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22話 ボクのための鎮魂歌
かつての仲間たちの声。 耳にすることは徐々に減り、その声自体もしだいに弱まって。
昨日、仲間たちが連れて行かれる姿を見た。
今日はまだ声を聞けていない。
きっと明日も……。
次は自分。
耳は遠くなり、目もかすんできた。
まだ幼い仔犬は、自分の死を悟ります。
しかし黒の仔犬は開き直りました。
どうせ最期だ。 思う存分歌ってやろう。
怒られてしまう、仲間を不幸にしてしまうなんて遠慮も捨てて。
もう主人も仲間もいないんだ。
どうせこのまま死ぬのなら、どんな不幸が起ころうと、もう関係ない!
お目通しありがとうございます。
明日も更新します。




