324 第1話終了
『連続テレビ小説:愛ゆえに~百貨店創設物語』
第1話 終了までのシーン
クライマックス:父との対話
夕方になり、片岡家の雑貨店は店じまいの準備を始めていた。
翔太郎は家族と一緒に店の片付けを手伝いながら、昼間の出来事を考え続けていた。
新しいデパートのこと、佐伯達也の言葉、そして自分の夢。それらが頭の中でぐるぐると回り、混乱していた。
片付けが終わり、家族全員が食卓を囲む。
父の片岡清吉(50代)は昔気質の商売人で、慎重かつ誠実に商売を続けてきた。清吉は、今日の売上に満足しながらも、どこか遠い目をしていた。
彼もまた、デパートの存在に危機感を感じていたのだ。
食事が終わり、片岡家の家族団らんが始まる中、翔太郎は意を決して父に問いかける。
「父さん、もしこの商店街がデパートのせいでお客さんが減ったら、どうするの?」
その問いに、一瞬静寂が広がる。母の志乃も箸を止め、父と翔太郎の間に緊張が走る。
清吉は少し驚いた表情を見せた後、深いため息をつく。
「翔太郎、お前もそのことを気にしているのか…。確かに、デパートができたら、商店街の店は苦しくなるかもしれない。だがな、商売というのは、愛と信念があれば続けられるものだ。お客さんとの信頼関係が大切なんだよ」
翔太郎は父の言葉に頷きつつも、心の中で葛藤が続く。
「それでも…もっと多くの人に喜んでもらえるお店が作れたら、それも良いんじゃないか?みんなが笑顔で買い物できる場所を作りたいんだ」
と素直に気持ちを打ち明ける。
清吉はしばらく黙ったまま、じっと翔太郎を見つめていた。
やがて、優しい声で言った。
「翔太郎、お前の夢は大きい。それは素晴らしいことだ。だがな、夢を追いかけるには現実も見なければならない。お前が作りたい店がどんなものか、しっかり考えてみなさい。それが商売というものだ」
この父との会話は、翔太郎にとって大きな教訓となる。
自分の夢と現実のバランスをどう取るべきか、そしてどんな店を作るのかを改めて考え直す契機となる。
終幕:新たな決意
夜が更け、翔太郎は自室の窓から外を眺めていた。
東京の夜景が広がる中、遠くに建設中のデパートがうっすらと見える。あの大きな建物に、自分の未来を重ねる翔太郎。
しかし、彼の胸にはまだ整理しきれない不安と期待が混ざり合っていた。
「僕は、ただ大きい店を作りたいわけじゃない。お客さんが本当に喜ぶ場所を作りたいんだ」
と、翔太郎は小さな声でつぶやく。父の言葉と、自分の夢。
その狭間で揺れながらも、翔太郎は心の中で新たな決意を固めた。
「きっと僕にしか作れない、みんなが笑顔になる店があるはずだ。商売には愛が必要だって母さんが言ってた。それを忘れずに、必ず成功させてみせる!」
エンディングが流れ
第1話終了である。
「子供ながらにそんな大きな夢を抱えるなんて」
リッカは少し涙を流していたがこれは悲しいからではないということを俺は理解した。
こうして
金曜日から始まった
連続テレビ小説を観ることにしたのだ。
次の回は月曜日からである。
食べるのも皆食い入るように観ていたので
忘れていたことに今気づいたのだった。
「あ、パンと飲み物食べ忘れていた」