377 午前のおやつはレアチーズタルト
朝食が片付き、一息ついた俺は「さて、次はおやつだな」とつぶやく。
「兄貴!今日はどんなおやつ作るの?」とエリクスが尋ねる。
「今日はレアチーズタルトを作る。甘さ控えめで、さっぱりしたものが食べたくてな。」
「レアチーズタルト!響きがいい!」とミルドレシアが尻尾をブンブン振りながら喜ぶ。
「タルト…聞いたこと無いですね。
それはきっと美味しいのでしょう」とメセタも満足そうだ。
レアチーズタルトを作るには具体的な手順が必要だ。
俺は目を閉じて、心の中で強く願う。
「頼むぞ、俺のスキル。今回も上手くいくようにしてくれ。」
(レアチーズタルトのレシピ!)
すると、目の前のテーブルにポンッと光と共に一冊の本が現れた。表紙には「究極のレアチーズタルトレシピ」と書かれている。
「さすが兄貴のスキル!」
とエリクスが感心する。
「いや、レシピがあっても腕が伴わないと意味がないぞ。しっかり作るからな。」
俺とエリクス、チャリオットの三人でタルトの準備を始める。
1. タルト生地を作る
まずはタルト台を作るため、薄力粉、砂糖、バター、卵黄を混ぜ合わせる。俺が粉を混ぜる担当になり、エリクスがバターを切り分け、チャリオットが全体をこねて生地をまとめていく。
「ここは力加減が重要ですね。」
とチャリオットがこねながら言う。
「よし、このくらいで冷蔵庫に入れて休ませるか。」
と俺が生地を仕上げる。
2. チーズフィリングを作る
クリームチーズ、生クリーム、砂糖、レモン汁をボウルで混ぜる。この部分はエリクスが担当。
ミルドレシアが少しだけ舐めたそうな目でボウルを見ていたが、俺が「まだだ」と釘を刺す。
「レモンの酸味が効いてますね。これなら爽やかに仕上がりそうです!」
3. 生地を焼き、フィリングを流し込む
冷やしておいたタルト生地を型に敷き詰め、軽く焼いておく。その上にチーズフィリングを流し込む。
「最後に冷蔵庫で冷やせば完成だな。」
と俺が言うと、エリクスとチャリオットが頷く。
数時間後、冷蔵庫から取り出したレアチーズタルトは、しっかり固まり、見た目も美しい仕上がりだった。
上にミントと少しのベリーを乗せ、さらに彩りを加える。
「わぁ! 本当においしそう!」とミルドレシアが歓声を上げる。
「これぞ芸術的なおやつですな。我が君、感服しました。」
とメセタがまたしても感心する。
「それじゃ、さっそく食べようぜ。」
皆でタルトを切り分け、一口食べると――滑らかな舌触りとレモンの爽やかさが口いっぱいに広がる。
「美味しい! また作ってほしいな!」
とミルドレシアが言う。
「これは我が君のスキルの賜物ですな。お見事!」
穏やかな午前のひとときを過ごしながら、皆でタルトを堪能した。