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最終話 もう死んでもいい

 消耗する日々を繰り返していた仔犬の、とある昼下がり。

ふと聞き慣れた音色が耳に飛び込んできた。


 駆け抜ける伴奏。

弦を打ちつける麗しの破裂音。

それはいつか聴いたものよりも美しく整っていて。

されど星空の如くまばらに輝いていた。


 仔犬は急かされるように、見えぬ力に背を押されるように二階へ駆け上がると。





 少女がピアノを弾いていた。



 歌いたい。

 だが死にたくない。


 その狭間にたたずんでいると、犬がいることに少女が気づいた。

仔犬がもじもじしていると、彼女は満面の笑みで、こう語りかけてくるのだ。




「エオリア! Shall we sing?」




 死んでもいいと思った。

お目通しありがとうございました。


これにて完結となります。


お疲れ様でした。

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