第2話
生まれてからというか転生してから…?
5年が過ぎた。
「いやぁ〜時が過ぎるのははやいねぇ…君もそう思わないか?マリアくん」
そう行って私は一人の女性に話しかける。
その人は赤茶色のパーマをかけたショートカットヘアーで装いはメイド服。赤茶色の髪と緑の瞳がその女性の性格の柔らかさを現しているようだった。
名は体を表すってね☆
「も〜お年寄りみたいなこと言わないでくださいよ、
エリーゼ様」
今呼ばれたそのエリーゼ様って言うのがこの世界での私の名前らしい。中世ヨーロッパっぽいと言うか…アメリカっぽいと言うか…日本にいたときでは考えられない名前だ。
「ねぇ…何回もいってるけどその"様"っていうのやめない?上下関係あるみたいで嫌なんだけど」
「上下関係があるからいいんです」
「じゃぁ上の立場にいる私の言うこと聞いてよ」
「この呼び方はメイド長からしっっかりと言われてるんですよ!変えたら私が怒られちゃうじゃないですか…それとも私が怒られていいんですか?」
この血も涙もない悪魔ー!とマリアは言うけどこっちのほうが失礼だと私は思う。
「私が許可したっていうの!それだったらメイド長も怒れまい…なにせ私はこの家の末っ子娘だからね」
「……生まれたばっかの末っ子よりこの家に何十年も使えてるメイド長のほうが立場が上の気が…」
「……………ま、まぁ敬語もいいよね」
「…………ふっ」
「あ!今笑ったな?!」
「いえいえそんなことないですけど〜?」
「マリアはまず私に対する敬意を覚えたほうがいいよね…」
意外とこっち生活を私は気に入ってたりする。
軽口を言い合えるメイドに欲しいもの何でも買えちゃう経済力、そしてこの艶のある夜を秘めた様な黒髪ロングヘアー、星を散りばめた様な黄金の瞳。
全てに恵まれていると自覚できる
…………が、一つだけどうしても許せないことがある
「あ、もうこんな時間。ご飯にしますよエリーゼ様」
「え〜ご飯美味しくないんだけど、、、」
「そんな事言わずに!うちのシェフ前は王宮で仕えてた凄腕シェフなんですよ?」
聞いてもないことをペラペラと話すマリアはどこからか食べ物をだした。
「つべこべ言わずに食べてください」
そうして私の前に置かれる大きなお肉
これを5歳の少女に食べさせるとかどうかしてるんじゃないのか?ここの元・王宮シェフは。
「いただきま〜す…」
硬い、とてつもなく硬い。
焼きすぎなんじゃないのか?確かに幼女に食べさせるには生焼は気になるけど…さすがにこれは焼きすぎだ。
「ねぇ…このお肉焼きすぎじゃない?」
「…?焼きすぎってなんですか?」
「………え?」
「お肉というのは決まった時間で焼くので焼きすぎ?の意味がわからないのですが…」
なんと…この世界にはローストビーフやレア肉などの存在がないのか?
決まった時間…ということは誰も焼く時間を変えたことがないというのか…?
もしかしてそういうお肉なのか?
それにしては焼きすぎだろ。おいしくないぞ、これ
「ごちそうさまでした〜」
そんなことを考えながら1時間。
ようやくあの大きなお肉を食べ終わった。
「お皿片付けてきます」
とマリアはどこかに言った。ご飯は好き放題出せるのに部屋には自分で行くんだな…
つくづくここは変な世界だ
「あ〜…ローストビーフたべたい…ちょうどいい火加減で焼いたお肉食べた〜い」
そこで思いついてしまった。やはり私は究極の天才?!
「食べたいなら自分で作ればいいじゃん!!」