表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

私の思うこと、感じること

私が何故アンチチートを勧めるのかの理由。

作者: 黒井 陽斗

はい、黒井のおっさんです、本日のお話はこちら。


『なんでテンプレしか書かないの?がんがんアンチテンプレ、アンチチートも書こうよ!』


これをなろうで言うとまた叩かれるかもしれません、ですが叩く前にまず聞いてい下さいおっさんがこう言うのはとても深い訳があるのです。


まずテンプレというのは似ているようで変化しています、私はここに来たのは今年の5月の中を過ぎた頃、つい最近ですので日刊ランキング、なろうのトップを飾るような作品を色々目を通してみました。


その結果で感じたのが、テンプレとは大喜利的なモノであり、ある程度大きなネタが決まっていて、コイツがこう言うなら俺はこうだみたいな、互いに面白いと思う事を言い合いや掛け合いで進化する方法でないかと思っています。


私的に捉えたイメージを申しますとテンプレとは自動車等の大量生産大量消費のイメージに近く、駄作もあれば名車もある、だが車である以上は大抵は用途毎に同じようなルックスに収束して似たような性能に落ち着く感じですね、これは作者が狙いたい層に合わせた戦略だと感じています。


こんな大喜利を多くの人が日々繰り返しているなろう世界に10代で出会い、20代になっても楽しむ方も多いでしょう、その時間は日常の息抜きで非日常を楽しむ大事な時間です、ですがこの先の貴方はこう思うかもしれません。


『あんなに面白かったはずのテンプレがなぜか面白くなくなってきた、新しいの探し読み続ける情熱が無くなった』


これは30代前後のオタクがよく言う言葉だと思います、昔はあんなにも楽しめたはずの新作ゲームや今期のアニメが何故か面白くない、そういう方を身近で知っている又は自身がそう感じている人も居るでしょう、ですが全てを嫌いになっている訳ではないのでだらだらと見続けている、そうではないですか?


これは私の空想で語っているのではなく、私が古いオタクの友人と飲みに行く時に時々利用しているオタク向けのアニメや動画サイトなのをモチーフにしたお店でのことです、そこの若い店員さんやご一緒したお客さんのお話を伺うと、必ずと言って良い程に耳にする言葉だったのです。


早い人ですと大学に入った位から少しずつと言う方も居ました、よく言われるのは最近忙しくなったのであんま見れてないし、そこまで興味が持てないという言葉を語られます、彼らは情熱が足らないんでしょうか?


それは違います、彼らが加齢し成長しても世間には若い代向けの物語が多いからです、この問題はなろうでも起きています。


スレイヤーズ世代、ハルヒ世代、みたいな区切りで呼ばれているのを聞いた事ありませんか?これはテンプレとアンチの構図と変わらないのです、お互いの青春世代同士で喧嘩するのは同じであるとオタク界隈を外巻きから見ていた私は感じています。


残念ながら私はあまりオタクコンテンツに詳しくなく、どちらも読んだ事が無い人間ですので偉そうに多くの事は語れませんが、その世代を代表しゲームやアニメ化まで行われ大きな人気があったり社会を巻き込んだ作品であると認識しています、なろうは今その段階であると思います。


そういった作品がなろうから生まれているのも知っています、ですがそう言った作品群を注意深く見るとテンプレとは似ているが少し毛色が違い何処かに作者の意欲的な試みを感じ、しっかりとした世界観を考えた作品であると理解出来ました。


なろうの正しいテンプレ代表作は、つい最近アニメでコケた安易な設定を混ぜ込んだ作品じゃないかなと個人的には思っています、要するに新しい層(ここで言うのは所謂オタク以外)を獲得できなかった層である、そう言いたいのです。


なろうは非常に多くの人がいますが読者層の大きな層は若い方を中心であると思います、実際オッサン連中でここを利用する人をあまり聞いた事がありませんし、オタクの友人には若いのに混じってよくやるねと尊敬と呆れを半々で笑われたりもします。


