんだ、でもボクは普通の
ぬいぐるみとは違う!』
『・・・結局、本人もよくは分からないんだな。』
『まあね!』
『今まで一番遠い所は何処まで行ったんだ?』
『“アメリカのテキサス”』
『はぁ!?』
『ボクみたいなぬいぐるみがいっぱいある所。』
『ひょっとして、おもちゃ屋さんか?』
『そうともいうかな。』
『アメリカのテキサスねぇ~』
『なんだよ、悪いかよ!』
『いやいや? ぼくみたいな家に来たのは何件目なの?』
『そんなの数えきれないよ、ボクを大事にしてくれた家族も居たよ!』
『じゃあーなんでそこに居ないんだよ。』
『ママがボクを汚いから捨ててきなさいって!』
『まあ、そうなるわな!』
『なんだよ、君もママの味方なのか?』
『いや? 大人ってみんなそんなもんなんだよ!』
『君はどうなんだよ!』
『ぼくか? “ぼくは大人になりそびれた大人だから気にすんな!”』
『“クズ男か?”』
『どこでそんな言葉憶えてくるんだよ!』
『転々としてたら? いろんな言葉を覚えるんだ。』
『“ぼくはいいよ、好きなだけここに居ればいいからな!”』
『えぇ!?』
『その前に、“名前を付けよう!”なんて呼べばいいのか分かんないからさ。』
『名前?』
『今までなんて呼ばれてたんだよ。』
『温ちゃんとか? ベティとか? クマちゃんとかかな。』
『よし! “熊太郎にしよう!”』
『おいおい? 待て待て! ダサすぎるだろう!』
『決定だ! 今からキミを熊太郎とする!』
『傲慢な奴だな~』
『熊太郎! 取りあえず、まだ眠たいから2時間後にまた起こしてくれ!』
『ぼくは君の使用人じゃないんだけどな。』
『熊太郎、頼む!』
『・・・わ、分かったよ。』
・・・そして熊太郎は、“ぼくの家族になった。”
案外、役に立つ奴で家事は一通りできるらしい。
ぼくは熊太郎の為にも、一生懸命働いて熊太郎の大好物の“毛糸丼”を
食べさせてあげたいと考えている。
いつか? シルクや絹の糸をいっぱい使った丼を熊太郎に思う存分
食べさせてやりたいんだ!
ぼくの大事な家族の熊太郎! これからもよろしくな。
最後までお読みいただきありがとうございます。