第3話
「やっぱ私天才だなぁ」
鼻歌交じりでキッチンへ…と言いたいところだが私は転生してから5年部屋を出たことがない!
胸を張って言えることではないのだが…しょうがない。
そもそも出る必要性が見つからないのだ。
運動ならあの広〜いへやでランニングでも筋トレでもすればいいし、食べ物はマリアが持ってきてくれるしお風呂は別室にあるし、歯磨きもある。トイレも違う別室にあるので出る必要がない!
そう!ニートではないのだ!引きこもりではないのだ!その証拠に私は腹筋はシックスパ〜ック!
筋肉もある!なぜならあの部屋ですることなんてマリアと話すか筋トレしかないからなのである。
なので私は今家探検をしていると言っても過言ではないのだ。
家探検って響きがいいな…この響き好きかも
とかなんとか会ってる間にキッチンらしきところに到着。
さぁ、初めて入るこの世界のキッチンどんなところかな。
「おっじゃましま〜す!」
「あぁ゙?」
「……失礼しましたぁ〜」
おっといけない。入る場所を間違えたようだ。
キッチンとはあんな強面で百戦錬磨の戦士っぽい人がいるような場所でないのだ。
…例えその人がシェフみたいなコック帽をかぶっていたとしても!
「あんた、厨房になにか用か?」
私が必死で現実逃避をしている最中にさらに追い打ちをかけてくるとは、、この強面許すまじ。
今日この時からこの人のことは光る強面と呼ぼう。
なぜ光るをつけたかと言うとその人の頭が光っているから!いやぁ〜我ながら良いネーミングセンスだ。
「聞いてるか?」
「は、はいっ!」
自分のネーミングセンスの良さに惚れ惚れしすぎてた…。
恥ずかしっ。
「用があるなら早く言っていくれ。俺は今忙しいんだ」
うわぁ…圧が、圧がすごい。どうやったらこんなのできるんだ…なんか特殊な訓練うけてんのか??
ていうか、早く何か言わないと!また睨まれる……
それだけは絶対いやだ!!
「お肉めっちゃ硬くて食べるのに時間かかりすぎて飽きます。もう少し焼く時間少なくしてください。」
すぅぅぅぅう、やらかしたぁぁぁぁ!!
ド直球に言っちゃったよぉ……オブラートに包むの忘れてた……。
終わった、まじで終わった……よりにもよってこんな強面の人にぃ……これから熱々の鍋に入れられるんだぁ……。
ありがとう、楽しかったよ人生。グッド・ラック私。
「あんた…」
「ひゃいっ!」
「肝が座ってんなぁ!!俺ぁそんなガキは嫌いじゃないぜ」
ふぅ、よかったなんとか殺されずにすんだみた
「ただ俺の料理にケチつけるのはいささか気に入らねぇ」
い……。
まじかよこの光る強面、やってんな。
私の考えてる途中に被せてきやがった!
褒めてテンション上げてから下げやがった!
でも私かって元(?)料理人志望…
言いたいことは言わせてもらう!
「肉が硬すぎます。もっと肉の調子をみて一番ジューシーで一番ちょうどいい色の時にお皿に盛り付けてください。素材がかわいそうです」
言い切ったぁぁぁ!!!これで私は何を言われても何も怖くない!
「あぁ゙?」
前言撤回!めっちゃ怖い。
「いいぜ、入んな。あんたの、ちょうどいい焼き加減とやらを見せてくれよ」
いまのところ、暗殺ってかんじの雰囲気が出ていませんが4,5話ほどで出す予定なので、タイトル詐欺とか思わないでくれるとウレシイです
そして作品を読んでいただきありがとうございます!
次回も楽しみにしてくれていると嬉しいです。