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20話 めをさませば
とつぜんの揺れに目を覚ました黒の仔犬。
カゴに閉じられ、運ばれています。
捕まった事を思いだし暴れてみるが……時既に遅し。
カゴの隙間からのぞき見ると、牢屋が並んでいて、暗い顔をした犬達が閉じ込められています。
かつて一緒に歌った仲間たちの姿も……。
異様な光景にただただ恐ろしくなりました。
一体どうしてこんな事に……?
黒の仔犬は悩みます。
今まで歌うたびに、主人に怒られてきた。
体罰は日に日に辛さを増して、皆で大合唱してみればこの始末。
黒の仔犬には、歌う事がとてつもなく不吉なことに思われました。
自分が歌ったせいで仲間も囚われたのか?
こんな不吉な場所で歌ったりしたら、どんな不吉な事が起こるのだろう。
そろそろクライマックスの足音が……。
次回も明日更新です。
お目通しありがとうございました。




