84 木曜日の朝
次の日
木曜日の朝を迎える。
朝食を食べ終えた後
裏庭の畑の収穫と倉庫の手入れを行う。
今日は鍬を使って
4つほど畝を作り
『赤パプリカ!』
『緑パプリカ!』
『黄パプリカ!』
『カボチャ!』
を願う。
そして、雨を2時間ほど願う。
ポツリ、ポツリと雨がチラつくので家に戻る。
この間、土筆を食べたんだが
やはり
卵とじが美味しかった。
家に入るとユーミルがぽよんぽよんとやって来て
俺に甘えてくる。
「嫁ちゃん」
と言って俺に甘える。
でも今日のユーミルは少しおかしかった。
すこし顔が青いように思える。
そしたら
「嫁……ちゃん……僕気持ち悪い」
「ユーミル!?大丈夫か」
「……うん……子供出来たらしい」
(そうかそうか……子供できたのか……)
「は?」
今なんて?
「ユーミル……いまなんて?」
「僕……子供出来たみたいなの」
「誰との!?」
「僕……ヴェネフィットスライムって言って特殊個体で……自分で子供が作れる種なの」
「へえ……え!?……自分で作れる!?」
メセタからの話では本来スライムは番のスライムと一緒に生活して生殖しないと子供は出来ないが
このヴェネフィットスライムだけは自分の力で子供を作れるという特殊個体である。
「ユーミルはどうしたいの?」
「嫁ちゃん?」
「ユーミルは自分の子供をこれから産まないといけない……でも産みたいのか……産みたくないのか。これははっきりしないと駄目だよ」
俺のこの発言でいつもはヘラヘラしているユーミルも真剣になって
「僕……産みたい!」
と言った。
これからが大変だ。
ユーミルの出産まで1ヶ月なのだとか。
ユーミルの頭を優しく撫でてあげる。