第10話
「練習してきましたか?エリーゼ様」
「もちろん!ばっちり!」
練習してみてわかった。やっぱり私には暗殺の才能があるらしい。1日練習すれば銃は完璧にマスターした。しかし銃を片手で撃つことをマスターするのに2日かけてしまった。まぁ、ほかの理由も、一つあるんだけど。
「じゃあこれから十分間反対方向に歩きましょう。十分になったら私が銃を撃ちますので。」
「了解。ちなみに……この森の中でやるの?」
「はい。気配は探れるようになったほうが得ですからね」
「でも外だよ?銃の音とか……」
「これ特別製なんで音でないようになってるんですよ。合図の銃は魔法で鐘の音に変えるんで安心してください」
「りょ〜かい」
----マリア目線----
ゴーン。
十分の銃を撃つ。この場合は鐘を鳴らすといったほうが良いのでしょうか……。まぁどっちでも良いですね。今回はエリーゼ様に敵の位置を探す方法を習得して欲しいので適当に隠れておきましょう。
「すーーはーー。」
大きく吸って、吐く。血液をまわす。魔力をしまう。気配を、消す。
自慢じゃないですが私はカトリーナ家の皆さんの中で一番気配を消すのが上手いんです。なのでエリーゼ様には見つからないでしょう。あ、でもそれだと可哀想なので殺気だけ残しておきますか。
私の周り、半径2メートル内に入ってきて一分間気づかなかったり素通りした場合攻撃するとしましょう。
私は気配を消すのが上手い一方銃が苦手なんです。なのでナイフで斬りかかるしかないんですよね。本当に不憫。エリーゼ様は多分銃と剣を使うのでしょう。……対策しますか。
パターン1、剣を主に使い、。この場合剣に不利な銃で早めに終わらせましょう。銃は苦手だと言いましたがそれなりには使えたはずなので自分の腕を信じましょう。……最後に使ったのは一ヶ月前なのでだめかもしれませんが。
パターン2、銃を主に使い、剣がサブ。戦かい方はパターン1と同じですがどっちを主に使うかで仕留め方の工程が代わります。この場合私の特攻で行かせてもらいましょう。距離を取らせなければ銃は飾り。撃つ間合いも与えない超接近戦をするとしましょう。
ガサガサガサガサ。
来ましたね。パターンは……2。あんなに走らないで欲しいですね武器が確認しにくいです。素通り……かとおもったら私から15メートル離れたところで止まりました。さすがに殺気を感じたようですね。1週間前に比べたらすごい進歩です。
足に力を入れて踏み込みます。私は昔からこの感覚が好きです。確実に前に進んでいってる、一歩増えるごとに加速しているって感じがします。これだから奇襲はやめられませんね。
エリーゼ様から私まであと5メートル。
「あ、みっけ」
……え?気づけばエリーゼ様は私に銃を向けて照準を定めていました。おかしいです。絶対におかしい。
さっきまでは気づく素振りもなく私に背を向けていた。この10メートルを走るのに1秒。気づかれてからは殺気も消した。でてくる時に音はだしていないはず。
なのに、なぜエリーゼ様はこの1秒の間に振り返りながら私に照準をあわせることができた?
そんな事3日の練習でできるはずがない。できるはずが……
「銃練習しといてよかった……振り向きざまに照準合わせる練習しといて良かった……」
「いやそれおかしいからね?!」
ユーアーパーフェクトヒューマン?!
エリーゼ様とやるときは1回常識を捨てないといけないっぽい。
ついにストーリー数が二桁行きました!見てくれている読者様は10話も読んでいただきありがとうございます!これからも頑張りたいと思います。