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369 後片付け、風呂の支度、夜のおつまみ作成

夕飯を終えた後、俺たちは自然と片付けに取りかかった。

リッカは素早く食器を片付け、俺が洗い物を担当する間、エリクスとチャリオットはテーブルの拭き掃除を手分けして行う。手際よく片付けが進む様子は、どこかチームワークを感じさせた。


「じゃあ、次は風呂の準備だな。」

俺がそう言うと、リッカがタオルを持って立ち上がる。エリクスとチャリオットもついてきて、四人で分担して必要なものを揃えることにした。

湯加減を確かめたり、アロマオイルを用意したりと、細やかな気遣いがリッカらしい。


風呂の準備が整う頃には、夜のリラックスタイムに備えておつまみ作りを始めることになった。

キッチンに集まった俺たちは、簡単に作れるメニューを相談する。


「やっぱりチーズとサラミは外せないわね。」

リッカが手慣れた様子で切り分けながら提案する。

「それと、簡単なグリル野菜もいいかもしれない。」

エリクスが冷蔵庫を覗き込む。


チャリオットはというと、手際よくパンをスライスしながら

「これはハーブオイルを塗ってトーストにしますか?」

と俺に聞いてきた。

俺は頷きながら

「それいいな。軽く焦げ目がつくくらいが最高だ」

と返事をする。


それぞれが手分けして準備を進め、キッチンに立つ四人の姿は和やかで、どこか家庭的だった。少し手が空いた俺は

「こんな雰囲気、悪くないな」

としみじみ感じながら、完成間近のおつまみを眺めていた。


おつまみの準備が整ってきたところで、俺はリビングにある魔力式テレビのリモコンを手に取った。この世界には不思議なことが多いが、これもその一つだ。異世界のはずなのに、なぜか俺の元いた世界のテレビ番組が映る。


「今日は何やってるかな……」

俺がリモコンを操作してテレビを点けると、画面に映ったのは日本のバラエティ番組だった。


チャリオットが興味津々に画面を覗き込む。リッカとエリクスも、おつまみを手にしながらこちらに顔を向けた。


「今日の企画は、大食い選手権か?」俺は画面を見ながら呟いた。


そこには、巨大なラーメンを前に必死に箸を動かす挑戦者たちの姿が映っていた。

「これが普通の食事の量なのか?」

エリクスが眉をひそめる。

「いや、あれは特別な大会だよ。」

俺は笑いながら説明する。


一方で、リッカは画面の中の食べ物に釘付けになっている。

「これ、見てるだけでお腹すいてくるね……。その『ラーメン』ってこっちでは作れないのかな?」

「材料さえ揃えば作れそうだけど、ちょっと研究が必要だな。」


そんな会話をしながら、出来上がったおつまみをテーブルに並べる。


チーズやサラミの盛り合わせ、グリル野菜、トーストなどを持ち寄り、みんなでリビングに集まった。

魔力式炬燵こたつのスイッチを入れ、暖かい空間でテレビを囲む。


「おつまみ完成!飲み物も用意してっと。」

リッカが飲み物を運び、全員が座ったところで、ようやく夜のリラックスタイムが始まる。


「俺の世界のテレビが見れるのは便利だけど、なんでだろうな……」

俺は不思議に思いながらも、つい楽しんでしまう自分を止められない。


「この技術、こっちの魔術とも関連があるのだろうか……?」

エリクスは画面をじっと見つめ、何やら考え込んでいる。


「無駄に考え込む必要はありません。今は楽しめばいいだけですから。」

チャリオットが飲み物を手に、珍しく柔らかい表情を見せる。


テレビ番組の盛り上がりに合わせて笑い合い、時には食べ物の味について語り合う。そんな平和な時間に、俺は自然と顔を緩ませていた。




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