219 また土曜日がやってきた
あれから約1週間近く経った
俺は吐き気がだいぶ出てきていて
毎日の収穫物をコンテナに入れる作業も少しであるが出来にくくなってきていた。
(辛い……これが悪阻)
これから安定期まで早くて2週間くらいらしい。
エリクス、チャリオット、ユーミル、子供達が収穫のやり方を2人から聞いて手伝っている。
「これ……やり方知ってからはやりやすい」
とマチルダが言う。
「トト様……子供産んじゃうの?」
「らちいね……父上って凄いね」
と、俺の凄さをアピールしている子供達。
(凄くねーから!)
一応は俺は外にはいるんだから
収穫には直接関わっていないだけで外にはいるからね!
メセタには
「我が君は何もしなくていいですからね!」
と言われ
ミルドレシアは太腿をすりすりして
「ままぁ……弟か妹産まれるの?」
「ん?どうなんだろうな……お前達とは違う種族になる可能性とかもあるぞ」
と俺はお腹をさすりながら早くて1ヶ月半後に産まれてくる子供をにっこり微笑む。
その微笑みにメセタが真っ赤になる。
「我が君!?……なんて……麗しゅう」
なんだなんだ?なんでメセタ顔真っ赤なんだ?
(あーあ、ままって鈍感なのかな……あんな顔したらぱぱ顔真っ赤になるに決まってるじゃん)
ミルドレシアはまだ見ぬ胎児に心躍るのか尻尾を高速に振るう。
そして、また日曜日がやってくる。
朝食を作りに行くと
もう、エリクスとチャリオット、お手伝いでユーミルが
これはここ
あれはここ
という感じに行っていた。
「兄貴おはようございます、ゆっくりしてていいからね」
とエリクスは言うと頭の中で声がする。
『エリクスよそなたの行いに我は感激したそれでな
エリクスよ。そなたに新しいスキル『家事レベル1』を授けよう』
(あ、ありがとうございます。女神様)
エリクスは自分ばかりスキルや称号を得られている状況に少し頭の中はパニック気味だ。
だが、努力と根性で切り抜ける。
朝食を食べ終え
俺も後片付けには参加する。
エリクスから
「少しでも調子悪くなったら言ってよ」
と優しくされる。
あまり人から優しくされることに慣れていないので正直照れる。
「お?我が君……顔が赤いですねぇ」
とメセタに茶化される。
そして、商品受け渡し当日である。
それの準備を俺もやれる範囲で行う。
嫁の出産まであと2週間
来週
産婆であるエウヤントスのアリアさんが来てくれる。
それと事前連絡でアリアさんには俺の出産にも立ち会えるか確認してもらっているという。
エウヤントスは神の子専門の産婆を昔からやっている種族なのである。
エウヤントスの組合に聞いたら
どうも過去にも男神が出産したというケースは何件もあるので対応は可能らしい。