天気の天使
つい先程、前書きになにを書けば良いのか分かりました。どうも!あかです!この小説に出てくるクラージュ達を、どうか可愛がってあげてください!
ー明日、晴れますようにー
ー頼む!明日は雨になってくれ!ー
ーああ、明日雪が降ってくれないかなー
(…どうしたらいいんだ)下の人々の声に耳をすましていたのは、天気を司る天使、クラージュでした。
(皆の願いがバラバラ…どれを叶えても誰かに恨まれる…怖い…)クラージュは天使でありながら下の人々に怯えてばかりでした。「クラージュ、そんなに考えることはない。大丈夫、たしかに恨まれることもあるかもしれないが、僕がついている。」ビクッ…(神…様…?と、陽天使様?)「神様、クラージュが怯えてる、可哀想だよ。いきなり現れちゃ。」「はは、変なことを言うなぁ。リュミエール、君も同罪だよ。」クラージュは神様と陽天使様が話しているのをぼうっと聞いていました。「なあ、クラージュもそう思うよな。」クラージュは陽天使様に話しかけられて我に返りました。「は、はい!」咄嗟に返した返事は、そう答えて大丈夫なのか分かりませんでしたが、陽天使様が喜んでいたのでまあこの返事で良かったのだろう、と思いました。「それじゃ、着いてきてね。」陽天使様がいきなりそう言うので、「えっ…あっはい」としか言えませんでした。
(ここって…)クラージュは目の前にある景色に目を見張りました。「クラージュ、着いたよ。僕と神様が仕事するところだ。」(!!やっぱりそうなんだ!)クラージュはいきなりのことに言葉が出ませんでした。「っあ、あの…なんで僕をこんなところに…」やっとのことで出した声は蚊の鳴くようにかすれた、小さいものでした。「あれ、聞いてなかったの?たしかにぼーっとしてたもんね。」陽天使様が苦笑して言いました。「クラージュは僕達と一緒に働くことになったんだよ。これからよろしくね。」陽天使様の後ろからひょこっと顔を出した神様も続けて言いました。「えっ…で、でも!僕には…そんな!」クラージュは動揺しているようです。「漢に二言はないよね?」「そっそんな!」陽天使様が言ったことはクラージュには卑怯なことに感じました。「リュミエール。もう大丈夫だよ。クラージュ。頼む。僕は君の成長を見ていたいんだ。」神様にそう言われたクラージュは顔を縦に振るしかありませんでした。
その日の夜、クラージュは神様の元にきて、初めての仕事をしました。明日の天気を決定するのです。クラージュは“晴れ”に決めて、そのカードを専用のボックスに入れました。それで、明日の天気は晴れになりました。
次の日、
ーなんで…晴れなんだよ!今日だけは雨でないといけなかったのに!ー
雨になることを願っていた人や、
ー雪…降らなかったな…あの子に会えないやー
雪になることを願っていた人の悲しそうな不満が聞こえてきました。クラージュの目からは静かに涙が溢れてきました。(やっぱり…僕にはこんな辛いこと…できない…!!)「…クラージュ、落ち着いて」後ろから神様の声が聞こえてきました。陽天使様の姿はみえませんでした。「で、ですが…神様!僕は…正しい天気を決められない…!!やっぱり、僕にはこんな重要な仕事出来ません!神様の元に連れて来て貰って早々申し訳ありませんが…僕は天気の天使を…辞退します…!」クラージュは神様にそう伝えました。「いや、君が天気の天使でいるべきだ。そもそも正しい天気ってなんなんだ。そんなもの誰にも分かるわけ無いだろう。それに、君は今まで状況に合わせて天気を選んできた。それは凄いことなんだ。君以外にやれる人なんていないよ。」神様にそう言われて、クラージュは何も言い返すことが出来ませんでした。「クラージュ。君は自分に自信を持つべきだよ。それだけの能力と勇気を持ってる。」神様は続けて言いました。その内容は、初めて言われた、クラージュにとって一番暖かく、嬉しい言葉でした。なので「…はい!」クラージュはかすれた声でも、はっきりと、そう伝えることが出来ました。
それから、クラージュは天気の天使として、神様と陽天使様、友達のサンセリテ…音の天使と一緒に働きました。そのころには、下の人々の声を聞くことは無くなったそうです。
ここまで読んでくれて…本当にありがとうございました!!ぜひ!他の作品の子にも会ってあげてください!皆あなたが来るのを楽しみにしてますよ~!!