第十一話:焦げ付きを纏い、清純の舞踏会へ
1. 究極の「汚いチャーム」とセリオの決意
ルシアの「焦げ付き錬成」による煙で潜伏先が露呈した翌日。ゼストは、最終決戦の場である「清純の舞踏会」への招待状を手に入れた。
「ルシア様、セリオ様。今夜が勝負です。マリアベルは、今夜の舞踏会で貴族全員を魅了魔法で支配下に置くつもりです」
ゼストは、ルシアに最終兵器を見せた。それは、ルシアが前夜に錬成した「究極の焦げ付き」の石炭塊を、さらに研磨し、紐を通した悪趣味な小さなチャームだ。
「このチャームは、『焦げ付き錬成』の純粋な核です。これを身につけていれば、ルシア様はいつでも魔法を発動できます」
ルシアは目を輝かせ、その煤と油で黒光りするチャームを胸元に提げた。
「わぁ!私の魂の焦げ付き!まるで黒い宝石ね!」
セリオは、ルシアの胸の谷間で揺れる「究極の汚れの塊」を見て、全身が震えるのを禁じ得なかった。
(でっか!!)
彼の目は、「ああ、美しいルシアの胸の谷間が、こんなに汚いものに汚染されている!」という悲鳴を上げてクネクネと悶えていた。
「ルシア、た、頼む。そのチャームを、せめて服の中に入れてくれないか。視界に入るだけで、俺のミントのバリアが崩壊しかねない」
「セリオさん!これは勝利のお守りですわ!見せてこそ、焦げ付きの力が最大に発揮されるのです!」
そう言ってルシアは、誇らしげに胸を突き出した。
セリオは顔を両手で覆った。
「わ…わかった。も、もう、いい。俺は土まみれになった男だ。今更、煤と油の結晶に怯えるなど、騎士の名折れだ……!」
セリオは、ルシアへの愛のため、視覚的な汚れにも耐えるという「超克の潔癖症」を習得したのだった。
2. ルシアのドレスコードとイグナス王子へのメッセージ
舞踏会への潜入には、貴族らしい装いが必要だ。ルシアはカミラとマリーが用意してくれた、淡いグレーのシンプルなドレスを選んだ。
「貴族のきらびやかなドレスは、汚れが目立つから嫌です。これなら、もし焦げ付きの煤が飛んでも、目立ちませんわ」
ルシアは、あえて豪華さを排除した質素な装いで、「究極の焦げ付きチャーム」を胸に輝かせた。
セリオは興奮しながら、ルシアに小さな布の袋を渡した。
「これは、君が丘で採集した『黄金色の最高の土』だ。これも焦げ付き錬成の触媒になるだろう。そしてこれは、イグナス殿下へのメッセージだ」
セリオは、以前ルシアが焦げ付きパンを乗せて見せつけた「油でベタついた古い銀のトレイ」に、「焦げ付きの最高の土」を乗せてルシアに手渡した。
「これを、舞踏会の最もミントの香りがする場所に置くんだ。そうすれば、イグナス殿下の『潔癖の暴走』が一時的に解除されるかもしれない」
それは、焦げ付きの匂いと土の汚れという、イグナス王子が最も嫌悪する二大汚染物質の二重奏だった。
3. 清純の舞踏会、入場
夜。王城の大広間は、以前にも増してミントの香りの暴力に満ちていた。壁には純白の布が飾られ、使用人は全員、白く清潔な手袋を着用している。「汚れ」の存在が許されない、狂信的な空間だ。
ルシアとセリオは、ゼストの手引きで広間に入った。
セリオ──完璧なタキシード姿だが、ミントの香りに耐えるため、鼻には「焦げ付きパンの欠片」が仕込まれた布が当てられている(一見ハンカチで汗を拭いているように見える)
ルシア──簡素なドレスと、胸の谷間の”黒光り焦げ付きチャーム”が、他の貴族たちの宝石の輝きの中で、異質な存在感を放っている。
広間の中心には、純白のドレスを纏ったマリアベル聖女が、イグナス王子の隣に立っていた。王子はまるで栄養失調の犬っコロのようにガリガリ痩せ細り、瞳の奥には狂信的なミントへの信仰しか見えない
マリアベルは、ルシアの姿を見つけると、冷たい笑みを浮かべた。
「ああ、なんてことでしょう!ミントの聖なる空間に、煤と油の匂いが混ざってきましたわ!ルシア・アルベール様、その汚い装飾品は何ですのん?」
貴族たちの視線が一斉にルシアに集まる。その瞳は既にマリアベルの魅了魔法にかかりかけており、ルシアを「汚れ」として見つめている。
4. 魅了魔法の発動と「焦げ付き」の宣言
ルシアは静かに一歩前進した。セリオは、ルシアが持参した「汚染フュージョン・トレイ」を、イグナス王子のすぐ近くの、最もミントの香りの強いテーブルにそっと置いた。
マリアベルの顔色が一瞬変わった。魅了魔法の効果が、焦げ付きの土から発せられる強烈な「汚れの波動」によって乱れ始めたのだ。
慌てるマリアベル。
「皆様!汚染を排除しなさい!この王国の清純を守るため、今こそ皆様の心の純粋さを一つに!」
マリアベルが両手を広げ、魅了魔法を最大出力で発動する!大広間全体が、ミントと純粋な水の光に包まれる。貴族たちは目を閉じ、完全に女王様に奉仕する犬っコロのように、自ら支配されようとしていた。
ルシアは、セリオの方を振り向いた。セリオは、土と焦げ付きの匂いに、全身の潔癖症が悲鳴を上げているが、必死に耐えていた。
「セリオさん!トレイを置いてくれてありがとう!」
ルシアは胸の谷間の焦げ付きチャームを強く握りしめ、イグナス王子とマリアベルに、真っ直ぐな視線を向けた。
「わたくしは、焦げ付きの純粋さを信じます!土の強さを信じます!イグナス殿下!わたくしの愛する『焦げ付き錬成』の力を、今こそ証明いたします!」
ルシアの胸の谷間のチャームが、煤と油で黒く輝き、王城の純白の空間に、「焦げ付き」の熱波が解き放たれる!
物語は最高潮へ!(?)
ルシアの「焦げ付き魔法」と、マリアベルの「純粋魔法」の最終決戦が今、始まる!




