236 土曜日の午前運命は動き出す~出産~
少し時は動き
土曜日の朝
朝から嫁が調子悪そうであった。
アリアさんが付いているが……。
アリアさんから
「産気づいてきています……このまま出産に向け準備を始めますのでまずお湯を用意しましょう」
と言っていたので
温度を確認して
少し熱めのお湯を用意する。
赤ちゃんの産湯のお湯である。
それをすぐに用意して
嫁をベッドに寝かす。
アリアさんは嫁の衣類を丁寧に取っていく。
それから出産の仕方を教える。
呼吸法は
ラマーズはしてはいけないことを学んだ。
ラマーズは過呼吸をよび危ない状態を呼び込んでしまうらしいのだ。
正しい呼吸法を俺達は学んだ。
俺は嫁の手を握ってやり
元気づける。
俺ももうすぐ出産だし
覚えないといけないからだ。
アリアさんが
「これなら大丈夫ですね……いきんで!」
「ふぅ!……すぅ……は!」
「そうです!いいですよ……そこでやめ!」
「ふぅ……」
……。
「そろそろですね!いきんで!」
これを10回繰り返すと
「ぎゃー!あー!」
という声が聞こえた
俺と嫁の第1子の誕生である。
産まれてきた神の子は男の子であった。
名前はまだ決めていない。
だが嫁はもう決めてるのか
抱き寄せ
「貴方は麗人さんとの第1子!『ライト』よ!よろしくねライト!」
嫁の言う名前を気に入ったのか
ライトはにこにこしている。
今日からお前はライトだ。
こうして俺は息子ライトとの生活が始まるのである。
アリアさんは次の俺の出産が2週間後の為
このまま引き続きお泊まりをしてくれるらしいのだ。
しかもお義父さん達も一緒に……。
いいのかよ!
会長達!
会長、お義父さん、アルドさんは
「大丈夫!婿助は出産に向けて頑張りなさい……野菜ジュースとか飲ませて」
ほぼそれが目的ではないかと心配でならんのだが。
「跡取りくんの出産……近くで見たいものだ」
いやー俺一応あれも付いてるから……ね?
会長……聞いてる?
アルドさんは
「特殊身体拝見したい」
アルドさんはただの興味本位かもしれん。
2週間後だと
ライトは少し声とかハイハイとかし出すかもな。
メセタがそう言っていたし。
1週間もしないうちに首が座るらしいのだ。
早いって!
俺はそう思った。