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第三話 一つ横の道

私の人生はなぜこんななのでしょうか?

前世、私は何かこのような仕打ちを受けるほど誰かにひどいことをしてしまったのでしょうか?

神様、女神様、どうか教えてください。そしてお助け下さい。


「お~い奴隷ども~、飯の時間だぞぉー」

太い体の男数人の見下す、、それ以上の視線。バカにするような眼、そのパーツの節々からは嫌悪感を抱かずにいられない金の匂いを漂わせていた。


“奴隷商 クゥーベ・サイバルク商会"


並べられたご飯は何でできていてどのようにして調理されたのかはわからない。

食べたくない。でも食べないと殺される。だからおいしそうに食べる。無理して食べる。拒まない。

震える手で、それを口に運んだ。吐き気を催す味。嗚咽しながらも食べる。殺されるから。

私の人生はこんな味の食べ物しかなかった。おいしいとされる食品を食べたことがなかった。嗅いだことがなかった。


朝食が終わるとテントから出される。

宿泊施設にいきすべての部屋をノックする。6回。「奴隷を買いませんか~」の合図。

今日はこの宿らしい。私たちはその階段の前に立った。

肌を突き刺す太陽光は皮肉にも、うらやましいほどに綺麗だった。



部屋をノックする音で目が覚めた。この世界来てから三日目。昨日はこの宿の一部屋でずっといるように言われた。

「蓮人様、朝食の時間です」

扉の向こうからはルーナさんの声がした。

「はい」と元気よく返事をしベットから出る。

まだ慣れることができないこの世界は俺の心を少しむしばんでいた。


コンコンコンコンコンコン

部屋の入り口の方から六回ノックが聞こえた。部屋の構造から玄関までは自分が一番近かった。

現世での慣れと少しでも役に立たなければいけないという責任感から、俺はドアを開けに行った。


ガチャという扉を開ける音が部屋に響いた。

「あっ」

リビングからルーナの声が響いた。


扉を開けるとそこにはぼろぼろの衣服に身を包み、頭からキツネのような非対称の耳をはやした自分より数センチ低いような女の子が立っていた。

俺にはその子の顔が、表情が、なぜかつらいと思った。

何かを物語るような顔、

深くて目には見えない傷を必死に伝える顔、

感謝を精一杯に伝える顔、

少し不安を抱くような顔、


そんな顔をする彼女は少しだけ微笑んでいた。



連れてきたはいいものの、どうやって接したらよいかわからない。

成瀬蓮人。

私は今までの人生ルーナとお母さんと、、、、いやルーナだけとしか会話してこなかった。

日夜を共に過ごす空間に関係のない他人がいるということ、それだけで心と頭はフル回転して最善の配慮を考えていた。

蓮人が玄関を開けてしまった。会話すること、いや教えることを忘れていた。奴隷の販売の回数が六回だということ。奴隷を買うほどのお金を持ってないこと。

閉めて貰うしかない。ぬか喜びをさせてしまって申し訳ない。と強く思うが。


一瞬。玄関を見た。その瞬間私はその目に移る情報を疑った。

耳。魔物の耳が人間から生えていた。

気配もそうだ。あれはイーチの人だ。


その二つの情報から私の頭は一つの答えに結び付けた。結びづけざるを終えなかった。


“アルカディア”


その存在は、私の目の前に写っているその子は本来ならいない存在だった。



これまで開けてくれもしない扉をノックし続けた。

そんな日々に終わりを告げた。扉があいた。

とびらがあいた!

喜び、不安、感慨深さいろいろな感情が瞳に寄ってきた。

うれしいのに、涙が出そうだった。

不安なのに、微笑めた。


ああ神様、女神様。ひとまず、とりあえず、この一瞬の感情をくれたことを感謝します。

願わくば、この人たちが今よりいい人たちでありますように。

かなうなら、太陽()の目を普通に浴びられますように。

欲張らないので、形を保った食事を食べられますように。

もしよかったら様々な感情が湧き出る環境でありますように。


<作者あとがき>

第三話です!お待たせして申し訳ありません!

これからもゆるーくやっていきますのでゆるーく応援してくれたらうれしいです。


今回から少しテイストを変えています。こっちの方がいい仕上がりだと思ってます。ぜひ評価よろしくお願いします!

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