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第12話

「エリーゼ様!ここが今から倒す敵の本拠地です」

 どうしてこうなった?

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 目覚めるとお父様が横にいた。


「エリーゼ、お前には任務に出てもらう」


……ん?え?なんて?とりあえず寝起きの人間に言うことではなくないか?


「すいません耳がおかしいみたいで……もう1回言ってもらっても?」

「任務に出てもらう。……医者は必要か?」

「大丈夫です!!」


ていうかコレどういう状況?たしかマリアと模擬戦して……なんかマリアが魔法らしきものを使って?……駄目だ。そこからの記憶がない。


「あっ、エリーゼ様起きました?」


ティーポットを持って入ってきたマリアは綺麗な所作で紅茶を淹れてくれる。


「ん、美味しい」

「よかったです」

「いや、そうじゃなくて!コレどういう状況?」


危うくマリアの美味しい紅茶にホッとするところだった。危ない危ない。


「いや、それがですね?エリーゼ様が予想よりはるかに強くなっておりまして……これなら任務も問題ないかと思いまして」

「5年早いが任務に出てもらう」


え?


え?


え?


―――――――――――――――――――――――――――――――――


「エリーゼ様?聞いてます?」

「ごめん過去に戻ってた」

「新しく虚言癖ができちゃいましたか……」

「私って君の主人の娘だよね?」


なんだかんだで訓練したりご飯作ったりしてたら、任務に出てもらう宣言されて1週間が経っちゃったのである。


「行きますよ」

「わかった」


深く息を吸って深く吐く。血液を循環させる。気配を消す。殺気を消す。魔力を消す。


「良い消し方をしますね」

「ありがと」


さぁ、行こうか。

 そこから、見張りをすべて撒いてターゲットの部屋まで着くのに時間は掛からなかった。


「エリーゼ様がやってくださいね」

「わかった」


そしてターゲットの前に音を立てずに立つ。


「だ、誰だおまえは?!」


びっくりしてる。それもそうか。叫ばれても困るので回し蹴りを一発腹にいれて気絶させる。


「あとはやるだけ(殺すだけ)


……。なぜだ?手が動かない。この1週間寝る間も惜しんで訓練した。今ナイフを下ろせば終わる。こんなのすぐに終わる。手を、動かせ。動かせ。動かせ。動かせ動かせ動かせ動かせ動かせ動かせ動かせ動かせ。

 ……私には無理なのか?


「時間です。」


ターゲットの体に銃弾が撃たれる。そういえばこれは特別製の銃だったな。どうりで音が出ないはずだ。


「エリーゼ様。帰りましょう」

「うん、わかった。」


そこからどうやって帰ったかはあまり記憶がない。ただ覚えているのはいるのは、ターゲットを殺せなかった自分に対しての憎しみと、そんな私に存在価値はあるのかという絶望だけ。


「エリーゼ様。あまり気にしないでください。最初は誰しもあんな感じですよ」

「マリアも?」

「……はい。」

「間があったんだけど」


私は暗殺に向いてない。人を殺せない。そんな私になにが残る?そう考えた末出てきたのは料理だ。

思いついてからは早かった。何個もの日本で学んだ料理を作って作って作って作りまくった。


1000年後

「おかーさん!!きょうのご飯はなに?」

「ふふっ今日はシチューよ」

「やった!僕シチュー大好きなんだ!」

「そうね。それじゃ食べましょうか」

「うん!」

「料理神エリーゼ様に感謝を、いただきます」

「料理神エリーゼ様に感謝を、いただきます!」


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