7 魔石ってこんなに高かったっけ?
やばい。全然更新できねー!ちょっと、丸三日くらい書き続けるかあ・・・・
「で、どのくらいになるんですか?」
「そうだなぁ。希少性の高い魔石が結構あるから、結構な値になると思うぞ」
「僕にもその口調で接してくれよ。怪しまれちゃうだろう?」
「いや、しかし」
過去を知っているがゆえに、為後を使うことをためらうギルマス。確かに、ファルの過去を知っていたら、ため口を使う気になんて、なれないだろう。無謀なヤツ以外は。
「いいの、いいの。ここで騒ぎは起こしたくないから」
「ううむ・・・・まあ、ファルさんがそういうのであれば。分かった、そうしよう」
「悪いね、気を使わせて」
「いや、良いんだ。ファルさんには、俺も世話になったしな。じゃ、ちょっと読んでくるから会議室に行っててくれ」
「「は~い」」
そんなフェヴァールの悩みを知らず、お気楽な返事をするファルたち二人。それを聞いたフェヴァールは、少し大きめなため息をつくと、奥に引っ込んだ。フェヴァールは苦労人である。
「いくらになるんですかねー」
「そうだねえ。まあ、20万ぺリルくらいにはなるんじゃないかな?」
「そんななりますかねえ?っていうか、それじゃあ広い庭と地下室付きの家なんて買えないですよ?」
「う~ん。どうしよっか」
「ダンジョンでも攻略しに行きますか?」
「ああ、あそこは宝がたくさんあるからねえ」
会議室に向かいながら相談する二人。ダンジョン、通称迷宮。中には宝箱などもあり、その中にはミミックや、金銀財宝が入ってたりする。深層に行けば行くほど、宝箱に入ってるものも、豪華になっていく。それは、ダンジョンの仕組みによるものがある。食虫植物を思い浮かべていただけたら分かりやすいだろう。ようは、ダンジョンというものは生きているのだ。
「まあ、お金に困ったらこの国の王都にでも行こっかねえ。」
「そうですね。僕たちだったらかなり早く往復できますからねー」
「うーん。あれ?スローライフってなんだったけ?遠ざかってる気がするねえ」
「スローライフの為に、行くんだから仕方ないでしょう」
「まあ、仕方ないのかなあ」
「ふう、すまんすまん、待たせた。ちょっと、別件で色々やってたらしい。急ぎじゃないらしいから、こっちに来てもらった」
「・・・・それ、良いのかな?」
「いいんじゃないですか?急ぎじゃないらしいし」
「まあ、俺がいいというからいいんだよ」
ギルドマスターに、ギルド員の仕事を制限する権利はないと思うのだが。もしかしたら、こういうフットワークの軽さや、冗談を言えるユニークさなどが、慕われている理由なのかもしれない。
「あ、そう。じゃあ、査定してもらってもいいかな?」
「ギルドマスターこの方はお知り合いですか?」
「ああ、古くからの友だ。この町が丁度よさげにのどかだから、移住してきたらしい」
「凄いですね。私も 」
「こら、小さい声で言うんじゃない。いうなら、普通に面と向かって言えって言ってるだろ、都合できることもあるかもしれないからさ。よかったら、人員足りてるし、少し休暇取るか?大口の査定はお前くらいしかできないし、給料にも影響は出さないぞ」
「本当ですか!?やったー!」
「あの、査定良いすかね」
「あ、すみません、ちょっと不満が・・・・えと、この魔石ですよね?」
このギルド員も、色々と苦労していそうだ。
「あ、全部売りたいので。」
「う~んワイバーンの魔石が12個、ファイアーグリズリーの魔石が四個、ブリザードマンティスの魔石が一個。あとはジャイアントマンティスの魔石が120個、ゴブリンの魔石が三つに、ゴブリンメイジの魔石が六個。ホブゴブリンが十四個と、ゴブリンキングの魔石が二つ」
「お」
「ほほう」
(このギルド嬢、やりおる。魔石の種類を見分けるには、そこそこの技量が必要とされる)
