ランキングは変えなくても良くないですか?
2017年5月17日追記。
このエッセイは2015年に書かれたものでして運営様がランキングを現在の仕様に変えると予告する前のものとなっており、現状とそぐわない部分もあります。今定期的にランキング批判が起こるみたいな事がまずないですし。
お読みになる際はそのことを念頭に置いていただくと幸いです。
なろうの、特にランキングの印象と言うと、テンプレが埋め尽くしている、定期的に批判が起こる、といったところでしょうか。
私自身はとある理由によりあんまり総合ランキングは見ないので偉そうなことは言えないのですが(その理由は後述します)、それでもなろうについて少し思ったことを書こうかと思います。
なお、今から書く「ランキング」とは特に注意がない限り総合ランキングを意味します。
①:そもそもテンプレで埋まるのは悪いことなのか。この状況は打破するべきなのか。
結論からいってしまうと、私は別に悪くないと思いますし、変える必要もないと思います。ランキングの意義が様々な作品を発掘するための物として設定されているのならともかくとして、現実にはそうではないわけです。
どちらかと言えばその役目はピックアップに委ねられるべきでしょう。しかしながら私の見ている範囲ではピックアップ批判は滅多にないように思えます。私自身ピックアップさえも見ない人間なのでこちらに関しても偉そうなことは言えませんが、こちらがランキングとほとんど同じ評価基準なのは大いに問題があると言えるでしょう。それに、そもそも小説を読もう!のページにいかないとピックアップにいけないと言うのも大きな問題ではありますね。ここは改善するべきかもしれません。
強いて言うならばテンプレでランキングが埋まり目が通りやすくなる分レビューが埋まると言う問題点はあるかもしれませんね。
ランキングの役目と言うのは単にこれが今日或いは今週は人気だったということを伝えたいだけの機能なのではないでしょうか。そしてその機能に関しては恐らく十二分に役目を果たしているでしょう。
そもそも、テンプレとはある程度面白いからこそテンプレとなっているのではないでしょうか?ある程度以上の力量さえあれば安心して読める、そういうコンテンツが悪だとは私は思いません。自分の趣向が大多数とずれていたとしても、大多数が変革されるべきであるとは言いにくいと思います。
②:テンプレ嫌いの謎
なぜ、テンプレは嫌われるのだろうか?
この答えは多分永遠の謎ですが、非常に重要ではないでしょうか。
テンプレというのは多くの人に好まれるからこそテンプレだとするならば、定期的にテンプレ批判が起こることは不思議なことのように感じます。まぁノイジーマイノリティということもあるのでしょうが……。(当然、こんなこと書いてる私もマイノリティなことは間違いないのですけど。)
一つには単純に飽きたと言うことがあるでしょう。しかしこの場合あなたが飽きるまで読みたいものを提供し続けたという点においてランキングは――本来の働きとずれていたとしても――有効に働いたわけです。
よってこの人達がランキングを責めるのは少し理不尽なことではあるかと考えます。
もうひとつの理由として、テンプレ特有の薄い展開、或いは透けて見える中二心が嫌いなのだと言う人もいると思います。というかこちらの方が数としては多いかもしれません。
この人達に関しては私はなにも言えません。好みは人それぞれですし。私がBLは無理だと思うのと本質的に変わらないでしょう。
ですが、だからといってランキングにケチをつけるのはどうかと思うわけです。
オリコン上位をアニソンが占拠したとして、それを買った人達やランキングを発表したオリコンに文句を言うことはあまり良いこととは言いにくいでしょう。構図的にはこれと同じことな訳です。
③:私はテンプレをそんなに読んではいない
上述したように私はテンプレもので埋まるのも悪くないと思います。ですが、私はあまりテンプレは読んでいません。この事は私のブックマークを見ていただけるとよくわかると思いますし、べつにあ、あなたは見てないのね。程度の認識でも全く構いません。
テンプレ読んでないのに擁護かよ、と思われるかと思います。しかし、私はテンプレは読みませんが、テンプレを読む読者も書く作者も別に問題ないと思っています。
なにより、テンプレ読まない=ランキング改革派と思われるのは少し嫌なので、今回こうして書いているわけです。
では、なぜ私がテンプレをあまり読まないか
単純な話です。ランキングをあまり見ないのにも共通していますが、私は主人公が女性の話を好むんですね。さらにもっと言うならば日常系の話が大好物。
少なくとも私が認識していた頃のテンプレは大多数が男性主人公である以上、私はテンプレを読まない、というか読めない状況にあるのです。
まぁ、全く読んでないわけでは無いんですけどね。
④:なろう改革派のかたへの疑問。
いえ、私もなろうに関して変えてほしいと思うこともあります。検索のデフォルトがお任せ順はいい加減変えろと。上に書いたようにピックアップの存在意義とか。
ですがここで言うなろう改革派というのは所謂ランキングのポイントを見直そうとかそういう人たちの話です。
さて、疑問というのはひとつでして。
皆様は何でそんなにランキングに拘るのですか?
