196 土曜日の夜はおつまみとテレビの推理二時間ドラマである。
土曜日の夜
風呂からあがり
俺達はいつもの通りテレビをつけて今回の夜のおつまみは
プチドーナツと麦茶それとウインナーソーセージである。
それを食べながら
土曜日のテレビ
『推理もの2週間ドラマ』の閲覧である。
本日の推理もの2週間ドラマは
『消えた金色のメロディ~常磐和子の事件簿─寝台特急時間差トリックの謎─』である。
犯人はしかし意外な人物で確かモノ語りが好きで作詞家という人であったはずだ。
俺はこのドラマを観たことがあるがなかなかに面白い推理ものであると記憶にある。
そんな時にリッカが言うのである。
「そういえば、金色のメロディの作者って誰なのですか?」
あ!確かにそれは気になるところである。
2週間前はそんな疑問も持たなかったが今だと気にかかるところだなと思ったのでスマホで検索してみることにしたのだ。
そして出た結果……『荒牧和寿』さんであった。
(ん?どこかで聞いたことのあるような)
あ!
俺の父親やん!
というか育ての父親!
それをリッカ達に伝えるとリッカ達はそれはそれは驚いた。
ちなみに俺も驚いているよ。
作家なのは知っていたけどまさかテレビで放送されるとはね。
立派だな親父!!
よく父親が何かを書いていた。
俺は父親に
「それなに?」
聞いた
「これは仕事だ。わたしは作家だからねこうして書いてそれを本にするこれがわたしの仕事なんだ」
と、よく言っていた。
名前はその時には知らなかったんだよな。
『荒牧和寿』
それが俺の育ての父親の作家としての名前だ。
実の親は
この世界で運命の神テュポンだと知ったから。
でも、荒牧和寿も俺の父親だ。
人間側の父親である。
それを思いながらテレビを観ておつまみを食べる。
親父!今俺はいろんな種族のもの達と仲良くやってるし
俺神様だったよ
この世界の主神だったんだよ。
この先も見守っててくれよな。
と、俺は目の前にいない父親に心の中でいうのであった。
ドラマは佳境に入る。