テンプレはそれなりレシピが確定していますから、アレンジもエッセンスを数滴垂らせば良く、各料理人の腕前で多少は出来が変わりますが確定レシピなので大きなハズレもそうはなく、読者の皆さんも食べ慣れていますから美味しく頂ける素晴らしいものだと思います。


ですが残念ながら人は年を重ねていくのです、それは若い貴方も一緒で良く言われる中二病が高二病、大二病へと進化するように、物語への味覚も変化して行きますので対象年代向けの物が必要になるのです、これは若い内には感じない理解出来ない変化だと思います。


なろうには所謂中二的なテンプレは多いです、そこに知識を少し足した高二病向けテンプレは数が減り、大二病用の深い知識の物語は殆ど存在しないのです、恐らく面白いものを書きにくいのもあるでしょうが、それ以上にそういった方はそもそも論でなろうを見ていないのです、この層は非常に大きく、なろうがこれから取り込むべき層だといえるのです。


今のなろうがメインターゲットにしているのは普段からラノベを好む層に特化して固定している、結果として大二病や社会人になった方がなろうで読むものは当然減ります、最終的にその状況に耐え切れず出て行ってしまうので、死んだアカウントが増えていきます。


そして出て行った方はなろうは駄目だと言うのが目に見えます、自分が見限ったサービスを良く言わないのは人として当然です、大手出版の角川などはそれに気が付いて異世界以外の小説を求めるのは当然でしょう、若者向けでは新規が見込めず今までにラノベで獲得していた客が逃げていくだけだからです。


職業系の大賞があったり、職業物のアニメが流行るのも業界自体がシフトしようとしている、そう考えられないでしょうか?出て行く層に向け働きかければ新しい需要が生まれます、普段読まなかった層が掘り起こされ、ラノベやそこに付随する世界の新しい鉱脈がそこにある。


そこが私の推奨するアンチテンプレ、アンチチートなのです。


これはテンプレと相反しているように見えるでしょうが共存できます、外れスキル物や理不尽系のお話に似ているし、テンプレチートの作品の中で投稿から日が経ち古くなった物語を好む人達に向けた作品となるからです。


これはテンプレに情熱を持てなくなった層をなろうに引き戻し、人に勧める事によって今までなろうを読まなかった大人層を舞い込ませる新しい試みになります。


この考えの元、今ここで描いているのはテンプレ主人公のような強キャラを転生神がどんどん送り込み、その世界の住人と読者の共感する力を借りて何とかただの一般人が倒すという、ある意味で魔王を一般人から選出された勇者が倒すような、とても昔からあるシンプルな構造でテンプレの前によく言われた王道展開と言うやつですね。


これに至った点は、まずテンプレ最高という若い子に『アンタの話じゃ底辺も越えられないから黙ってろ』と言われた事、そして古い物を知っているオタクの友人に話を聞きいて、今のラノベやなろうのテンプレなども古い作品の設定が再流行したと思う作品が多いと感じていると聞いたからです。


だからこそ古い物を否定しても意味が無いと感じ、ファッションのようにオタクの流行は繰り返して居るのではと推測したからです。


感情に任せて人を否定するのはただの言葉の暴力でしか無い、オッサン世代が大人の言葉を理解できずに窓ガラスを割って大人を批判した様に、数の多いテンプレ好きがアンチをつまらないと言葉の暴力で殴る、そこになんら代わりは無いんです、ただ歴史が繰り返されているだけなのです。


事実、私はメッセージや感想等で何度もテンプレ好きな方に攻撃を受け中傷的な事を言われ、こちらは工業のエッセイを読んででしょう、別の拙作に攻撃的な低い評価を受けたりしています。


ですが今までラノベや小説などあまり読まず、ろくに文章を書いた事がなかった私の作品は言うなれば下手の横好きで未熟であるし、特に初期の部分は今でも自身が呆れる程に稚拙で、最近でも誤字や脱字に推敲時の消し忘れ等、様々な失態を犯して何度も直し日々勉強する事ばかりです、だからこそ読んだ方が自由に思う事を言うのは自由と思っています。


