79 肉まんをご賞味する
蒸し器の蓋を開け
肉まんの状態を確認する。
「いい感じだ!」
と、俺は言って出来たての肉まんを皿に盛り付ける。
それと残った生ジュースで一緒に楽しく会話しながら食べようということになった。
コップに注がれた生ジュースを少し口含む。
(やはり美味い)
エリクス、メセタ、ユーミルは初めて食す
肉まんを口に頬張る。
「あむ…………!?」
「もぐ…………!?」
「ぱく…………!?」
3人はまた声を揃え
「「「美味しい!!肉汁!それにこの皮もふわふわで美味い!!」」」
という。
(作りがいがあるというものだ)
俺は3人のこの言葉に笑顔になる。
俺の笑顔を3人は見て
顔を全員赤らめる。
(はて?なんで皆顔が赤いのだろうか?)
(((だからその笑顔は反則ですってば!!!)))
そうして肉まん試食と生ジュースの試飲が終わった。
これから俺達がやることは
『生ジュース』の試行錯誤とクリプト商会のゾニルフ会長にも『生ジュース』を飲んでもらうことにある。
その結果ゾニルフ会長がどう判断するかはまだやっていない事だから分からないけど
彼は利益に直接関わることは基本
やろうとするはずである。
だが商品開発は時にギャンブルでもあるからそう簡単なことでは無いし
それが仕事となってくればそれは決して楽なことでは無いのである。
それも考慮に入れなければならないのである。
最終判断は俺たちではなく
今度の日曜日に商品受け渡し当日にまず
試飲用の生ジュースを用意し飲んでもらうことにある。
まずは、そこからなのである。
そこから美味さや量産には適しているのかそれとも限定で販売するのか
ゾニルフさんの回答でほぼ決まってしまうのである。
俺たちで勝手には決定できない。
だからこそ
まずは飲んでもらうことにある。