90 ゾニルフと答えと日曜日限定出荷販売開始
side『ゾニルフ』
これはきっと『跡取りくん』が私に対してきっと1つの『試練』……いや私なりの答えをきっと待っているのだろうと確信が持てる。
私の答えなんてもう『決まって』いる。
私の『答え』それは
『跡取りくん』の手を取り
「日曜日限定出荷販売是非ともしたいのでよろしくお願いできないだろうか」
これがいま、私の出来る事だ。
『跡取りくん』はにこやかに
「はい!分かりました!今日は出来ませんが来週分から出荷可能ですよ」
と言う回答を得られた。
本当に『跡取りくん』はいい子だし
私の期待にも答えてくれている。
しかも彼はチャンスを必ず自分の手で掴む素質を持っている。
私は、彼を絶対に手放さないつもりだ。
side『ゾニルフ』end。
俺は彼の期待に応えられたのであろうか?
きっとゾニルフ会長の期待に応えられたと俺は思ってもいいのかもしれない。
そして、ゾニルフ会長が商品コンテナを積んで
自分の街まで帰っていく後ろ姿をバックに思った。
その日の夜
前に評判だった
『餃子』をまた作って皆に振る舞う。
やはり
『餃子』を包む作業はやはり
皆にとって神技に見えるらしいが俺は慣れているから
『普通』と感じてしまうのであろう。
俺の『普通』と3人の『普通』はまた別であるということ。
俺ができるからといって
エリクス、ユーミル、メセタが出来る訳では無い。
それは分かっている。
エリクスが出来ることが俺には出来ないなんてこともあるからである。
人には向き、不向きが絶対にあるからである。
何度かやれば多少のことは出来るようになるが
コツを掴めるか掴めないかはセンスにもよるのである。
夕飯を食べ終え
風呂の支度をして皆で風呂に入る。
そして風呂からあがり
俺は夜のおつまみの支度をするために
冷蔵庫の中をあけ
本当の夜のおつまみを作成する。
今日は前に収穫した『さつまいも』を蒸して
『さつまいもの蒸かし芋』を作る予定だ。