「でしたよね?」
「あ、聞いてたんかーい」
只者ではないのかと思っていたら、ギルドマスターから聞いてたみたいだ。ファルは只者だと思っていた分、脱力してしまった様子。
「うん、魔石の品質も恐ろしく良いですね。・・・・しかし、これ程になると払えるかどうか。問題なく払えるとは思うのですが、少々手続きが面倒かと」
「ああ、手続きは後で俺とファルさんとでやっておくよ」
「あ、そうですか」
「で、幾らになるんだ?」
「ええと、希少性の高い魔石で、この品質だと・・・・金貨250枚くらいですかね」
「え?」
「2・・・・へ?」
驚いたのか、オウムのように繰り返してしまう、ファルたち二人。こういうのもなんであるが、その様子はとても滑稽である。この国では金貨一枚を日本円に換算すると、約10万円である。ちなみに、一ぺリル一円であるから、今回ギルド嬢が提示した額は、金貨250枚=2500万円=2500万ぺリルになるということだ。
ちなみに、なぜ金貨や銀貨、鉄貨や銅貨など分かりやすいのに、ぺリルという単位があるのか。それは、大口の取引の際は金貨などの枚数で言った方が分かりやすいが、日用品などの買い物の際はその限りではないからだ。鉄貨二枚と銅貨三枚、小銅貨五枚と屑貨九枚なんて言われるより、一ぺリルが屑貨一枚などと知ったうえで、2359ぺリルといわれた方が早いだろう。
「は、金貨250枚って言いましたかね?」
「はい、2500万ペリルです」
「ファルさん、聞きましたか?」
「すぅ~っ、はぁ~っ。なんでこんなに高額になっているか聞いてもいいですかね?」
「はい。実は、最近軍の装備強化で魔力耐久のある魔石の需要が高まっているんです。それで、値段も上がってきていると」
「ああ、今まで耐久の高い魔石なんて、そんな重視されてなかったからねえ。別に一発どでかいのを放つなら、ファイアグリズリーとかの魔石でもいいわけだし。出力高くし過ぎると一発で壊れるけど」
「作るなよ、ほんとに」
「いやあ、まさか。売りませんよ、何処にも」
「作るなって言ったんだけどなあ。」
はあ、という風にため息をつくフェヴァール。ファルは作ったところでだれにも渡すわけがないと思っているのだが、万が一ということもあるので、胃が痛くなる気分だろう。
「それはともかく、いつ支払えるかな?」
「いつでも払えますよ。なんなら、今からでも。言っても250枚なので、1分あれば十分ですよ」
「え、3分くらいはかかるんじゃないですか?」
「計る機械があるんですよ。目盛りがあって、金貨を積むと枚数が計れる機械。結構便利なんですよね」
「へえ、便利ですね」
「賢い者、ねえ。ふうん」
「うっさいんすよ、ファルさんは。」
「うん、まあいいけどね。 」
「あーあ、もー知りませんからねー!ファルさんが資金管理苦手なの知ってるんですよ!もう管理してあげないもんねー!変なもの買わされても知りませんからねーっ!!!」
小声で馬鹿にされたのがトドメになったのか、全力で拗ねてしまうレアル君。
「それは困るなあ。・・・・あー、レアル君美味しいものでも食べに行こうか」
「・・・・ぐすん。いいもん。僕なんて、どうせ賢い者(笑)だもん・・・・」
「めんどくせえ彼女か、お前は」
「あ、そういうこと女性に言っちゃだめですよ、ギルマス」
「さすがに女性には言わないぞ」
「私は女性じゃないですか、そうですか」
「女性に対しては、ってことだよ!」
「あ、そうですか。じゃあ、軽く数えてきますんで、書類は後で用意していただければ。」
「「「はーい」」」
「全く・・・・」
前はフェヴァールがため息をつく側だったが、今度はつかせる側に回ったらしい。人間、迷惑をかけられる側になると敏感なのに、迷惑をかける方になると、案外鈍感だったりするものなのだ。