281 リューガとスペリオルとメセタ
俺はリューガはオッドアイと思ったんだが…。
「これは一般的に言う『オッドアイ』とは違うんだ」
オッドアイでは、無かったようだ。
彼が言うには
左目の金色の瞳には魔獣を『登録』しているという。
どういうことだ?
ここでギルドマスターが現れて
「彼のことを説明しますね。彼はリューガといいます。
彼はとある魔獣と契約を交わしているのです。この瞳はその頃からなんです」
なるほど。
「その魔獣は」
『ここからはわたしが説明しよう』
と、リューガの瞳が光り
彼の目から光が出て
俺達の前に人形として現れる。
そしてまるで執事のように礼を振る舞い。
リューガの隣へ。
「リューガ様、最近はお疲れではないですか?」
「スペリオル…気遣い感謝だ。安心して良い俺は健康だぞ」
「リューガ様?健康なのと疲れているは別ですぞ」
「そうなのか?おい!」
スペリオルは肩を揉み始める。
「うーむ、やはり身体は正直ですね。かなり凝り固まっておりますぞ」
「あー、俺もやってもらいたい」
と、俺はスペリオルの肩揉みに興味が湧く。
チャリオットも興味があり
あとから教わろうとしていたのだ。
「そんな感じじゃないんだけどな」
「意外と本人では気付かないものですよ」
メセタはスペリオルを見て
「まさか…貴方は」
「うん?…ツィーゲル殿?」
『ツィーゲル』はメセタの初期に俺の母に付けられた名前だ。
「いえ現在は我が君と契約しているので『ツィーゲル』ではなく『メセタ』です」
「なんと!?女神メセタ殿の名前を授かったのですか!?」
こんな会話をして
メセタと俺の関係を話す。
「この世界の主神様にあなた様が。これも何かの縁ですね。
わたしはスペリオル。ベステル•ドラクレイオス型のプロトカルトです」
ベステル•ドラクレイオス?
メセタから
ベステル•ドラクレイオスについて聞いた。
この世界の調和を担うドラゴン型の魔獣で
スペリオルはそのプロトカルトである。
そして人間モードが実行できる為
俺達の前には
人間の執事のような姿で出てきている。
そしてリューガとは
友達であり従魔契約をして
普段は、彼の瞳に隠れる形を取っている。
(ドラゴン系も居たんだな)
ギルドマスターは
俺にギルドに入らないかと言われたが
俺は
農家でそれに冒険とは基本しないのでときっぱりとお断りをした。
能力的には俺はかなり向いているとは言われたが
やはり
冒険に明け暮れる生活をして野菜類、果物類、豆類の世話を放るのはやだ。
家族に任せても良いけど
俺にも育てる責任があるので
やはり断る手段を取った。
冒険に興味があるか無いかで言ったら
あると答えるだろう。
でも、それは農作物を育てて
今の生活をしていなかったらの話である。
元より俺はスローライフの道を選んだのでここでの断りの発言に対して
後悔は一切していない。
だが、ギルドマスターには
「でも、俺がもし何百年か後に興味が出たら冒険者になっても良いですか?」
と、だけは言った。
俺は長い刻を生きなくてはならないのだから
何百年かして
世界の全てを知っておくべきと判断した時でも遅くは無いのだから。
ギルドマスターはにっこり微笑み
「はい。今回は降られてしまいましたが是非、その時にはよろしくお願いいたします」
ギルドマスターの種族は
エルフェンリートなので少なくとも500年は生きる。
ギルドマスターは今年で60歳なのでまだまだ十分若い。
リューガは人間ではなく
ロウガ(狼牙)という種族である。
また、一人一人と俺は仲良くなっていく。