482 畑の手入れと土壌作り、次への願い
長靴の先で土の感触を確かめながら、俺は使い慣れた鍬を手に取った。
昨日、見事な玉ねぎを収穫し終えた場所は、今はまだ土が少し硬くなっている。ここを丁寧に耕し、また新しい命を育むための「準備」をするのが、一週間の最初の仕事だ。
「よし、いい土にしていこうか」
俺は鍬を高く振り上げ、リズムよく土を返していく。ザクッ、ザクッという小気味良い音が裏庭に響く。掘り返された土からは、力強い大地の匂いが立ち上った。
「玉ねぎの後は、やっぱりトマトかな」
収穫を終えた場所へ鍬を入れながら、俺は次に植える作物を思い描く。この畑では、一つの収穫が終わるたびに「次はこれが元気に育ちますように」と願うのが俺の流儀だ。
太陽をいっぱいに浴びた、真っ赤で瑞々しいトマト。リッカや子供たちが喜んで頬張る姿を想像すると、自然と手に力が入る。
土の中に溜まった古い根を取り除き、空気を含ませるようにふっくらと耕していく。そこに熟成させた堆肥を混ぜ込み、土壌のバランスを整えていく。
「ここにはトマト。その隣の列には、また別のものを……」
つい先日まで熱心に育てていた「ゴウンユア」のような珍しい野菜も面白いが、今はこうして定番の野菜たちと向き合い、土の基礎を作る時間が何よりも贅沢に感じられた。
一汗かいた頃、かつて玉ねぎが埋まっていた場所は、見違えるほど柔らかく、栄養をたっぷり含んだ深い色合いの畝へと生まれ変わった。
「いい土だ。これならきっと、甘いトマトが育ってくれるはずだ」
額の汗を拭い、俺は満足げに整ったばかりの地面を見つめた。空は高く、月曜日の陽光が、新しい生命を待ち侘びる土を温かく照らしていた。
俺は畑の手入れをしたあと
3時間ほど雨を願った
雲があたり一面を覆い尽くし
ぽつりぽつり
ざあーっと雨が降り出す
「いつもの通りに雨を願いました?」
「そ、さあ家に入ろう」




