280 エリクスとギルドに入る、魔眼のリューガと初対面
冒険者ギルドの入り口に到着した俺達は
「外で待ってようか?」
というが
エリクスが
「いや冒険者ギルドの中でも待ってても良いと思うよ」
とのことだったので
前みたいに入って
メセタ達と一緒にソファで待ってようということになった。
一応はエリクスから
耳打ちで
「兄貴?メセタに頭ちゅっとかは今回は止めてくれよ?
この間それで女の子達がキャーキャー言ってたし」
(あー、それは俺の前にいた世界でもある『同人ネタ』というやつかな?別に気にしてないんだけどなぁ)
とは、思ったが
エリクスはそういうのは気にするわけね。
メセタも耳が良いのである。
俺達の会話は聞こえている。
(お二人さん、わたしは耳が良いのですよ。我が君も視野角大と聴覚等はわたしの関連で上がっているのではないのですかね?)
俺は一応はメセタから受けている恩恵はある。
が、実際にはあまり機能してないのである。
ライトとユミナがソファで寛いでいるとほかの冒険者の人が
「お?かわいいね兄妹?」
「ううん。違うよ!僕はライトで」
「あたしはユミナっていうの」
よく見ると二人とも種族が違うので理解したらしい。
「ライトくんは人間でユミナちゃんは…うーん?…人間なの?」
「あたしは獣人種らしいです」
獣人種は非常に珍しい種族である。
部族形成で基本は成り立つ為
冒険者は
「えと…迷子とか?」
と、慌てている。
俺が
「だ!大丈夫ですよ!俺がこの子の母親で父親はこっちです」
と慌てて
メセタをずいずいとやるとメセタが少し不機嫌で
尻尾をびったん!する。
「我が君!?なんて説明ですか!」
と、怒り出す。
冒険者は魔獣言語持ちだった為
「ははは!慌てること無いだろ。そうか…でも貴方は男性では?」
「あ、その俺女でもあるので」
と言ってしまったのである。
「特殊なからだの人なんだな。でも人と魔獣が子を成すなんて聞いたこと無いけどな」
「我が君は特殊な人なのです。運命の人なのですよ」
とえっへんしている。
「そうなんだ…(どういうことなんだ?)」
そこへエリクスがやってきて
「兄貴が特殊なのは本当だしな」
「おお!エリック!ん?兄貴ってお前の兄貴はアルドさんだろ?」
「アルド兄も兄だけど『』さんも兄貴なの」
と言って俺に抱きつく。
(やめい!)
ぼぼぼとなる俺。
「あー、お前が言っていた『農家の家主』か。手伝っているって言ったもんな」
「そう!あ!こっちは俺の冒険者仲間で『リューガ』っていうの」
ここで名前が判明した。
『リューガ』ね。
「おう!ひと呼んで『魔眼のリューガ』だぜ!」
「魔眼ってなに?」
「それはこれだ」
と言ってリューガは眼帯を外す。
左右で目の色が異なっている。
(オッドアイ?)
でも、それとは違うような。