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No,2 ~脱走した危険物~  作者: イフジタダヒロ
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第五話 ~ハプニング~

 夕方になりキリコが帰宅する。アルツはいきなりキリコに変な質問をする。どうやら女性誌のアダルトコミックを見て興味がわいたらしい。

 思春期の少年なら当たり前のことなのだがこのタイミングで興味を持たれても困る。キリコは何とかごまかそうと話題をかえようとする。


「アルツくん、今日の夕飯はハンバーグよ」

「なあ、お前はこの事知っているんだろう?」

  話を元に戻そうとするアルツ。キリコはまた夕飯の話にもちこむ。その時アルツが突然キスをしてきた。キリコはアルツを押しのける。


「ちょっと、アルツくん何するのよいきなり?」

 キリコは怒鳴り声をあげて唇をハンカチで拭く。だがアルツは悪気はない様子で不思議そうに聞く。

「嬉しくないのか?」

 どうやらアダルトコミックの真似をしてキリコを喜ばそうとしたらしい。


「いきなりこんな事されたら女の子は逆に嫌がるわよ」

「そうか悪かった」

 アルツは悪そうにうつむきながら謝る。そんなアルツにキリコは後ろから優しく抱きしめる。

「でも、私を喜ばすためにしてくれたのは嬉しいよ」

「俺、お前が笑うと嬉しいから」

「じゃあ、私夕ご飯作るね」


 夕飯の支度ができたころアルツは楽しみ様子で待っていた。相変わらず早食いだけれどそこは愛嬌ととらえキリコはクスクス笑う。

「おいしい?」

「うまい」

 アルツは本当においしそうに食べている。10分程度で完食した。すると早速トレーニングに入るアルツ。どうやら習慣になっているらしい。


「トレーニング終ったらちゃんとお風呂入ってね。それと明日は服を買いに出かけようね」

「服?」

「うん、そんなボロボロの服じゃダメだし何日も着てるでしょう」

「了解した」

 そういうとアルツは風呂場に入る。着替えはしまっておいた元カレの服をアルツに着させることにした。


 キリコはその間食器を片付ける。アルツがお風呂から出てきた頃に自分もお風呂に入ることにした。キリコはアルツに約束させる。

「アルツくん、私お風呂に入るけど覗かないでね」

「了解」

 キリコは風呂場にいくと念を押す。

「絶対だからね」

「了解した」

 アルツは敬礼しながらうなずく。


 シャワーを浴びるキリコ。その時ゴソっと物音がした。

「男の子がお風呂を覗くっておやそくよね。やっぱり」

 キリコがタオルで体を隠し脱衣を所の扉を開けて怒鳴る。

「約束したでしょう」

 しかしアルツじゃなかった。そこにいたのはどこからか入ってきた子猫だ。そこへやってきたアルツ。

「どうした?」

「あ」

 キリコは慌ててバスタオルで体を隠すとアルツに子猫を預けて出て行かせる。

「子猫をお願いね」

 バタンと扉を閉める。キリコがお風呂からあがり髪の毛をドライヤーでかわかしながらアルツに声をかける。

「アルツくん。その……」

 しかしアルツは逆に質問した」

「お前アソコがなかった。どうしてだ?」

「は?」

 どうやらアルツは女性の体のことをしらないらしい。キリコはなんとなく説明する。

「そうかわかった。男と女では体が違うのだな」

「よし、今日はもう寝ましょう」

 そうこうしている間に時間は11時過ぎになっていた。キリコは消灯する。


「依然としてナンバー02の行方はわかりません」

 滝沢は佐伯にアルツ捜索の報告をしていた。当然のごとく理不尽に殴られる滝沢。

「ナンバー03を起動させろ」

 会議室内は緊迫した空気になった。

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