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355/387

355 おやつと東1局開始

皿をいくつか用意して

おやつを用意する。

そうだなぁ

ルマンドとか

ぽんっ!

(お?)

チーズおかきとか

ぽんっ!

(おひょ?)

ポテトチップスのビックバッグとか

ぽんっ!

(ありゃ?)

食べたいものが次々と出る。

えへへ…。


更に

エリーゼも食べたいな

ぽんっ!

(うふふ)

次々と出てくるお菓子にエリクスが引きぎみになる。

「ちょ、ちょっと!兄貴!なにこれ」

「各種お菓子!」

と俺は笑顔で答えると

エリクスは顔を真っ赤にして俯いてしまう。

(どうしたんだ?)

(は、反則だぜ兄貴その笑顔は)


「えー、これから麻雀大会します。おやつは好きなものを食べてね。

無くなったら言ってねまた出すから」

「はーい」


そうして

麻雀は開始される。


東1局が始まった。親はメセタ&チャリオット。テーブルの雰囲気は静かだが、各プレイヤーがその場の空気を読み、慎重に行動を始める。


メセタがチャリオットに指示を出し最初のツモ牌を手に取り、わずかに口元を歪めた。

その笑みは、何かを悟ったかのように見えた。

しかし、彼はすぐにその牌を他の手牌と入れ替えるように指示だし、静かに打牌を行う。

次のツモ番が回るのはリッカだ。


リッカもまた、慎重に自分の手牌を確認する。

表情は崩さず、平常心を保ちながらも、内心ではすでに戦略を組み立てているようだ。

リッカはツモ牌を確認すると、一瞬だけ眉を潜めた。

しかし、それをすぐに隠し、淡々と牌を卓に置く。その打牌は冷静そのものだが、何かを考え込んでいるのは明らかだった。

次にツモ番が回るのはエリクスだ。


エリクスはゆっくりと牌を引き、手牌に加えた。

その目は鋭く、相手の打ち筋を一瞥しながらも、自分の手に集中している。彼の打牌は一切の迷いがなく、戦略家の面持ちがうかがえた。

そして、ツモ番は俺に回る。

俺は穏やかな表情を保ちつつも、内心でそれぞれの動きを読み取ろうとする。

手に入れた牌を手牌に加え、じっくりと考えた後、一枚を静かに卓に置く。

場の空気は緊張感を帯び始めた。

誰もが次の動きに備え、慎重に手を進めていく。

メセタの最初の薄ら笑いが、単なる気まぐれか、それとも何かの布石か――まだ誰にもわからなかったが、何かが動き出す予感が漂っていた。


ツモ番が二巡目、三巡目と進み、それぞれが静かに牌を積み重ねていく。

緊張感が少しずつ高まる中、場に大きな変化が訪れる。

エリクスが、手牌をじっと見つめた後、急に鋭い目つきで場を見回す。

そして、ゆっくりと手元のリーチ棒を卓の中央に置き、冷静な声でリーチを宣言する。


「リーチだ。」


その言葉が響くと、場全体に緊張が走る。

エリクスの鋭いリーチは他のプレイヤーを圧倒し、場の空気を一変させた。メセタは少し口元を歪め、リッカもわずかに表情を硬くした。

エリクスの手牌は既に勝負を決めるかのような自信に満ちているが、残りの三人も簡単には引かない。

次のツモ番が回り、再び静かな戦いが始まる。


メセタはリーチをどう受け止めたのか、打牌の際にわずかに微笑んでいた。


四順目に入った頃、場の空気がさらに重くなる中、メセタがチャリオットに指示を出し静かにツモ牌を確認する。その瞬間、微笑が少し深くなった。

彼はチャリオットに耳打ちしてツモ牌を手牌に加えると、声を上げることなく、穏やかに牌を倒した。


「ツモですねぇ」


リーチ宣言こそしていなかったが、メセタの手はしっかりと役を整えていた。

牌の並びには「一盃口」が揃い、他にもいくつかの小さな役が隠れている。彼は計算された動きで、着実に役を取っていたのだ。

エリクスの鋭いリーチ宣言を受け、他のプレイヤーが注意深く守りに回る中、メセタは冷静に自分の手を完成させていた。

その落ち着いた姿勢は、他のプレイヤーに何かを思わせるようだった。


「これでわたしの勝利ですねぇ。親継続と言うやつですよ。そしてリーチ棒を寄越すのですよ」

メセタは軽く言葉を漏らし、他のプレイヤーはそれぞれの手牌を眺めながら次の局へと気持ちを切り替えていく。


東1局2本場の開始である。





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