491 等間隔の祈りと、緑の整列
家族みんなでの苗植えは、賑やかに、そして着実に進んでいった。
俺が一定の距離を保ちながら指先で土を割り、エリクスがそこへ苗を添える。
その後をライトとユミナが追いかけ、小さな手で優しく土の布団を被せていく。
「お父さん、このくらいでいい?」
ライトが誇らしげに、綺麗に整った苗の根元を指差す。
「ああ、完璧だ。ライト、筋がいいな。ユミナも、その優しく抑える感じが苗には一番なんだよ」
俺が褒めると、二人は顔を見合わせて「えへへ」と照れくさそうに笑った。
「パパりん、マチルダもぺったんしたよ!」
マチルダが泥だらけの体を揺らしながら報告してくれる。
「トトさま、列が真っ直ぐなのは気持ちがいいですね」
アマンダが器用に触手(?)を動かして、乱れた土を整えていく。
「父上、全二十四株、欠損なく定植を完了いたしました」
リューが最後にキリッと敬礼するように報告してくれた。
俺は立ち上がり、腰に手を当てて、整然と並んだトマトの苗を見渡した。
雨上がりの瑞々しい黒土に、若い緑の葉が等間隔に並んでいる光景は、いつ見ても心が洗われる。
「よし、これで第一段階は完了だな。あとはこの子たちがしっかり根を張れるように見守るだけだ」
俺は空を仰いだ。
午前中の柔らかな陽光が、植えたばかりの苗を優しく照らしている。
昨日願った雨が土の中にたっぷりと蓄えられているから、しばらくは水やりの心配もいらないだろう。
「兄貴、いい仕事をした後の空気は最高だな!」
エリクスが額の汗を拭いながら、満足げに微笑む。
「そうだな。さて、一旦家に戻って、少し早い休憩にしようか。リッカたちが冷たい飲み物を用意して待っててくれてるはずだ」
俺の言葉に、子供たちが「わーい!」と一斉に家の方へと走り出した。
泥だらけの足跡が、家族の絆の証のように、畑から勝手口へと続いていた。




