表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
No,2 ~脱走した危険物~  作者: イフジタダヒロ
5/13

第四話 ~No.1~

「佐伯室長、ナンバー02の遺体が見つかりませんでした」

 イーワンの処罰の途中に女性隊員がアルツ探索の報告をする。佐伯は楽しいひとときをジャマされたのと、アルツがどこかに消えたのが鼻につきその隊員を蹴りとばし銃を額にあてる。

「君の小隊長は私が何かに夢中になっているときはジャマしないように言わなかったのかね?」

「も、申し訳ございません」

 隊員は土下座をして謝るが頭に足をおもいっきりのしかけられた。佐伯はフリグリと靴底で隊員の後頭部を踏みつける。隊員の額から血が滲み出てきた。


「ふん、汚い血だな」

 隊員の髪の毛を掴み佐伯は頭を上げさせて顔に唾を吐くと笑いながら脅す。

「そうだ、お前なかなかの美貌だな。丁度女性型の兵器をもう一体作りたかったんだが?」

「それだけはどうか、なんでもしますから」

 女性隊員はイーワンを見て体をブルブル振るわせながら泣きながら頼み込む。佐伯はそんな彼女に命令する。

「先ずは汚ねぇ床の血を舐めとってもらおうか? そしたら許そう」

「はい」

 隊員は佐伯に言われるがまま床を舐める。


 佐伯はそれを見てイーワンの鎖を外し命令する。

「イーワンあの女を好きにしろ」

「了解いたしました」

 佐伯はゲームをはじめた。イーワンとその女性隊員を戦わせるというものだ。


「そんな話が違います」

 怯える女性兵士、だが無理矢理訓練室に連れてかれてイーワンと戦うはめになっていしまう。

「そうだお前名前はなんて言うんだ?」

 佐伯の質問にビクビクしながら答える。

「田川カオルです」

「そうかカオルか。残念だがカオルここで死んでくれ。ハハハハ」

 佐伯は訓練室にカオルを蹴り入れると扉をしめ鍵をかける。カオルは泣きながら扉を叩き叫ぶが声は届かない。

「お願いです室長。なんでもしますだからここから出して下さい」

「ごめんなさい。命令なので」

 迫りくる人間兵器にカオルは恐怖のあまり膝をガクガクさせて腰を落とし失禁する。イーワンは容赦なくカオルの首を絞め持ち上げる。

「うぐぐ、やめて……」

 カオルは首を思いっきり閉められ絶命する。そして既に息絶えたカオルの胸をピストルで撃ち抜くイーワン。

 あっけなく終わった戦闘。カオルの戦意が無かったのもあるが、やはり普通の人間が兵器にかなうはずもない。佐伯はこれを見越してワザと戦わせたのである。


「おかげでスッキリしました」

 一方的な戦闘に満足するイーワン。何かに八つ当たりしたかったのだ。丁度いいとろこにカオルが来てくれたのである。


「ブラボー」

 ガラス越しに様子を見ていた佐伯は拍手する。そして訓練室に入るなりイーワンの頭を撫でる。

「いい子だイーワン。いやカナ」

「うん、パパありがとう」


 人間兵器ゴールドウェポン、イーワン――

 いや、佐伯カナは佐伯リュウの実子である。彼女がどうして人間兵器になったかというと一ヶ月前に事故で大怪我を負い植物状態になっていた。


 その時に持ちかけられた人間兵器サンプルの話。佐伯は親近相姦の相手を蘇らすために自分の娘を提供したのである。

「パパキスして」

「いいよカナ。私の寝室へいこう」

 人間兵器となった実の娘を抱く佐伯。彼の人格は破綻していた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