少なくとも私はここ一年近くランキングを見ていません。小説を漁るときは「女主人公」のキーワードを入れて新着順。というのが鉄板になっていますし。
少なくともテンプレを読まない読み専――私も限りなくこれに近い立場ですが――のかたはランキングを使用する意味はないですし、そもそもこの機能を使わないのですから批判しようと言う気にもならないのではないでしょうか。
無論、ランキングを使わない以上探すのには手間がかかるでしょう。個人的にはそれくらいの手間はかけてもいいと思いますが。30分もあれば一つか二つは見つかるものですし。なれてくると探すのも楽しいですよ。
それとは別に、非テンプレの良作品が埋もれるという批判も多くあります。ですが……
そもそも、埋もれた良作ってそんなにあるんですかね?
少なくとも現在連載中なら新着順で上がってくるので埋もれるということはないでしょう。
エタったのを読もうとする人は少数派でしょうから、完結済連載で検索をかけると、もっとも多いファンタジーで約13500件。当然他ジャンルではもっと減るわけで、数は確かに多いですがあらすじでかなりの量を切ることを考えると埋もれきってるのかなと。まさかすべての作品を5話位まで見てるんだって人がいたらそれは漁りかたが間違ってます。そもそもテンプレであっても完結後しばらくしたらランキングからは消えることも多いでしょうし。
強いていうなら第一部完で第二部の途中でエタった作品は埋もれてると思います。それはテンプレだろうがそうじゃなかろうが、ですが。
というわけで別に読み専にとってランキングは毒にも薬にもなってないというのが私の感想です。ジャンル別や短編に関しては普通にテンプレ以外ものってますしね。学園やコメディージャンルとか2ptで乗るのにテンプレのみで占拠されてると言う人はちゃんと見たことあるのかと。
では、作者様目線では?
出版されるのにはテンプレ書くしかないのは嫌だと言うのは意見としてどうかと思います。普通の作品でデビューしたいなら出版社様の新人賞がとれる実力を手にしてくださいと思うのは読み専の身勝手さですか?
つぎに、出版関係なしにテンプレじゃないと評価されないのは辛いと言う意見。
これに関しては同情できます。
ですが、正直ランキングが改善されたところでそれは変わらないんじゃないんですか?
もし全く別のなにかがテンプレとしてできるくらいのクオリティーのある作品をかけるならランキング改善一発でよくなるとは思いますが。現実にはそうではないと思います。読者層が変わらなければポイント数は変わりません。
最後に、ですが。
私はなろうの質が下がったとは全く思っていません。少なくとも私の観測範囲では、ですが。今も昔も漁ったときの打率はそう変わりませんし、当たりを引いたときの満足感も同じです。それは非テンプレの作品でも同じです。それゆえに私としては最近のなろうは最早テンプレ以外を好む読者の存在は認められないのだなどの意見はそれあなたが漁ったことないだけじゃないですか?といいたくなるのですが。
ちなみに私は2011年ごろから一応このサイトを見ています。まぁその頃からテンプレであふれてた気はしますが、最近ガクッと下がったイメージはまるでない、というのも事実なのです。
読者の皆様は、一桁や二桁ポイント=読む価値がないという固定概念を消してみてはいかがでしょうか。もちろん一桁ポイントにはあまり面白くない作品も多数あると思います。ですがそのなかにはピンポイントであなたの大好きなものが眠っているとおもうのです。
私のブックマークからでもポイントは低いけど、私にとってはこれはかなり当たりと言うものもありますしね。だからこそブックマークしているわけですし。皆様にもこのような作品は必ずあると思います。
作者様に関しても、ポイントが入らない=あなたの作品はつまらないでは必ずしもないことは意識していただきたいのです。ブックマークした人はおそらくあなたの小説は非常に面白いと思っているはずですから。
私個人の意見は以上です。
当然お前はなにいっているんだ。という感想もあれば同意してくださる感想を持った方もいると思います。
どっちの感想にしても残してくれれば私は嬉しいですし、意見を知ることができて有意義でもあります。
ですが、もし時間があるのなら。
私はこう思ったと言うのをエッセイに読者様も書いてみてはくれませんか?
ひょっとして、素晴らしい案が出てくるかも――そんなことがあったら面白いなとおもうのです。