亜人の王は人間でした
世界は歪に出来ている。
だからこそ彼は生まれた。
不出来な王子、その中身は現代の青年だった。
記録から抹消された第二王子“アイン”は光誕暦二〇八九年の初夏、何の前触れもなく亜人たちの国であるエルドラン王国の中枢に召還された。そして告げられる、貴方は亜人の希望である“竜王”になるのだと。
亜人を虐げる人間が竜王となることに反発する王国、そんなこと気にもせずに侵攻する魔王、役割を果たせと脅しに来る“人の治める各国の王”たち。
これは未来の文献にて“偉大なる帝竜王”と讃えられるアインの物語。