16:彼女2号爆誕!
愛理と付き合うことになった日の翌日。
俺は後輩である二葉さんのお家にお邪魔していた。
もちろん浮気というわけではなく……、
「うぅぅぅうっ、先輩……この問題が分かりません……!」
「あぁ、ここはなぁ……」
――二葉さん、まさか愛理と同じく勉強できない枠だったのだ。
特に数学がかなりヤバいとかで、このままじゃ赤点もあり得るとか。
「はぅぅ……昔から本が大好きで、国語や社会関係だったら出来るんですけど……!」
気恥ずかしそうに身を縮こませる二葉さん。
そう語る通り、彼女の部屋には本棚がいくつも並んでいた。
歴史モノからファンタジー小説まで多種多様なジャンルの本が入れられている。
「そっか、思えば二葉さんって文芸部だったもんな。もしかして自分で書いてたりもするのか?」
「えへへっ、実はそうなんですよ~! Web小説サイトに色んなジャンルのお話を上げているんです!
昨日もファンタジー世界でロボットが戦う小説をアップしたんですけど、反応がすごくよくて~……!」
「いや、テスト期間中なんだから勉強しろって……」
「はぅあっ!?」
急にしゃべり始めたかと思えば、軽く指摘してやると顔を赤くして固まってしまった。
なんというかアレだなぁ。愛理とはまるっきりタイプが違うけど、この子も結構表情がコロコロ変わるんだよなぁ。
ま、元気なようで何よりだ。最初にあった時なんてすごくビクビクしていたし。
「あははっ……何だか変なことになっちゃいましたよねぇ……」
「ん、変って何がだ?」
「いえ、私と先輩の出会いってわりと最悪じゃないですか。私が文芸部の人たちにいじめられて、先輩に嘘告白なんて酷いことをすることになって……」
そう言って申し訳なさそうに顔を伏せる二葉さん。
どうやらあの時のことをまだ気にしていたらしい。
「それなのに私、弓弦先輩に助けていただいて……。楽しい部活動に誘っていただいたり、こうして勉強まで見てもらって……なんだか申し訳ないですよぉ……」
「ははっ、気にすることないさ。――むしろ俺は、二葉さんの世話が焼けることがすっごく嬉しいんだからな」
「えっ?」
俺の言葉に彼女はキョトンとした顔をした。
まぁ世話するのが嬉しいとかよく分からない感覚だろうな。
でも男にとっては、可愛い女子後輩の勉強を見てやれるなんてむしろご褒美なんだぜ?
「特に俺の場合、すり寄ってくる後輩なんて『喧嘩教えてくださいー』なんてアホなこと言ってくるバカ野郎ばっかだったからなぁ。
だから俺、すっごく嬉しいんだよ。ヤンキーとしての俺じゃなくて、ちゃんとした先輩として頼られることがさ」
「先輩……」
「そんなわけだから、頼みがあったら何でも言ってくれよ? 二葉さんからのお願いだったら何でも聞いてやるからなっ!」
そう言って彼女の頭を優しく撫でる。
――すると二葉さんはしばし目を伏せた後、「じゃあ」と小さく呟いた。
「それなら……もう一度私に、チャンスをいただけますか?」
「えっ、チャンスってなんのことだ?」
「もう一度先輩に――告白するチャンスです」
なっ!? もう一度告白するチャンスって……それって、つまり……?
「っていやいやいやいや待て待て待て!? 俺、実は昨日愛理とだな……っ!」
「知ってますよ、正式に付き合うことになったってご本人から聞きました。それと愛理先輩、こんなことも言ってましたよ? 『フタバも告白オッケーよ! ユズルのことをシェアしちゃお』って」
って勝手に人をシェアするなーーーーーー!?
え、アイツそんな堂々と浮気を許しやがったの!?
普段から自分は正妻で二葉さんを愛人扱いしてたけど、あれ冗談とかじゃなくてマジだったのかよ!?
「や、やっぱやべぇわぁ俺の彼女……」
「うふふっ、でもおかげで私は幸せですけどね。寛大な愛理先輩のおかげで、気兼ねなく勇気を出すことが出来ます」
そう言うと二葉さんは一度深く呼吸をし、俺のことをまっすぐに見つめ――そして、
「好きです、弓弦先輩。どうか私のことも、アナタの彼女にしてください」
真剣な告白の言葉が俺の胸を射抜く。
彼女の恥じらいと覚悟で赤くなった顔はとても美しく、これには思わず無条件で頷きそうになってしまう。
だ、だが、浮気とか本当に大丈夫なのか!?
実は愛理のやつ、愛人オッケーっていうのは真っ赤な嘘で、俺が巨乳気弱後輩にコロっといった瞬間に絶縁状とか叩き付けてくるんじゃないか!?
「お、俺は……俺は……っ!」
浮気は駄目という当たり前な価値観と、愛理の秘められた罠を予感して俺は言葉に詰まってしまう。
しかしその瞬間、二葉さんは切り札を発動させる――!
「あぁそれと、『ユズルは真面目だからきっと悩むだろうけど、そういうときはこうしてあげて』って愛理先輩から言われてるんですよ。
というわけで、先輩の手をお借りして――」
――むにゅぅうううううっ!
「ってふぁあああああーーー!?」
なんと二葉さんは俺の手を取るや、どっかの淫乱シスターやロリ巨乳ハーフと同じく自分の乳を揉ませてきたのである!
そして胸に指が食い込むたびに「んっ……!」という艶めかしい声を出しながら、俺に笑顔で言い放つ。
「私、男の人に身体を触らせたのはハジメテなんです。だから先輩……とってもズルいことを言っちゃいますけど、『責任』、取らなきゃですよね?」
「……ハイ」
そんなことを言われたらもう頷くしかないだろう……。
こうして俺は苦笑いしながら、彼女2号のおっぱいを気が済むまで揉まされまくったのだった。
二葉さん、精神的に強くなりすぎだろーーーーーーーーッ!
・↓ちなみに愛理さんが書いた小説はこちらです!
ぜひぜひ読んでくださいね~!
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『王国騎士団を追放された俺、前世のゲーム知識で『漆黒の英雄』に成り上がる ~自国が滅んだがそんなの知らん。俺は剣と魔法とロボの世界で無双する~』




