391 おやつはクレセク・ツィムニャクを皆で食べます
家に入ると、リビングダイニングの長テーブルの周りに皆が自然と集まり、それぞれ椅子に腰を下ろした。夕方の柔らかな光が窓から差し込み、部屋の中をほんのり温めている。
そんななか、チャリオットがぱたりとエプロンの紐を結び直し、テーブルにゆっくりとおやつを並べ始めた。
「今日は、地球のレシピ集から珍しいお菓子を選んでみました」
と笑顔で言いながら、チャリオットが取り出したのは『クレセク・ツィムニャク』という名の一品だった。
説明すると、
じゃがいもの自然な甘みを活かし、砂糖と牛乳のまろやかな風味が合わさった、もっちりとした甘いポテト団子のようなお菓子である。冷やしても温めても美味しく、紅茶やコーヒーとの相性も抜群だという。
「それじゃあ、みんなで食べてみよう!」
テーブルには湯気がほんのり立つものもあれば、涼しげに冷えたものもあり、まずはそれぞれがひとつずつ手に取った。俺も一口頬張ると、ほのかな甘みともちふわの食感が口に広がった。
エリクスも目を細めながら、「これは……いいな!」と言い、リッカは「優しい甘さで、何個でも食べられそう」とにっこり。
ライトやユミナ、子どもたちも楽しそうにむしゃむしゃと頬張り、メセタやミルドレシアも興味津々でじっと見つめている。
「ああ、これ本当に美味しいよ」と俺が言うと、全員が口を揃えて、
「美味しい!」
と声を重ねた。
そんな和やかな空気に包まれながら、俺たちはいつものように、ゆっくりとおやつの時間を楽しんだのだった。




