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No,2 ~脱走した危険物~  作者: イフジタダヒロ
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最終話 ~メモリアル~

 それは五年前の出来事――

 全てはこの女の一言で始まっていた。

「カナを生き返らせたい」

 その思いは現実になっていった。

 実子カナを人間兵器プロジェクトサンプルに起用した佐伯と石丸夫妻。

 その真意は石丸の独りよがりな意思のかたまり。

「あなたもそうおもうでしょう?」

「あぁ」

 この時、佐伯は正直怖かった。

 死んだ人間を生き返らせるという考えられない企画に困惑していた。

 しかしそれとは裏腹にプロジェクトは進んでいき、佐伯も自分の欲をを発散するための人間兵器イーワンを開発し加担していく。

 そしていつしか石丸を押しのけ自分がトップに立っていく。

 石丸はそれでも良かった。

 最愛なる娘が生き返り幸せと生きがいを取り戻していた、

 だが突然、佐伯はカナも人間兵器にしようと企てた。

 それが悲劇のはじまり。

 夫婦間は次第にヒビが生じ、カナの取り合いで揉めて石丸が佐伯を刺し、それがもとで佐伯は自分を改造し治癒装置をつけることにしたのたのだった。

 人間兵器はナンバー03まで作られ、量産機が作られる始末だった。

 そして石丸はアルツをカナの代わりに愛するようになった。

 人間らしさを取り戻したアルツは脱走し今現在にいたる。

 結果、石丸のエゴが事を膨大にしたのだ。


 そして現在――

「それってあなたのエゴですよね?」

「なんとでもいうがいい小娘」

「生きがい、生きる意味……見失うととんでもないことになる。だから私は人に執着しないで違った生きがいを見つけました。それを見つけ出せなかったの?」

「誰もがあなたみたいに器用な生き方ではないの。むしろ不器用な人のほうが多いわよ」

「でも、こんなの絶対間違ってる」

 キリコは大粒の涙を流し落ちてたピストルを構えた。

「撃ちなさい。そいたらそれがあなたのエゴになるわ」

「やめろキリコ」

 とっさにアルツが止めに入る。血を吐きながら必死でキリコの間違いを止めようとした。

「アルツくん」

 倒れるアルツを抱きかかえるて涙を一層流す。

「どきなさい」

 石丸はキリコを押しのけアルツの腕に注射をして、次はレイゼーロの元へと近寄り同じ注射を討つと立ち上がりキリコの方を向く。

「持って五年ってとこかしらね」

「え?」

「人間兵器の生命を維持するための薬を討ったのよ。それから、イーワンの処分はいずれ政府がするでしょうね」

 石丸はそういうとレイゼーロを連れて森へと姿を消した。

 それを見送るとキリコはアルツを抱き寄せる。

「俺は大丈夫だ。キリコ帰ろう家に」

「うん」

  キリコはそっとアルツに口づけをした。

「……」

「今は嬉しいのだからキスをしたのよ」

「変だな女って……」


  翌朝のニュースで政府は一連の事件を隠ぺいし、また科学実験の失敗と発表して人間兵器の存在を隠し通した。

  「続いて……爆発がおきた近辺で警察官が行方不明になるという事件で政府はこの近辺を封鎖することにしたとのことです」

  実際、イーワンが消息を絶ったのであった。


 アルツはキリコと共に今を生きる――

 それがアルツの今の生きがいだ。


  №2 ~脱走した危険物~ 完

読了感謝!!

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