表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

4話:ひじり終

――5月6日(水)

今日で長かったゴールデンウィークは終わり。

そして今日は瀬々羅木から誘われて街に出ている。

待ち合わせ場所は相変わらず同じだった。

今日は瀬々羅木のほうが遅かった。

「待ったかしら」

「ううん、今来たとこ」

「そう。今日は東雲燐、貴方に付き合ってほしい場所があるの」

彼女に連れて来られたの場所はバイキングだった。

「1000円で食べ放題なのよ」

彼女は昨日、胃が戻ったばかりだ。

今まで食さなかった分、空腹なのだろう。

僕は彼女に付き合った。

「今日は私が奢るわ」

彼女の提案に僕は戸惑った。

家は貧乏だと昨日僕に告げたのに。

断ろうと口を開いたが、彼女が話すほうが早かった。

「東雲燐には迷惑かけたから、ちょっとしたお礼よ」

そう言われると断れなくなった。

僕は素直に彼女のお礼を受け取った。

でも、2000円で済ます所は彼女らしいとも思った。


彼女の盆には山盛り一杯の食材が乗っていた。

「そんなに食えるのか?」

「ええ、余裕よ」

おそらく彼女は細身の割には大食いなのだろう。

僕は彼女の食欲に呆気に取られていた。

周りからすれば、僕たちは恋人同士に見えるのだろうか。

それともただの主従関係に見られているだろうか。

「東雲燐の盆に乗ってるそれ、美味しそうね。私にも頂戴」

彼女は有無も言わさず、僕の盆から食材を奪っていく。

やっぱり僕たちはただの主従関係のようだ。

でも、以前に比べて瀬々羅木は楽しそうに笑うようになった。

僕の中の彼女のイメージが、ミステリアスから純粋で家族思いの女の子に変わっていた。

どこにでもいる、普通の女子高校生。

そう思って彼女を見ると、ふいに目が合った。

笑いかけると、彼女は少し照れながら微笑んだ。


怪奇現象は、まだまだ続く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