476 3時のおやつと、乾いた風の匂い
午後の柔らかな光がリビングを包み込む中、柱時計が3回、軽やかな音を立てた。
「さて、そろそろ3時だね。みんな、おやつの時間にしようか」
俺の言葉に、真っ先に反応したのは子供たちだった。
「おやつ! お父さん、今日のおやつは何?」とライトが目を輝かせ、「お母さん、私お手伝いする!」とユミナがトテトテとキッチンへ向かう。
「パパりん、マチルダもおやつ食べるー!」
「トトさま、今日のは甘いのですか?」
「父上、楽しみにしております」
マチルダ、アマンダ、リューも、それぞれの呼び方で俺の周りに集まってきた。
今日のおやつは、昨日多めに作っておいたフルーツサンドの端切れをアレンジした、特製のミニパフェだ。チャリオットが手際よく準備してくれた冷たい麦茶と一緒に、テラスのテーブルへと運ぶ。
リッカも「わあ、美味しそう。麗人さん、ありがとうございます」と微笑み、家族全員で冷たくて甘いひとときを堪能した。
おやつを終えた頃、外の風が少しだけ涼しくなってきた。
「あ、洗濯物を取り込んじゃわないと。麗人さん、手伝ってもらってもいいですか?」
リッカに促され、俺は「もちろん」と立ち上がった。
庭の物干し場へ行くと、お日様の匂いをいっぱいに吸い込んだシーツや服が、パリッと乾いて揺れている。
「兄貴、俺も手伝うぜ!」とエリクスもやってきて、三人で手際よくカゴに収めていく。
「ゴウンユアの皮を剥くときに使ったエプロンも、綺麗に乾いてるな」
俺が独り言のように呟くと、リッカが「あの野菜、本当に肉料理に合いましたね。次はどんな料理に使おうか、楽しみです」と楽しそうに応じた。
取り込んだばかりの、まだ少し温かい洗濯物の山。そのふかふかとした感触と、石鹸の淡い香り。
「さあ、これをお部屋に運んだら、そろそろ夕飯の献立を考えようか」
夕暮れが近づく気配を感じながら、俺たちは山盛りの洗濯カゴを抱えて、賑やかな我が家の中へと戻っていった。




