8:希望の未来へ!
――風紀委員長の三嶋刀子先輩が加わり、『お助け団ユズル組』は四人となった。
まぁ本人曰く「間近で貴様を監視するため」らしいが、三嶋先輩のことは普通に尊敬していたので話せるようになったことは嬉しい。そう素直に伝えたら赤面された。可愛い。
というわけで彼女が加わった日の放課後、さっそく四人で部室に集まってミーティングを開いていた。
「それで愛理、今日はどんなことをやるんだ?」
「そうねぇ~。思いがけない事だったけど、風紀委員長のトーコを手籠めに出来たのはいいことだわ。流石はユズルと言ったところかしらっ!」
「って待て!? 私は手籠めになんてされていないぞッ!?」
愛理の発言に三嶋先輩がガタッと立ち上がる。そりゃまぁ怒って当然だろうな、俺も手籠めにしたつもりなんてないし。
俺はプンスカと怒る先輩の肩に手を置いた。
「落ち着いてくださいって。先輩が俺みたいなやつにいいようにされる器じゃないってことはわかってますから。この学園の顔である存在として、どうか愛理のことを寛大な心で許してやってください」
「ふへぇえっ!? 学園の顔ッ!? ふっ……ふふふふ、そういうことなら仕方ないなぁ、許してやろうじゃないかフフンッ!」
上機嫌に鼻を鳴らす三嶋先輩。どうやら気分を直してくれたみたいだ。
そんな彼女に対し、愛理と盾持さんは肩を寄せ合ってヒソヒソと何か話し合っていた。
「(ねえ見たフタバ、トーコってば完全に手篭めにされてるわよねえ?)」
「(ええ、完全に一ノ瀬先輩にいいようにされてますね。無意識であれをやってるのなら先輩は天然ヤクザですね……!)」
何を話してるのかは知らないが仲良しそうで何よりだ。
うーん、俺も男友達とか欲しいところなんだけどなあ?
入ってこないかなあ、男子部員。
そんなことを考えていたところで、三嶋先輩がビシッと手を上げた。
「質問がある。そもそもこの団体は普段何をやっているのだ? 噂では、一ノ瀬が学園の至るところで女子とベタベタしているとのことだが……まさかヤリサーというやつでは!?」
「って誤解っすよ三嶋先輩!? まぁたしかに愛理がよく抱きついてくるから間違いじゃないですけど、普通に学園中を周って掃除とかやってますよ。あと困ってそうな人を探したり」
「なにぃ!? 普通に真面目ではないか! 貴様のことだからもっと女子たちと淫らなことをしてるんじゃないのか!?」
「だからヤリサーのイメージから離れてくださいって!」
はぁまったく、俺に対してどんだけ悪い印象抱いてたんだよこの人は……。
まぁこれから一緒に活動していく内に改善するしか道はないか。それに、風紀委員長の三嶋先輩と仲良くなれたら生徒たちからのイメージも変わってくれるかもしれないからな。
というわけで思い立ったら即行動だ!
「愛理に盾持さん、すまないが今日は三嶋先輩と二人で学園を周ってこようと思う。尊敬するこの人に知ってほしいんだよ、本当の俺ってやつを」
「っ、一ノ瀬、貴様……」
想いを込めて先輩を見つめる。彼女はわずかに戸惑いつつも、しかし俺の視線を受け止めてくれた。
「……フッ、いいだろう。そもそも貴様を見定めるためにこの団体に入ったんだからな。では行くぞ一ノ瀬っ!」
「うすっ、先輩!」
そうして俺と三嶋先輩は、少女二人に手を振られながら部室のドアを開けるのだった。
さあ行こう、みんなと仲良くなれる未来があると信じて!
……なお翌日、学園中に『ついに一ノ瀬が風紀委員長を性奴隷にした』という噂が流れた。
ってなんでじゃあああああいッッッッ!?
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