そして評価についても加点の点数なので低評価でも寧ろありがたい、逆に短絡的な攻撃的低評価を見ると『私も人の心を短絡的な行動に走らせる程の文章を書けるようになったんだ』と感じ、身に余るような高評価は『自分の考えは間違っていなかった』と感じます、高い低いに関わらず評価は勲章であると嬉しくなります。


話が逸れたので戻しますと、人間は年を取り社会に出るとリアルでチートとしか思えない人を見ます、そう言った人を見た時、テンプレで幸せな主人公を見ても癒やされなくなるのではないかと思います、私はテンプレに癒やされるような事はないです。


寧ろ主人公しか幸せを掴めない歪なバランスに世の不条理を感じ、この世界の神様をなんとか出来ないものかと思ったりしてしまいます。


ですからなろうにも私のような読者向け、頑張れば認められるような物語があれば励まされ素晴らしいのではないか、時にはビターな恋愛モノなどで上手くいかない主人公に『負けるなよ俺も頑張ってるよ』と共感する物語があっても良いと思うのです。


それは供給量も少なく、読む人も少ないのかもしれません、だからこそ必要で、今までなろうが捨てていた層を回収するより持続できるシステム、なろうが新たな多様性を獲得し進化した世界になる切っ掛けです。


テンプレ肯定する方は変化を嫌がられるかもしれません、ですが停滞してしまえば確実に縮小します、それは人口の変化を見れば分かります、若い人が減っている日本、日本語の若い人向けのコンテンツにだけ尖っていては駄目です、その客層を捨てているのは大きな損失です、今こそ変化が必要な時期だと思いませんか?


私は今書いている物語の大半は、大二病や社会人向けの少し苦い物語を描きたいと思っています、理由は先程述べた通りなろうが持続し熟成するに必要な変化を促し、テンプレと仲良く喧嘩する多様性を作る行動であるからです。


大人が大人向けの経験と知識のある物語を書き、若者が若者向けの夢と勢いのある物語を書く、これはなろうでは許されない事なのでしょうか?


遺伝子の多様性がない動物は淘汰されるように、利用客の多様性のニーズに応えられないコンテンツは衰退します、一つの面白さしか無いテレビのバラエティやドラマが衰退したようにテンプレばかりに頼るなろうにも未来が無いと私は考えているのです、車がスピード重視から燃費重視へシフトしたように、なろうも変化が必要な時期に来ているのでは無いかと思うのです。


だから私は、今テンプレ好きな人に言いたい、愛してるんだ君達を!


なろうには多様性があると私は信じています、そして皆さんがより長く楽しめるなろうにする為、アンチもテンプレ好きも仲良く手を取り合い、そして時として全力でぶつかり合う事こそ至高であると信じています、その果てにはきっと新しいなろうがある。


そう思いそう信じて、私はテンプレの風が吹く世界でアンチとして、なろうの冒険の舵を切ったのです。


皆さんに言いたい、少しだけいいからテンプレ以外は駄目だ、テンプレだから駄目だというのではなく、色眼鏡を外して作品と向き合ってみませんか?相手の庭にも綺麗な華が咲いているかもしれないのです。


おっさんは結構なろう作品の中に素晴らしいと思うのもありますし、敵側でチートを出すので色んなチートに眼を通しています、こんな理不尽なチートが拙作の主人公の目の前に現れた時、彼はどう立ち向かうべきなのかを考えて私なりに楽しんでいます。


そんなアンチのおっさんが差し出す握手の手を、テンプレの方が取ってくださると嬉しく思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] べつの返信にある「現状のラノベ作家になろうではなく、本来の小説家になろう」という言い回しがいいですね。 ラノベの中でも特に若年層向け的な。 今は「大人向けレーベル」みたいなのができて、昔の…
[一言] 本当にそうだと思います。読み専で昔からなろうにいますが 最近ランキングにある物を面白いと思えなくなって、もう合わなくなってしまったのだなと思っていたところに このエッセイを発見してすごく共感…
[一言] 私にも共感できる部分が結構ありました。 テンプレは昔のものを繰り返しているなど、私も友人と話していて、そういう話題になったことがあります。(私も友人もオタクです) また、現在の自分の求めてい…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