59 従魔の前に名前をつけていたら
「そういや従魔契約前に名前を付けていたらどうなるんだ?猫とかは飼う前に名前をつけることはあるが」
「消滅します」
「え?」
「消滅します」
よく聞こえなかった。
「消滅です。その存在がなかったということになり消滅するのです」
メセタが言う。
「いやいや従魔契約前に名前をつけたら消滅って無いでしょ……冗談は」
「冗談は私は嫌いです!だから、最初……従魔契約前に私に名前を付けなかった我が君を親愛しているのです」
「良かった!僕契約前に名前付けてもらっていたら消滅する所だったんだね。嫁ちゃんに感謝だね」
(嫁ちゃん……なかなか慣れないその通称)
そういや
メセタは『我が君』、ユーミルは『嫁ちゃん』
ミランダさんは『坊や』。
それから、ゾニルフ会長は『青年君』または『跡取りくん』
なんか通称がバラバラでしかもなんか皆して俺大好きな感じするんだが!?
……
……
「ぶへぇっくしょい!!」
「会長……風邪ですか?」
「いや……これは……『跡取りくん』からなにかのメッセージかな」
「跡取りくんって会長がこの間『養子に迎えたい』と言っていた『』さんですか?」
「そうそう……彼は色々と優秀でね。秀勉な部分もあるんだ……かなりの博識だよ」
「会長がそこまで言うのでしたらかなりの手練でしょうね」
「ああ、ハイランドウルフを従魔にしていたよ」
と言うとかなり驚いていた。
「え!?」
「アルド……君もやはり驚くよね」
「そりゃそうでしょ……ハイランドウルフが人に懐くなんて普通有り得ませんし」
「それだけ彼は能力的に相当上なのかもしれない」
……
……
暫く歩くと立て看板を発見する。
この先、『シュメールの街』
「シュメールの街がこの先にあるか……この街では何が名産なんだ?」
俺のいた世界でもこの名前は存在している。
いまではその昔に存在していたとされる文明
シュメール文明。織物や金貨などが有名である。
「織物と食べ物ですね」
(織物は同じなのか)