411 ハンバーガーセットを、作る
材料はもう願って出したから、これで揃っている。心配はいらないな。
テーブルに置かれたレシピ本を手に取り、細かく書かれた手順をゆっくりと確認する。ハンバーガー作りは初めてだけど、サンドイッチの要領でやればきっとうまくいくだろう。そう自分に言い聞かせながら、作業を始めた。
まずは新鮮なレタスをざく切りにし、トマトを厚めにスライスする。ピクルスも忘れずに用意。次に、ふっくらと焼き上がったバンズを半分に切り分け、一つずつ丁寧に並べていく。その上にレタス、トマト、そしてピクルスを重ねていく。
さあ、いよいよメインのハンバーグパティを作る時だ。ボウルに牛ひき肉を入れ、塩・胡椒を軽く振って粘りが出るまで練り込む。形を整えたら、熱したフライパンでじっくりと焼き色をつけていく。肉汁が閉じ込められ、ふんわりジューシーな状態になるよう心を込めて。
十分に焼きあがったハンバーグをバンズの上に載せ、とろけるチーズをかける。余熱でじわりと溶けていくチーズの光景に、思わずにやりとする。残りのバンズをふわっとかぶせて、ハンバーガーの完成だ。
それを皿に盛りつけると、アップルジュースとオレンジジュース、そして新鮮なサラダも一緒に用意する。これでみんなが喜ぶハンバーガーセットの出来上がりだ。
しかし、何かが足りない。ぱっと見は完璧だけど、どこか物足りなさを感じてしまう。ジューシーなパティ、カリッと焼けたバンズ、シャキシャキの野菜……それぞれは申し分ないはずなのに、まだ一欠片の盛り上がりが欲しい。
俺はふと思った。「そうだ、ソースか…いや、もう少し特別なアクセントがあるといいかな」と。
そんな微かな違和感を抱きながらも、仲間たちの期待に応えるべく、俺はもう一度手早くレシピを思い返す。きっと次は、もっと満足してもらえる一品に仕上げられるはずだと信じて。
ぽんっと音がしてハンバーガーソースが出る。それを掛けるがまだ物足りなさを感じたのだ。
(何が足りない?……あっ!)
(あ……フライドポテトがない!)
それに気づいた瞬間、俺はハッとした。そうだ、ハンバーガーのセットに欠かせないのはサイドメニューのフライドポテトだ。ジューシーなパティに、シャキシャキ野菜、溶けたチーズ、焼きたてのバンズ。完璧なはずだったが、何かが抜けていた。それは揚げたてのカリッとしたポテトの食感と香ばしい香り、そしてあの満足感。
「これじゃ、まだ物足りないんだよな……」
そう呟くと、ぽんっと小さな音が響いた。
その音と同時に、目の前のテーブルの端に、見慣れた黄色と赤が映えるMEXの紙容器に入ったフライドポテトがひょっこりと現れた。まるで魔法のような出来事に、俺は思わず目を見開く。
「おお……なぜか今回はMEXの紙容器で出てきたぞ」
フライドポテトは熱々で、細身にカットされ、カリカリとした食感が想像できる。ソースの代わりにケチャップも添えられており、これでセットとしての完成形は揃ったと感じた。
まあ、これでお目当てのハンバーガーセットは完成したのだから良しとするか。
心の中で満足を覚えながら、俺はそのフライドポテトを手に取り、にやりと笑った。これでみんなが喜ぶぞ、と。
食事の準備は終わり、テーブルには彩り豊かなハンバーガーと、MEXスタイルのフライドポテト、そして新鮮なサラダとドリンクが並んでいる。仲間たちの期待に応えられる、そんな予感が胸を満たしていった。
しかも全員分のMEXのフライドポテトしかもラージサイズと来たもんだ。
(満足すぎるぞこれ)
今日の夕飯はMEXスタイルのフライドポテト(ラージサイズ)、手作りハンバーガー、アップルジュース、オレンジジュース、サラダというこの世界で初のハンバーガーセットである。
ハンバーガー自体俺も久しぶりに食べるのでたまにはいいよなって気持ちになる。
皆でわいわい楽しみ、会話しながらハンバーガーセットを食べました。大変美味しかったです。




